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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 388件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2001/03/21
  • 出版社: 小学館
  • サイズ:20cm/721p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-09-379264-X

紙の本

模倣犯 The copy cat 上

著者 宮部 みゆき (著)

【芸術選奨文部科学大臣賞(第52回)】公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯の狂気に立ち向か...

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模倣犯 The copy cat 上

税込 2,090 19pt

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商品説明

【芸術選奨文部科学大臣賞(第52回)】公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯の狂気に立ち向かう第一発見者の少年と孫娘を殺された老人、二人を待ち受ける運命とは?【「TRC MARC」の商品解説】

直木賞受賞作『理由』以来、3年ぶりに放つ現代ミステリの野心作

公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される、事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。【商品解説】

著者紹介

宮部 みゆき

略歴
〈宮部みゆき〉1960年東京都生まれ。「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞、「理由」で直木賞を受賞。他の著書に「蒲生邸事件」「クロスファイア」など。

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みんなのレビュー388件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

下巻が気になる

2023/04/30 21:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カレイの煮付 - この投稿者のレビュー一覧を見る

上巻で、犯人と思われる状況が明かされるが、それは、半分間違った結論だった、というところから、過去を紐解いて行く。上巻だけでは、犯人には到底辿り着けず、下巻が気になるところである。

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紙の本

宮部の代表作

2019/03/28 09:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は宮部みゆきのミステリー小説である。2001年に刊行された単行本であるが、なにしろ大部である。分厚い単行本上下2冊であり、文庫版が5分冊という超長編である。本書は週刊誌に3年にわたって掲載されたもので、よくぞ3年も続いたものだと感心させられる。

 そのせいか、やや冗長な部分が多い。それでも宮部の作品は単行本にしろ、文庫本にしろその分厚さは群を抜いているようだ。冗長というのは書けば書くほど冗長化と言えば、そうとは限らない。書いた分は本筋と何らかの関係のある内容となっているからである。

 『模倣犯』というタイトルはかなり有名になり、よく人々の口に上るようになった。単に模倣犯といえば、手口が似ているという意で使われるが、本書の内容に照らせば、それだけの模倣ではないことが分かる。

 それにしても、宮部は本書でよいキャラクターを育てたものだ。前畑滋子などはその一人であろう。後日、宮部が前畑をスピンアウトして模倣犯の続編らしきものを発刊したが、それにしてはやや魅力に乏しい描き方ではなかったか。前畑の続編を読んでみたいという欲が打ち消される部分もないではなかった。たとえば、夫の昭二との和解は、その理由が解消するには説明不足だったように思う。

 また、高井由美子の成り行きにしても、あまりにもあっさり描き過ぎで、やや落胆してしまった。これだけ大勢のキャラクターが登場する小説なので、読者個々がそれぞれのキャラクターに抱く思いや期待は様々なのであろうが。

 本書以外に宮部作品を読んでいないので、他の作品はどうなのかについては不明であるが、本書に引きずられて模倣作品にならないように希望する。また、読者をあっと言わせる作品を読ませてほしいものだ。

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紙の本

さすがでした。

2018/02/21 18:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:cttt - この投稿者のレビュー一覧を見る

複数の視点からスタートして最後にそれらがまじりあうストーリーそのものも面白かったのですが、細かい心理描写や振る舞いの描写がほんとうに緻密で、この登場人物たちは実在しているのではないかという錯覚に陥りました。

映画は見たことありましたが、やはり宮部作品は小説で読むべきですね。
映画は行間が省かれ過ぎて、半分も表現されていないなぁと思いました。
小説は本当に面白かった。

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紙の本

長いが、兎に角面白い!!。

2005/09/10 20:09

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやぁ、本当に本書は長かったです。
読んでも読んでも、栞が進まない。
時々、他のことしてても部屋で本書二冊をちらっと、みては、
残りの分量に時々ブルーになっていました。
でも、面白かったですよ、
個人的には、直木賞受賞の「理由」より、
面白かったです。

