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タイタス・クロウの事件簿 (創元推理文庫 タイタス・クロウ・サーガ)
●鋼屋ジン氏(『斬魔大聖デモンベイン』原作者)推薦――「少年ラヴクラフトが魘(うな)された悪夢から、私たちは生まれたんだ。」●朝松健氏推薦――「ラムレイは、形骸化しつつあ...
タイタス・クロウの事件簿 (創元推理文庫 タイタス・クロウ・サーガ)
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商品説明
●鋼屋ジン氏(『斬魔大聖デモンベイン』原作者)推薦――「少年ラヴクラフトが魘(うな)された悪夢から、私たちは生まれたんだ。」
●朝松健氏推薦――「ラムレイは、形骸化しつつあったクトゥルー神話に、アクション伝奇の新風を吹き込んだ。」
『ネクロノミコン』はじめ魔道書の数々を解読し、その悪しき智慧を正義のために使う男、タイタス・クロウ。魔教の使徒たちや不死の魔術師、あるいは数秘術を操るテロリストと戦う彼の全中短編を1冊に収録した。20世紀最大の怪奇小説作家ラヴクラフトの後継者と称される現代英国ホラー界の旗手がおくる、連作オカルト探偵小説。訳者付記=夏来健次/解説=朝松健【本の内容】
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タイタス・クロウの冒険
2002/03/01 03:02
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投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫の紹介文を読むに、《二〇世紀最大の怪奇小説家H・P・ラブクラフトの衣鉢を継ぐ英国ホラーの重鎮》らしいが、ラムレイという名前は、はじめて目にしたものだし、ホラーについては少しの知識もないのでわからない。だが、ラヴクラフトによって創作され、弟子たちが体系化したクトゥルー神話の、後継者といえる存在であるのは、この連作怪奇探偵小説を読めば自明のこと。確かにラブクラフトの衣鉢を継いでいる。
作者のラムレイを、本作で解説を担当し、以前に翻訳を行っていた赤松健は、《親日家の心優しき「召喚者」》と表現している。文通していたこともあったんだとか。解説《優しき召喚者》で引用されているラムレイの言葉からも、読者を楽しませるために、クトゥルー神話の存続、といった思い入れが伝わってくる。優しい人なのかはちょっとわからないが、肩入れせずにはいられないキャラクターなのは間違いなさそうだ。
ラヴクラフトの友人であり、弟子でもあるオーガスト・ダーレス(シャーロック・ホームズのパロディとして名高い、ソーラー・ポンズシリーズの作者でもある)が編集者として、ラムレイの処女作出版に携わっているというのは、クトゥルー神話を扱ったホラー小説、という狭い世界のことで必然なんだろうが、奇怪な因縁といえる出会いがあったんだろうと想像してしまう。
主人公のタイタス・クロウは、太古の邪悪な神が操っていたという秘術を習得し、悪の手法を使うことで悪しき存在と戦うという人物。戦中には、英国軍本部に在籍し、暗号の解読や、ヒトラーのオカルト嗜好に関してアドバイスをするという立場についていたが、戦後はオカルト関係の収集家、研究家として活動していた。
本作に収められているのは、彼の生い立ちから、のちに悪と対峙するきっかけとなった「妖蛆の王」事件、相棒のド・マリニーと共に異界へと旅立って姿を消してしまったのちのエピソードまで。全編を通しての伝奇趣味は新しいし、クロウによる謎解きは面白い。
題名を「タイタス・クロウの事件簿」とするよりも、冒険としたほうがよかったのではと思う。事件簿としたのは、ホームズやそのライヴァルたちが影響しているのかも。苦労の冒険譚は、長編作品として書かれ、完結しているようなので、そちらの翻訳が行われるのを待ちたい。
『妖蛆の王』
中編。
戦後まもなく、仕事を失っていたクロウは、自らのオカルトに関する知識が生かされそうな仕事の口を見つける。雇い主を訪ね、奇怪な風貌の館にやって来た彼は、奇妙な老人に知識を認められ、オカルト関係の膨大な蔵書の整理を任される。
たびたび見かけられる気味の悪い虫の姿や、飲んでしまうと自分を失ってしまうワイン、得体の知れない雇い主が関係する悪夢から、自らの危機を悟ったクロウは、敵への反撃を開始する。
クロウは、敵の知識を利用し、自らの武器として戦うというタイプのヒーロー。蔵書を読んだり、遺物を調べるなど、力を手に入れる方法はまったく異なるが、仮面ライダーとも相似点が…。