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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.2 292件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2001/03/21
  • 出版社: 小学館
  • サイズ:20cm/701p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-09-379265-8

紙の本

模倣犯 The copy cat 下

著者 宮部 みゆき (著)

【芸術選奨文部科学大臣賞(第52回)】炎上しながら谷底へ落ちていく一台の車。事故死した男の自宅には、数々の「殺人の記録」が。事件を操る真犯人の正体は…? あまりに切ない結...

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模倣犯 The copy cat 下

税込 2,090 19pt

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商品説明

【芸術選奨文部科学大臣賞(第52回)】炎上しながら谷底へ落ちていく一台の車。事故死した男の自宅には、数々の「殺人の記録」が。事件を操る真犯人の正体は…? あまりに切ない結末、魂を抉る驚愕と感動の長篇ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】

直木賞受賞作『理由』以来、3年ぶりに放つ現代ミステリの野心作

公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不敵な挑発を続ける犯人――。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される。事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。【商品解説】

著者紹介

宮部 みゆき

略歴
〈宮部みゆき〉1960年東京都生まれ。「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞、「理由」で直木賞を受賞。他の著書に「蒲生邸事件」「クロスファイア」など。

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みんなのレビュー292件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

オリジナリティを希求する凡庸な模倣者

2002/01/14 02:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昨年評判をとった本のうち、ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』、三浦雅士『青春の終焉』、清水徹『書物について』の人文系三冊とフィクション系から本書を選んで、年末年始のしずかな時間をこころゆたかにすごすつもりが、結局読了できたのは本書だけ。上下巻あわせて千四百二十二頁(三千五百五十一枚)を丸二日かかって合計十五時間で一気読みした感想は、怒濤、叫喚、重厚にして軽妙、洒脱にして沈痛、ただただその圧倒的な物量(文字量と人物の数)に疲れた。

 くっきりと濃く深く内面と外面の両方から丹念に造形された登場人部の一人一人が、それぞれ一つの独立した物語世界の可能性を開示するなかで、ただ一人けっして内側からその心の世界が叙述されることのない「ピース」の存在が際立っている。内面を持たない表情と言動だけの(つまりTV向けの映像だけの)人物、純粋な悪の演出者にしてオリジナリティを希求する凡庸な模倣者(なぜなら「ピース」の独創性は「大衆」の想像力によってあらかじめ夢見られた犯罪の模倣でしかないから)。この前代未聞の人物を描ききるためにこそ、この物量は必要だったのだ。私はそう得心している。

 ──たとえば、オリジナルなコピーとも言うべき「ピース」の本質に同時に迫っていく、しかしその軌跡はついに交錯することがない二人の登場人物(ジャーナリストとしての真相究明を最終的に断念するルポライターと犯罪捜査の最前線に立つことをあらかじめ放棄したデスク役の巡査部長)の次の述懐。

 《この事件で本当にオリジナルなものがあるとしたら、それはたったひとつだけなのかもしれない。犯人たちを動かしていた衝動。彼らが死んだときに、それも一緒に消え去ってしまった。再現不能、再生不可能。あたしたちが──いいえ、みんなと一緒よ、みんなでやってることよなんて顔をするのは卑怯だ──あたし、この前畑滋子がやっているのは、彼らを動かしていた衝動の粗悪な模造品を、誰に何の許可を受けることもなく、ただその模造品がどれだけもっともらしくつくれたかを見せびらかしたいが故に、せっせとこしらえているというだけのことじゃないのか。》(下巻289頁)

 《「こう言えばいいかな。今度の犯人たちは、前代未聞のことをやってのけた。連続殺人の実況中継だ。そしてその中継が一番盛り上がってる最中に、不可解な死に方をして謎を残した。こんなべらぼうな筋書きが、ごく普通に暮らしていて、直接的には事件に関係のない人間たちの心のなかに、いったいどんな感情を呼び起こすものなのか──俺はそれを知りたいんだ(略)」/ネット上の未遂報告は、まったくの勘違いかもしれないし、最初から作り話かもしれない。だが、そうだとしても、なぜそんな勘違いや作り話が生まれるのかということを探るのには意味がある。それらの砂上の楼閣は、今回の未曾有の事件を社会が消化してゆくために必要なものであって、だからこそ創り出されたのだろうから。/そして、そういう創作をするエネルギーは、実はほかでもない、犯人たちを動かしてあんな事件を起こさせたエネルギーと根を等しくするものなのではないかと、武上は思うのだ。》(下巻450-451頁)