本書は、「週刊ポスト」に連載されていて
連載期間を延長の末、さらに、加筆されているそうですね。
どうりで、、、。
私自身の読書史でも、キングの「it」船戸さんの「蝦夷地別件」
小野さんの「屍鬼」
に並ぶ、読書期間でした。
内容は、と、言いますと、
基本的に連続殺人事件を、それも、劇場型のを扱っているのですが、
事件の被害者、加害者の悲劇と、いうか、
内面も、きちっと描いています。
一家殺人事件の生き残りの少年から、始まって、
この少年に絡んでくる、加害者の家族の娘さん
連続殺人の被害者となる、豆腐屋の親父さんそして、
失踪人をルポで取り上げて書こうとする、女性ルポライター、
勿論、警察、そして、犯人と、
これらの、人物を、きっちり描きながら、
犯罪による、悲劇、被害なんかも、
被害者、加害者両面から、きちっと、書かれています。
そして、テレビ番組をも、巻き込んだ、劇場型犯罪を
多重的に再現しています。
又、この辺は、宮部さんの上手いところですが、
話しに対して、登場人物の配置も、上手いし
取り上げている、人物のエピソードが、結構涙もの
で、上手いというか、憎いです。
カズとその妹の蕎麦屋の子供たちの話しは、
結構引き込まれて読みました。
プロの書評家の吉田伸子さんが、
以前言っていたのですが、
「『宮部みゆきは、上手いの知っているから、俺は、いいよ』と、
いう、読者は、大変もったいない」と
私も、正に、その範疇に入る、読者で
宮部作品は、数えるほどしか、読んでいませんでしたが、
これから、もっと読んでいかなければ、と、思っています。
けど、もう少し、短めにおねがいします。

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紙の本

ただの連続猟奇殺人ものじゃないんです

2003/11/18 21:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらいぬくろきち - この投稿者のレビュー一覧を見る

連続猟奇殺人ものなんて、くたびれるし、気持ち悪いし、後味悪いし、
読みたくない!という人に、おすすめ。私もそうだったので。
想像もできないような物語顔負けの事件がばんばんおきてるのに、何故
フィクションでまでそんなもの読まなきゃならないんだ。読みたくない。
いや、私もそう思いました。でも、読んでみたら、感動しましたよ。
実際、一瞬で忘れ去りたい嫌な部分もあります。でも、本当に、読んで
よかった。殺人事件のニュースを見る目が変わりました。
この上巻で、私がすごいなと思ったのは、被害者の遺族の日常に焦点が
あてられているところ。連続猟奇殺人を扱う一方で、すごくこまやかに、
あたたかく描かれていると思います。恥ずかしいけど、この本を読んで、
被害者の遺族としてテレビに登場する人たちが、自分と同じ普通の人間
だっていうことを、思い知らされました。それぐらい、リアルで人間味
たっぷりです。ぐいぐい引き込まれます。
「宮部みゆきの、江戸時代ものの人情話っぽいやつは好きなんだけど、
連続猟奇殺人はいやだなー」と、この作品を敬遠してる人。読んだほう
がいいです。もうよっぽど血なまぐさいのが苦手な人でなければですが。

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紙の本

小説の世界と現実が…

2002/12/22 02:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:melodia - この投稿者のレビュー一覧を見る

とにかく登場人物が多い。また、長い。
正直、登場人物リストなど作っておいたほうが良いくらい、次々と場面が変わり、被害者それぞれの背景がや心理状態の描写で展開されていく。
読むうちに入り込んで、ストーリーが長い分、次第に小説の出来事が現実にあるのではないかと、夜、外を歩くのが怖くなったり、眠れなくなったりで個人的には大変だった。(笑)
彼女の心理描写が好きな私は、これほどそれが堪能でき、楽しめる作品は無いと思う。

