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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.8 9件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2001.2
  • 出版社: みすず書房
  • サイズ:22cm/351p 図版16p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-622-03206-6
  • 国内送料無料

紙の本

遠い場所の記憶 自伝

著者 エドワード・W.サイード (著),中野 真紀子 (訳)

「あるべきところから外れ、さ迷いつづけるのがよい」 エルサレム、カイロ、レバノン、そしてアメリカ合衆国。遠い記憶に呼びかけながら20世紀の1つの家族と時代を見事に描く、感...

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遠い場所の記憶 自伝

税込 4,730 43pt

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商品説明

「あるべきところから外れ、さ迷いつづけるのがよい」 エルサレム、カイロ、レバノン、そしてアメリカ合衆国。遠い記憶に呼びかけながら20世紀の1つの家族と時代を見事に描く、感動のメモワール。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

エドワード・W.サイード

略歴
〈エドワード・W.サイード〉1935年エルサレム生まれ。ハーバード大学で学位取得。現在、コロンビア大学英文学・比較文化教授。著書に「音楽のエラボレーション」「文化と帝国主義」など。

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みんなのレビュー9件

みんなの評価4.8

評価内訳

  • 星 5 (5件)
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  • 星 1 (0件)

紙の本

中東問題を考える前にぜひ本書を

2005/03/07 13:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:仙道秀雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 サイードは複雑な環境の中に育ったパレスチナ人である。アメリカ市民権をもったアラブ系の有能な事業家の父のもとにキリスト教の環境でエリート教育を受けた。幼少時代に育ったカイロに強い愛着をもち、プリンストン・ハーヴァードで文学者になるための基礎的訓練を積んだのちは、アメリカ人として終世ニューヨークにとどまり、1967年以降はPLOとの距離を保ちつつも「パレスチナ人の物語」を編むことに強い情熱を燃やし、高い知性をもって批評活動を続けてきた。

 その複雑さは自分の名前エドワード・サイードという名を語ることに躊躇した幼年時代にすでに現われている。エドワードという名は、当時の中東で支配的な文化だったイギリス的なものを象徴している。一方、サイードという名は、父のアラブ系の名前である。彼は自分の名前のそうした複雑さが他人からみて奇異に映ることを直観していたので、他人に自分の名前をうまく伝えられなかったのである。例えば私が、父も母も日本人なのにリチャード・大塩という名をもし与えられたとしたらその奇異さ、居心地の悪さは明らかであろう。

 こうした複雑さに、抑圧的な父、極端でアンビバレントな愛情を注ぐ母、その母へ寄りかからざるを得ないサイード、さらに中東戦争の傷はサイード家とその縁者との距離を広げるという難題が加わり、さらにこの人物の独立心と「どこに置いても異質なわたし」という葛藤が加わる。

 しかし本書は白血病によって死を意識した個人としてのサイードがこうした諸問題を和解させつつ、パレスチナ人の物語を提出することである種の普遍性を獲得することに成功した。苦労は人を鍛えるとはまさにこのことだ。その方法は古典に親しみ、音楽に親しみ、出来合の枠組みから逸脱した思考をし、フェアな態度で人と語りあうことに尽きるという意味でわれらを大いに励ましてもくれる。

 最後に、どうしてパレスチナ人の物語が必要なのかについての引用を紹介しておきたい。

 「パレスチナ人による物語の欠如が招いたものは、人間らしい存在としての国際的な認知の欠如であり、その結果、テロリストというレッテルを貼られたパレスチナ人は収奪しても殺してもかまわないかのようなことがまかり通る状況が現出している。これに対抗するには、パレスチナ人にも同じような歴史があり、破壊によって失われたことを悼むべき社会があったことを示す具体性のある『物語』が提示され、そこに生きた男や女のひとりひとりが何を悩み、何を夢見たかということがパレスチナ人自身によって語られる必要があるということである。」
(344ページ)

 してみれば、わたしらもまた蔓延する貧しい知性によるドラマやあたたかみのない感性の露出する世間に抗して自分たちの物語を編む必要があるといって差し支えないだろう。

(訳者の力量にすばらしさに感嘆したことも付け加えておきたい。)