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紙の本

ようやく読み終わった

2023/04/30 21:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カレイの煮付 - この投稿者のレビュー一覧を見る

下巻を、ようやく読み終えることが出来た。網川青年の幼少時代及び成育歴について、もっと詳細な記述があったら、より、腑に落ちたのだろうと思う。

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紙の本

ちょっと引っかかったけど…まぁいいか

2002/04/16 21:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る

被害者の遺族、加害者の家族、そして犯人の残酷な行動が織り交ざり、さらに事件と関わった人物がぞろぞろと登場する。下巻でまでも新しい人物が出てくるのにはゲンナリしたが、そこは長編作の醍醐味、後からその人物達が生きてくるところが面白かった(と言ってもすぐに誰なのか思い出せなかったりもしたが…)。ただ一人、無関係で判断材料もないのに的を得た推理を披露する人物には違和感を覚えた。スゴイ人物を出せば面白いという訳でもない。前半の期待感では5つ星だが、ちょっとしたところからマイナスで評価は4つ星。

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紙の本

長いよ

2002/01/03 23:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:OBA - この投稿者のレビュー一覧を見る

 3日で読了。これだけの量を一気に読ませるのはいいんだけど、長すぎるよ。
 登場人物の一人一人のバックグラウンドまで書き込む必要はないと思う。それを書くぐらいならエンディングに力を入れたほうが良い。ここまで読ませておいてこんな終わり方はないだろ! って普通の人なら思うはず。ここをもっと書いてくれるとスカッとした爽快感が何倍にもなるのに残念。
 

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紙の本

宮部みゆき渾身の一作

2001/06/24 23:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大川公園のごみ箱から女性と思われる腕が発見された。発見したのは塚田真一。彼は両親と妹を殺された一家殺害事件の生き残りなのだ。両親の友人宅に世話になっている彼が犬の散歩の途中でひょんなことから見つけてしまうのだ。

 娘の鞠子が行方不明になっている古川真智子は大川公園で発見された腕が鞠子のものではないかと気が気ではない。豆腐店を営んでいる父、有馬義男に電話し、一緒に警察に行くことにする。

 前畑滋子。女性誌や家庭雑誌に記事を書いているフリーランスのライターである。そんな彼女が雑誌の編集長から、本を書いてみたらどうだ、自分の興味のあるルポを書いてみたらどうだ、と勧められる。滋子が選んだ題材が<失踪する女性たち>だった。なぜ彼女たちは「蒸発」してしまうのか。そして「古川鞠子」は滋子のリストに載っていた女性なのだ…。

 テレビ局に1本の電話が掛かる。あの右腕は古川鞠子のものじゃないよ。彼女は別のところに埋めてあるんです。その声はボイスチェンジャーを通してあった。

 これが後に列島を震撼させる事件の幕開けだった。

 実に長い物語であるが、ぐいぐい読ませる。紙幅がたっぷりあるだけに人物が十分に書かれており、読者は存分に感情を移入できるだろう。

 3部構成の第1部は被害者及び警察側からの物語である。第2部は一転、犯人側からの物語になる。そして第3部はその2つが融合してくる。第2部の後半がややくどい。読者は第1部で何が起きたかは知っているので、犯人側からとはいえ、同じことを丹念に繰り返されると、早く先に進んでくれと言いたくなる。
収束部分もやや弱い。読者は最初から犯人を知っているので、最後にもうひと捻りないと物足りなさが残る。

 殺人事件などの被害者の遺族のつらさ、マスコミなどによる2次的な被害のひどさ、なぜ犯人よりも遺族がこんなに辛い目に遭わなければならないのか、というのがこの物語のひとつのモチーフであり、その遺族のつらさは切々と伝わってくる。

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紙の本

面白い!