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紙の本

どうも肌が合わない…

2002/07/26 10:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る

う〜ん、感想が難しいですなあ…。
二段組の上下巻、1422ページ、重量1.4kgを一気読みですからねえ…。圧倒的な筆力と臨場感で
ものすごく引き込まれたのですが、いかんせん読後感が良くないんです。ストーリーはものすごく
狡猾なシリアルキラーが起こす連続殺人事件と、それに係わってしまった人々(刑事、被害者の家族、
第一発見者、ジャーナリスト、共犯者)の、話です。
単純に好みの問題なのですが、私は登場人物の誰にも感情移入できませんでした。逆に言えば、
それだけリアリティのある登場人物たちということなのでしょうね。どうも宮部作品と、相性が
よくないようです。文章が映像的すぎるのでしょうか?「火車」も「クロスファイア」もとても
映像的ですよね。「悪」を書くのなら、もう少し「悪」の内側に踏み込んだ描写が、欲しかった
ような気がします。あとは想像力が貧困なせいでしょうねえ…(^^;。設定が現代の日本だと、
リアルすぎて読むのが、辛くなってしまうんですよね。海外モノのミステリやサイコものは、
あくまでもエンターテイメント作品として読む事ができるのですが…。
年末のランキングでは確実に上位に来るのでしょうね。う〜ん、自分の中でもまだ整理がついて
いないので、歯切れが悪くてすいません(^^;。

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保守化した宮部みゆき

2002/07/14 23:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:柿右衛門 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この話、随分長い。
そして連載の始まりから終わりまでかなりの月日がたっている。
その間に宮部さんの気持ちが変わったのだろうか?

出だしではバラバラ死体となんだか説明しがたい、興味を引くような始まりなのに、最後は保守的におさまってしまったとしか思えない。
なんだか今までの宮部さんの面白さがちょっと減ってしまった気がして残念。

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紙の本

実際に起こりそうで。

2002/06/11 09:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:しんまま - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画化されると聞き読んでみました。
作品はかなり長いですよね。でも全然飽きることなく読めました。
普通これだけ長いと中だるみとかありそうなものですが、そんなこと全然無くて非常に面白かったです。
それに一人一人の登場人物がすごく個性が強くて、誰が主人公でもおかしくないと思いました。だからこそ犯人が恐ろしく感じてしまうのかもしれませんね。こういう事件なら、いまの世の中実際起こっても全然不思議じゃないし実際に起こりそうな感じさえさせられてしまいます。
それにしても宮部さんの世界は素晴らしいですね。作品一つが長いので読み終えるまでにちょっと大変ですが、機会が有れば別の作品も読んでみたいと思います。とりあえずは、模倣犯をもう一度読み返してみたいと思います。また違う発見があるかも。

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上巻は「さわり」

2002/06/10 19:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あつぼん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 登場人物がきわめて多く(20人は下らない)、覚えるのに困難を極めるが、ほとんど全ての人が何らかのかかわりを持っており、それなりの役割を担っているので、心して記憶しながら読むべし。
 一見無関係な登場人物多数、エピソードの時間さかのぼり、語る人物の頻繁な交代など、いずれも「理由」にも見られた手法だが、今回ここにきわまった印象。そのため最初は少し読みにくく感じるのも「理由」と同じ。
 時代に敏感な著者、今回は、マスコミを通じて頻繁に見聞きされるようになってしまった「一般人には理解できない」殺人に世相を反映させている。いつの時代もそうだったのかもしれないが、総中流の生活に生まれたときからどっぷり漬かった現代の日本人にとって、他人との関わりとはどういう意味を持つものなのか、生き死にでさえも昔の人間とは捕らえ方が違うのかなどと考えさせられる。その一方で、「理解できる」感覚を持った年配者や若者も登場させることで、まさに現代を表現しているとも取れる。
 話を詰め込めば上巻ですべてを終わらせることもできただろうし、それはそれなりに面白かったねと言える作品になったかもしれないが、ビョーキな状態を浮かび上がらせるには周辺も徹底して描く必要があったのではないか。
 ひとつひとつの描写はさしてどぎついものではないものの、たてつづけに描かれると胸の悪くなる心持がする箇所もある。そういう意味では朝の電車で読むにはあまりふさわしくない作品かもしれない。