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紙の本

アラブ社会の未来の縮図がパレスチナにある。イスラエルとアメリカに押し潰される悲劇の未来図が。

2003/04/06 20:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:弥一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 小生は、かの同時多発テロ以降、世界の政治や文化などの潮流が変貌するのか、自分なりに注視している。
 が、同時に、仮に結果として今、大きな潮の変わり目にあるとしても、それは長い目で眺めないことには、小生如き軽薄漢は右往左往するばかりだろう、と思う。
 ユダヤ教の持つ数千年の歴史、キリスト教の持つ二千年の歴史、イスラム教の持つ千四百年の歴史を思うと、目先の変化にばかり気を取られているわけにはいかないのではなかろうか、とも思う。
 ネットの世界でも様々な意見が交錯している。その中で格別、小生が注目しているというのではないが、シオニスト国家イスラエルの建国によって翻弄されたアラブの民の、あまりに語られざる歴史の闇を、少しは照らし出しておくべきではないかと、サイードの『遠い場所の記憶』を敢えて、先月来、ゆっくりと読み進めてきて、先週末、ようやく読了したのだった。
 彼、サイードは、エドワード・W・サイードという。すぐに分かるように、エドワードは英国風の名前であり、サイードはアラブ風の名前である。原書のタイトルは、『Out of Place—A Memoir』である。まさにPlaceからOutされてという自伝なのだが、そのPlaceというのは、必ずしも生地であるパレスチナばかりを意味するわけではない。
 1935年にパレスチナで生まれたサイードは、少年時代を衰退しつつあった大英帝国による植民地支配下のカイロとエルサレムで過ごした。が、彼の一家はカイロにおいては擬似ヨーロッパ的サークルに属しており、外国人の扱いを受けていた。
 また両親はアラブ人キリスト教徒(プロテスタント)というアラブ人として少数派に属し、父親はアメリカ国籍を有していた。
 つまり父は、アメリカ国籍のアラブ人資本家なのである。一方、母親はやがて一家が移住するアメリカに決して馴染むことはなかった。サイード自身、英語文化で教育されつつも、常に知的には育った文化に対して反抗するのだった。
 このメモワールで分かることは、サイードが極端なマザーコンプレックスであったことである。そのことは、母親が夫の徹底して実務的な性格に妥協できず、むしろ夫とは全く違う、文化への性向をサイードに植え付けようとし続けるという結果を生む。
 この自伝は、サイードが白血病を宣告されたことを契機に書かれ始めたものである。同時に、この自伝は、死を意識することによって初めて可能になった、Out of Place の人間、何処にいても特殊な人間であることを宿命付けられた人間の、両親との和解という形を取ることでの、ある種の普遍性への目覚めの物語でもあるのだ。
 パレスチナの民がパレスチナの民自身の手によって、自らの歴史や物語を書くことは、今、特に困難な状況にあるようだ。
 それはシオニストらによって(当然アメリカのメディアも含まれるが、日本は…?)パレスチナ人の声が封殺されているからである。その不可視の “システムや不正への怒りがサイードの政治的活動へ駆り立てる原動力になってきた” のだろう。
 日本においても、戦後、国家(政府)が表立って堂々と世界に、特にアメリカに対して原爆や空襲などの野蛮なる現実を訴えることが叶わずに来た。まるで原爆を投下されたのは、日本がアジアの民に悪さをしたから、正義の国・アメリカに逆らったから、その報いを受けたのであり、今更、言えた柄じゃない、とでもいうようだ。
 どこまでもアメリカに対し卑屈なのは、アメリカ(シオニスト)の怖さを政府当局者などは骨身に沁みて知っているからなのだろう。
 ここにも、シオニストの架構した不可視のシステムがあるのだと改めて思うのである。

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紙の本

意外や意外!劣等生だった大批評家の回想

2001/04/12 03:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:野崎歓 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 サイードといえば20世紀後半、もっとも大きなインパクトを世界的に及ぼした批評家、思想家の一人である。その著書『オリエンタリズム』は、ヨーロッパが「オリエント」にいかなる眼差しを注いできたかを分析しながら、西洋主体の価値観を根本から問い直す、圧倒的力量を感じさせる偉業であった。さらには邦訳完結が待たれる『文化と帝国主義』や、パレスチナ問題をめぐる発言により、ラディカルでかつ時事問題に鋭く反応する発言力をもった思想家として、サイードの姿はいよいよ迫力を増すばかりだったのである。

 本書はそのサイードが、難病に犯されてしまったことを契機として、自らの半生を振り返ってつづった回想の書である。一九三五年、イギリス委任統治下のエルサレムで生まれたのち、カイロで教育を受けつつヴァカンスはレバノンで過ごし、そして十六歳でアメリカの高校に留学。その後プリンストン、ハーヴァードで学ぶまでが辿られている。

 卓越した思想家の知的遍歴の記録が読めるのかと思いきや、意外にもここに描かれているのは、どこかプルーストの主人公にも似たひ弱さと、傷つきやすい精神を抱えた少年の、いささか情けなくもありまたいじらしくもある肖像なのである。まず親子関係の重圧。固陋なガンコ親爺ぶりを戯画的にまで発揮するサイードの父は、精神的のみならずときには身体的な暴力を、ハーヴァードの大学院生となった息子相手にまでふるうのであり、一方母親はといえばサイードおよび姉妹に対し独特の残酷な心理操作を加え、子供たちに末永く執拗な支配をおよぼす。思春期のサイードの下着に「夢精」の跡がないのをとがめて、おまえは忌まわしい自慰の悪徳にふけっているのだろうと詰問する父母の姿には恐怖さえ覚えてしまう。彼らにとってサイードは、ひたすら無力で弱々しい息子であり続ける。
 家庭の重圧に加わるのが学校の重圧だ。イギリス人やアメリカ人が経営する小・中学校に学んだサイードは、そこで優勢を占める白人生徒たちのあいだで違和感にさいなまれ、あるいはアラブ人を人とも思わないイギリス人教師たちの無理解と差別にさらされる。高校時代のサイードは、自他ともに認める落ちこぼれ学生、素行不良の劣等生であり、ついには放校処分を受けてしまう。後年、当時の同級生は有名人となった彼の姿に「本当にあのサイードか?」と仰天したという。

 父がアメリカ国籍をもつゆえもっぱら西洋式教育を受け、それに反発を覚えながらしかしパレスチナ人としての正統性も主張し得ない。まさしく原題どおりの「アウト・オブ・プレイス」、居場所なしの青春がヴィヴィッドに活写されていて、共感とともに読むことができる。そして「アウト・オブ・プレイス」こそは自らの定めと悟ったその時に、思想家サイードの誕生があったのだろうと想像されるのである。 (bk1ブックナビゲーター:野崎歓/東京大学助教授・フランス文学者 2001.04.12)

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