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紙の本
テレビでは見えないモンゴル
2002/01/21 02:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:十二番目の男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて世界はモンゴルのものだった。
モンゴル高原に興ったモンゴル帝国はその圧倒的な機動力・軍事力を背景に、ユーラシア大陸を席巻する巨大帝国になっていった。歴史上、これほど広大な地域を支配した国家は他にない。少なくともその当時、モンゴル人は世界最強の騎馬民族だったと言えるだろう。
本書はまさしくそのモンゴルの歴史と文化について記したものである。著者はドイツのモンゴル研究者・ハイシッヒ(Walther Heissig)。原書名は「EIN VOLK SUCHT SEINE GESCHICHTE(民族は歴史を探し求める)」
全11章から成り、学問研究の対象としてのモンゴル、わかりやすくいえばマニアックなモンゴルの歴史と文化について書かれてある。従って、テレビで見るようなモンゴルの姿はここには書かれていない。これは学問書である。旅行に携帯しても、あまり使い物にはならなさそうだ。
すでにモンゴルに対して興味を持っている人にとっては、新しく知ることの多い、実りある一冊となるだろう。ただし、本書には難点も含まれている。
まず、前述の通り本書はそもそもドイツ人の手によるドイツ語の書物であり、日本人の手による日本語の文章ではない。その上、著者も訳者も学者であるため、正確さを重視する翻訳がとられてある。結果、「なんだかドイツ語みたいな日本語」になっており、場所によっては意味を理解するために何度も読み返す必要が出てくる。
続いて、書かれてある内容が散開することがある。徒然なるままに、思いつくままに書かれてあるようだ。ぼうっとしていると自分が読んでいる箇所が一体何について書かれてある場所だったのかすっかりわからなくなってしまうこともあるので、その時にはやはり何度も読み返す必要が出てくる。
と、まあ、日本語の本としてはいささか不親切ではないかと思える箇所もあったが、書かれてある内容は専門的で、懐が深い。マニアックな「モンゴルの歴史と文化」に触れることができる一冊だ。