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現代を生きるすべての人に懺悔を強いる告発の書

2002/06/10 11:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品、おそらく後世まで傑作として賞賛されるであろう犯罪小説だ。
エンターテインメントとしても屈指の作品。次々と緊張した場面展開の連続で読み出すとやめられない、よく言うジェットコースター小説である。犯罪者はこれまで描かれたあらゆる悪のキャラクターをはるかに凌駕する、現代社会に存在する邪悪の凝縮として登場する。その犯罪行為は読むものが怖気立つ描写で詳述されのであるが、善意の人々に対し「あらゆる不義、悪、むさぼり、悪意に満ち、ねたみ、殺意、不和、欺き、邪念にあふれ、陰口を言い、人をそしり、神を憎み、人を侮り、高慢であり、大言を吐き、悪事をたくらみ、親に逆らい、無知、不誠実、無情、無慈悲です」。
この作品が単なるエンターテインメントではないところは人間の直面する、変えることも回避することも出来ない絶対的な状況を犯罪者、被害者、その家族、と第三者(マスコミ、ルポライター、一般大衆)の行動・心理を抉り出すことにより、語っていることにあろう。
カッコ書きはこの犯罪者にピタリあてはまる表現であるが、実は聖書から勝手に引用したもので、絶対者から見た人間一般の姿である。「なぜ人を殺していけないのか」との問いが大議論になる今日的社会状況がある。「汝、殺すなかれ」の戒律から解放された時にラスコーリニコフ的魂の救済方法がもはやありえないとすれば………。この稀有の殺人鬼、その犯行の土壌、犯行が成立する環境などいずれも現実的存在感の重みをひしひしと感じさせるからこそ、これは恐るべき小説である。
雑感をいくつか。
とにかくまれに見る大長編ミステリー。だが冗長さは感じないのです。犯行そのもの、その波紋、そのまた周囲に起こる波紋を丹念に書くがいずれも庶民感覚、すなわち身近にある現実を描いて、絵空事と思えないところで緊張します。
組織の「長」は組織を維持、成長、変化させるために当然、環境変化を読んだシナリオを考えます。そのシナリオ空間にはステークホルダーだけではなく、マスコミ、お役所、マーケットなどなど、思い通りに動いていただきたいと痛感するところがあるでしょう。万事がシナリオどおりに動くはずはないけれど、そのためにいろいろ努力します。
そのプロセスで喜び、落胆、喜怒哀楽の感情が発露されます。シナリオが完成すれば大喜びですね。
「模倣犯」の名称、これは作者の間違いではないかと思い続けました。最後になるほどねと感心しました。

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紙の本

星五つだよ

2002/06/06 15:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:スピカ - この投稿者のレビュー一覧を見る

我が家では祖母が「面白いから読みなよ」と言って、最初に母親が読んで次に妹が読んでいました。上下巻に分かれているので「早くして!!」という声が妹から母親へ飛んでいました。私にも皆が口をそろえて「面白いから読みなよ」って言います。まあ暇だしと思って読んでみたら面白い!!! 家族ではまってしまいました。あまりにも面白かったので映画も見に行く予定が立つほどです。ハードカバーは重くて大変だけど、頑張って読んでね。

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紙の本

こんなに長くて、こんなに楽しい

2002/06/01 22:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:バンカー - この投稿者のレビュー一覧を見る

寝る間も惜しんで読みました。
長い長い、とにかく長い。でも無駄に長いわけじゃない。
登場人物も多いけれど、全員が主人公という印象をうけました。
犯人すらも…。
物語はひとつの事件を軸にして進んでいく。
始まりは、ゴミ箱から発見された一本の腕。次々と誘拐され、消されていった女性たち。
すべては犯人の演出する舞台のうえで進行していく事件。そこに登場する人物たちの苦悩が、犯人にとって最高のスパイスとなる。
センセーショナルな事件が物語を面白くしているのだけれども、
最も重要なのは、事件に関わる人々の心理描写が巧みであることだと思います。
被害者、被害者の家族、遺体の発見者、刑事、犯人、犯人の家族、ルポライター…。
数多くの登場人物たちの感情や価値観、人生そのものが事件にあらゆる角度からスッポットライトをあびせて、物語に深みをあたえているように感じました。
多くのミステリー小説が、この物語と同じ様に多角的にストーリーを進行させていくと思うけれど、これほど綿密に登場人物の“こころ”を書きこんだ物語が過去にあっただろうか?
とても深くて、とても広い物語。
これは絶対読むべきですよ!!!

