このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
勝負に出たな!
2001/11/09 17:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:十二番目の男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で言ってしまえばこれはギャグ小説である。ただのギャグと違うのは、「ツッコミ不在」ということ。言いっぱなしの、ぼけっぱなし。不条理極まりなく、ある意味すさまじくマニアックな小説に仕上がっている。笑いのパワーだけに限定すれば、これほどの傑作は古今に例がない。
これを受賞作に選ぶということは、間違いなく「勇気」であろう。下手をすれば富士見ファンタジア文庫のイメージを大幅にダウンさせてしまうかもしれない。これぞまさに勝負、乾坤一擲の大勝負だ。勝ったか負けたかは、わからないけれど。
……続編があるのかどうか、ただそれだけが心配です。
紙の本
選考委員、よくぞ通した!
2001/02/09 03:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タニグチリウイチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めて絶句。読み終えて呆然。浮かぶ言葉は一言「スゲエ」。古今の小説を読み尽くして来た強者にも、これが小説初体験という幼子にも、果てしない賞賛かもしくは底知れない罵倒をもって迎え入れられるだろう物語。それがこの本『激突カンフーファイター』だ。
何がそんなに凄いのか。それは主役のヒーロー「カンフーファイター」が、3歳の女児のワンピースを着て悪人の前に姿を現す筋肉モリモリの70過ぎた爺さんだということだけで分かるだろう。あるいは敵の女ボスが突然、盗んだ札束1億円を積み上げ壁を作り丸めてボールを作って、スカッシュをやり出すエピソードからも分かるはず。
あまつさえ女ボスはこう言い放つのだ。「この札束の何百分の一のお金で道具を買えばもっといいスカッシュができるのよ」「お金なんて使うこと意味があるの」「郵便局に閉じこめておくなんて可愛そう」。何という論理の飛躍! にも関わらず何という説得力!!
もちろんこれはほんの一端。全編これナンセンスなギャグのジェットストリームアタックが、あらゆる読者を巻き込んで不条理の彼方へと連れて行く。「富士見ファンタジア長編小説大賞」準入選作。選考委員、よくぞ通した!
(タニグチリウイチ/書評家、新聞記者 http://www.asahi-net.or.jp/~WF9R-TNGC/)