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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.5
- 出版社: ブルース・インターアクションズ
- サイズ:20cm/1冊
- 利用対象:一般
- ISBN:4-938339-99-4
紙の本
ブルーベリー・ディクショナリー
著者 渚 十吾 (著)
ポップカルチャーの良心的な道先案内書「ストロベリー・ディクショナリー」に続く第2弾。新都市生活者の為の21世紀型ライフスタイル・ガイドブック。季節それぞれにフィットする映...
ブルーベリー・ディクショナリー
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商品説明
ポップカルチャーの良心的な道先案内書「ストロベリー・ディクショナリー」に続く第2弾。新都市生活者の為の21世紀型ライフスタイル・ガイドブック。季節それぞれにフィットする映画、音楽、雑貨などを50音順に並べ解説。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
本のようで本でない、でもどこか懐かしい本の匂いがする不思議な世界
2001/04/18 18:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中山康樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者である渚十吾さんとは、以前「アウトゼア」という雑誌の座談会でお会いしたことがある。もうひとりの出席者はムーンライダーズの鈴木慶一さんで、そのときのテーマはビーチ・ボーイズ、というかブライアン・ウイルソンだった。
ここで白状しますが、そのときはまだ渚さんの文章を読んだことがなく、じつにやわらかい、どことなく「豊かな」人との印象を抱いただけで終わったが、今回はじめて著書を読み、おおまさしく「文は人なり」「本も人なり」を実感した。なんとやわらかい、なんと豊かな世界なのだろう。そして、物事を知らないということは、ときになんともったいないことなのだろう。
これは「アウトゼア」という雑誌の編集者が悪いと、ついヒトのせいにしてしまうが、事前に出席者の著書くらい用意すべきではないか。あの座談会で、ほかのおふたりはともかく、ぼくがろくなことしか喋れなかったのは編集者のせいにちがいない。こういう本を書く人であれば、もっと敬意の表しかたもあったろうに、いやはや不勉強とはおそろしい。
さて本書、これは厳密にいうと、文章ではあるが文章ではない、本ではあるが本ではない、なんというか、日記あるいは雑記のようなものに近く、公園の壊れかけたベンチに座って、ふと隣に座っている知らない人のひとりごとを耳にしているような、そんな日常的な感覚を喚起させる。
タイトルにある「ディクショナリー」とは文字どおり「辞書」ではあるが、著者は春・夏・秋・冬と分類、季節を感じさせるさまざまなアイテムを五十音順に並べて「解説」を試みる。
たとえば夏には、こんなアイテムが並ぶ。アメリカン・パイ、インド夜想曲、ヴァージニア・ウルフ、円と四角、カート・ベッチャー、キング・コング、気狂いピエロ、クー・クー、5時から7時までのクレオ、ゴダール、世田谷線、夏草の誘い、ニューヨーク・テンダベリー、ネバダ・スミス、バック・イン・ザ・USSR、ペギー・リプトン、妖精交響曲・・・・どうでしょう、「夏」のイメージ、広がりませんか。
したがって最初のページや項目から順を追って読む必要はまったくなく、気が向いたときにパラパラとめくって、ふーん、そうなんだとか、そういえば昔サウンド・オブ・フィーリングっていうグループがいたよなとか、あたかも風に吹かれるごとく楽しめばいい。 著者はミュージシャンでもあるだけに、当然ビーチ・ボーイズをはじめとする音楽ネタが多いが、押しつけも「べき」的表現もなく、すーっと知識が入ってくる。
ぼくは著者に会ったことはあるが、本書ではじめて会ったような気がする。 (bk1ブックナビゲーター:中山康樹/音楽評論家 2001.04.19)
紙の本
玉手箱のような一冊
2002/07/28 01:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:明石家ペコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「宝物」について口にするとき、わたしたちは自己のセンスを問われる。だから気心を許した相手でないと「宝物」はちょっと教えられない、と畏まった記憶が誰にも一度や二度あるのではないだろうか。
『ブルーベリー・ディクショナリー』はだから貴重だ。全頁が異なるデザインという装丁への拘りもさることながら、この本で著者は数百項目にわたって自らが出会った「もの」をひとつずつ吟味するように披露してくれる。但し、自らの愛着を元に惜しみなく綴られている文章には、強引に読者との共犯関係を結ぼうとしない、いわば単独犯ならではのスリルがある。サブタイトルとして「Daily Wonder Book」と名指されているとおり、日々書き溜められた「もの」の特徴は凡そ、著者自身が再発見するための備忘録なのだ。
わたしはこの一冊を「宝物」と呼んで憚らない。