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紙の本

さようなら宮部さん

2002/02/26 17:05

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:KEYAKI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 とにかく長い。とても冗長で陰鬱にネチネチと長い。宮部さんの初期作品のようなさわやかな読後感など望むべくもないし、魅力的な登場人物も出て来ない。
 上下巻を一緒に買い求めたが、結局読んだのは上巻の半分と下巻の最後だけだった。通して読むことに耐えられなかった。一体、あの長さを使って何を表現したかったのだろう。何も伝わって来なかった。読後に残ったのは、お気に入りの作家をまた一人失った喪失感だけだった。
 私は宮部さんの本は全て所有しているほどのファンでした。「蒲生邸事件」あたりから抱き始めた違和感が本作品で決定的になりました。もう貴女の作品を購入することはありません。さようなら。長い間、ありがとうございました。

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紙の本

人間の心の闇を鋭くえぐっていて、恐ろしいほど。少年と老人、傷ついた者同士の暖かい交流が救い

2002/02/19 20:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人の心って、なんて恐ろしい。

 突然、何の前触れもなく姿を消した古川鞠子。家族の焦燥をよそに、何一つ行方に関わる手がかりがないなんて。どれほど心を痛めれば、彼女の行方が明らかになるのでしょう。でも、それは、鞠子の祖父や母親を襲った地獄のほんの始まりだったなんて。やがて、彼等を翻弄するかのように、鞠子を誘拐したという男からの電話。電話の向う。姿の見えない敵。実体のない、ゴーストのような、でも、間違いなく受話器の向うに存在しているはずの敵。

 豆腐屋を営む鞠子の祖父有馬義男をターゲットに、悪魔のような電話が鳴り続けます。どんな言葉が相手の心を引き裂くかを知り尽くしているかのように、傷付いた義男を嘲笑するかのように。鞠子が生きているかもしれない、そんな残酷な期待を弄ぶように。

 鞠子の母親真智子は、もっと悲しい人です。夫がよそに女を作って出ていった後、仲良く暮していた娘の突然の失踪。心がそれに追い付いていかなくて、現実から逃避するしかなくなる真智子。その心痛は、察するにあまりある痛々しさです。悲しい人。

 事件が世間の目に触れる発端でもある発見をしたのは塚田真一という少年。自身も、過去に悲しい事件に見舞われ、深い傷を心に負っている少年。彼が再び悲惨な事件に関わってしまったのは、逃れようもない運命のいたずらなのでしょうか。その境遇ゆえか、その年齢らしからぬ老成を見せるほどに悲しい少年。負わなくても罪を自らに背負わせ、運命に怯えているなんて。まだ、ほんの高校生の少年だというのに。

 物語は、真一の視点、義男の視点、ジャーナリストの滋子の視点を繰返すことで進んでいきます。やがて、上巻の半分も行かないうちに、そこに新しい視点が加わります。犯人と思われる男2人の乗った車が事故を起した後で。彼らの過去をたどり、事件にぶつかるまでの視点。

 やがて、明らかになっていく1人の男の心の闇。傷付いた過去を乗り越えることができず、大きな闇を飼い始めた男の物語。あまりにも深く、果てしない闇。どこまでも、どこまでも続く漆黒の闇。それは、ゆがんだ自尊心となって暴走し始める。自我を守るため、肥大した狂った自尊心。他人を傷付けることが目的ではないからこそ恐ろしい。でも、そんなものは、続かない。必ず、破綻をきたすのだから。

 流された血は元には戻らない。失った生命は帰っては来ない。それでも、人は生きていく。前に進まなくてはならないのだから。一回り、二回り、強く、大きくなって。

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