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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.2
- 出版社: 日本経済新聞社
- サイズ:30cm/254p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-532-12355-0
- 国内送料無料
紙の本
ウフィツィ美術館 フィレンツェの名画100+1
イタリアの「花の都」フィレンツェにある、ルネサンス美術にあふれる華やかな都市の美の殿堂「ウフィツィ美術館」。この世界一の美術館から選りすぐりの名画101点を収録。1作品を...
ウフィツィ美術館 フィレンツェの名画100+1
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商品説明
イタリアの「花の都」フィレンツェにある、ルネサンス美術にあふれる華やかな都市の美の殿堂「ウフィツィ美術館」。この世界一の美術館から選りすぐりの名画101点を収録。1作品を見開き2頁で楽しめる。主題解説つき。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジョイア・モーリ
- 略歴
- 〈モーリ〉『アート・エ・ドッシエ』編集長。ローマの美術学校で美術史を教える。クリヴェッリやカルパッチョ、ラファエッロに関する図像研究などを発表している。
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紙の本
イタリア・ルネサンス美術の宝庫鑑賞のための絶好の案内書
2001/04/09 18:16
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投稿者:佐々木力 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ウフィツィ」とは古イタリア語で、英語の「オフィス」の意味である。イタリア・ルネサンスを財政的に支えたメディチ家の「オフィス」に由来する言葉であるという。現在は、フィレンツェ市庁舎に隣接する世界有数の美術館として使われている。本書は、その美術館に収蔵されている名画を解説付きで紹介したすぐれた美術書である。
私自身、この美術館を昨年秋に訪問することができた。実見してみて、14世紀から18世紀までのイタリア美術、なかんずくルネサンス期美術のまさしく宝庫であるとの印象を強くした。なかでも見物なのは、ボッティチェッリとレオナルド・ダ・ヴィンチの作品が飾られている部屋であろう。周知のように、レオナルドの作品はフランスを始め世界中に散在しているので、ボッティチェッリの「春」と「ヴィーナスの誕生」が本美術館の秘宝中の秘宝ということになるかもしれない。ラファエッロやミケランジェロのような天才の画業もいささか見劣りがする印象を免れ難いと言ったら、この美術館の質の高さがどれほどのものか想像できようというものである。しかし、本書の絵画の印刷の質はなるほど一定の水準は維持しているものの、他の卓越した上製本を見慣れている者にとってはそれほど感動は与えないかもしれない。が、この安価では、このことは仕方のないことなのであろう。
ウフィツィ美術館を一巡して気づかされるのは、収納されている美術の生気が中世後期に一気に急速に上昇し、ボッティチェッリとレオナルド・ダ・ヴィンチでたぐい稀な質の頂点を極めたかと思えば、ラファエッロで早くも退廃的気分を感じさせ、ミケランジェロとともに「マニエリスム」=マンネリズムに陥っているというように、その歴史的消長が極めてめまぐるしいことである。これはいったいどういうことなのかとつい考えさせられてしまう。栄枯盛衰は至る所で目撃できるが、とりわけこの美術館において著しい感じがするのである。
「花の都」フィレンツェは訪れるべき教会、美術館など名所旧跡で満杯である。その精華がウフィツィ美術館なのである。時期によっては、予約をしなければ半日は待たされてしまうほどの人気のある美術館である。実際に訪問する前に、本書を手に取り、じっくりと「予習」して行くとよいかもしれない。あるいは、私のように、実見の後、余韻に浸りたい場合にも有用であることは言うまでもない。もちろん、フィレンツェに一度も足を向けることのできない大多数の読者にとっては、唯一の見物の機会が本書をひもとくことかもしれない。せめて、本書の絵画とその解説によって、フィレンツェ旅行の一斑を享受してはいかがであろうか。 (bk1ブックナビゲーター:佐々木力/東京大学教授 2001.04.10)