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紙の本
政治と倫理vs道徳と汚職目からウロコ
2002/07/17 12:23
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投稿者:優樹O - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治化の汚職金権がらみのスキャンダルはあとをたたない。最近では鈴木宗男氏や加藤紘一氏といった与党の首相候補までがスキャンダルがある。ここで汚職つまりお金と利権を引き換えにすることについて議論が三つに分かれる。(1)完全否定(2)完全肯定(3)程度問題で明るみに出たら否定、である。世論調査などでは(1)が多い。しかし何らかの利権誘導はすべての職種について国民皆がやっていることでその後ろめたさからか本心的には(3)らしい。だから週刊誌等で表に出るまではスキャンダルを知っているはずの新聞記者も黙認し、ひとたび明るみに出れば徹底的にたたく。たたかれた側には弁解の余地はない。これは本当に民主的といえるのだろうか。なぜYES・NOはっきり言えないのであろう?
本書は政治家田中角栄の功績とスキャンダルを題材にあのアカデミシャン小室直樹が「政治とは何か」について官僚制・民主主義・マキャヴェリなどをキーワードに書いたものである。とくに政治と倫理をわけることで政治学を作ったいうマキャヴェリ、デモクラシーはお金がかかるそれが自由民主の代償だというデモクラシー論には目からウロコものである。
日本人はどうも倫理と道徳を混同する傾向があるらしい。道徳観が足りないだとか庶民の感覚では分からないとかといった発言で済ませようとする。そりゃ立場が違えば基準も違うそれらすべての均衡点をもとめるのが民主主義で、民主主義=平和平等な社会にとって一番大切なことは人権であり決して精錬潔癖さや政治道徳などではない。それを意識して読むと著者の論の魅力がよくわかるはずだ。