2015/01/28 22:56

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る

上下同時に購入しました。
分厚く、小さい字で時間がかかりそうな印象。
小説はいつも数時間でいっきに読んでしまうのですが、そうはいかず、数日間ずっと頭の中にこの本のことがある状態でした。
映画化された後に読んだので、名前は知っていたのですが、映画は見ず。映画も本も読んだ知人は、本を先に読みたかったと言っていました。
中身は、なぜこの人が‥と、すこし納得もできなかったこともありましたが、最後まで引き込まれてしまいました。
読んで3年たった今でも内容を覚えているくらい、面白い内容でした。

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紙の本

宮部みゆきがもっと好きになりました

2003/11/18 21:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらいぬくろきち - この投稿者のレビュー一覧を見る

ストーリーもおもしろいです。タイトルの意図するところがはっきりする
場面なんか、飛び上がりました。でもそれ以上に、ずっと抱いてた疑問に
答えを与えてもらって、勇気づけられたようなかんじがして、この本は、
とてもよかったです。
例えば、現実の殺人事件のニュースを見ながら、思っていました。ああ、
加害者もかわいそうだな、気持ちは分かるな。でも被害者もかわいそう。
被害者の遺族の言い分も分かる。けど、私はどう考えたらいいんだろう?
例えば、日常生活でも、向こうの都合も分からないわけではないけれど、
こっちからしたら理不尽なことだったりするとき、どうしたらいいのか?
そういう疑問に対する、あいまいなところはあるけれど、そのぶん誠実な
すごくいい答えをもらったと思うんです。
連続猟奇殺人なんて宮部みゆきっぽくない!と、読むまでは思っていたの
ですが、暗闇で明るいものが浮かび上がるみたいに、隠し味の塩で甘みが
引き立つように、これまで読んだ宮部みゆき作品のどれよりも、かえって
宮部みゆきっぽかったです。つまり、まっすぐで、あたたかくて、誠実で。
本当に、宮部みゆき大好きになりました。

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紙の本

戦いはこれから…

2002/07/18 11:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:霞(kasumi) - この投稿者のレビュー一覧を見る

2日間オールナイトで上下巻、一気に読み上げました。
読み終わっての感想は一言で言うならば、「戦いはこれから…」です。
現実でもよく犯人が逮捕された後TVで
「犯人が逮捕されました。事件はこれで解決です」。
というような報道がされますが、これは第三者の考え方だと思います。
被害者の家族にとったら犯人が逮捕されたからが本当の戦いなのではないでしょうか?
被害者の家族が望んでいるような判決がなされ、それの刑が施行されるまでには
気の遠くなるような時間がかかります。
この本ではたくさんの人が被害に遭っているので
想像以上に時間がかかるでしょう。
私が一番気がかりなのは有馬さんが生きている間に刑が施行されるかどうか。
お話と言ってしまえばそれまでですが、
判決・施行されるまで有馬さんが生きていることを強く願わずにはいられません。

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紙の本

徹夜を覚悟して取り掛かること

2002/06/10 20:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あつぼん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上巻を読んできた読者は真犯人を知っている。世間はまだ犯人を誤解したままだ。いつどんな形で真犯人が罰せられるのか、それを知るまで否応なく読み進めるはめとなる。
 しばらくなりを潜めて計画を練っていたのか、真犯人は思わぬ形(彼にとっては計画どおり)で登場する。
 少しづつほころびは見えてくるのだが、この下巻4分の3まで進んでもまだ決定的な状況にはならない。結局、ノンストップで最後まで読まされてしまうことになるのだ。
 エンディングに関しては確かにひっかかりがなくもないが、じゃあ書き込めばいいのかというとそれはそれでテレビドラマのような幕になってしまっては興ざめのような気もするので、やむを得ないところではないだろうか。
 ほとんど最後まで読者をぐいぐいひっぱったので5つ星。エンディングでちょっと引きたいところだが四捨五入してやっぱり5つ。

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紙の本

真実を見る目を眩ませるモノ

2002/03/22 05:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゲレゲレ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 東京のように多くの人が住む都会では、人に気を使わなければならないシーンが多い。そして、「人に気を配ること」=「良いこと」という固定観念に捕らわれ過ぎている人もいる。そんな人は、無神経さが引き起こすトラブルを恐れ、自分が「無神経な人」呼ばわりされることを恐れている。気配りに頭が行っていると、真実を見る目は曇ってしまう。時にトラブルが起きたとしても、真実に目を向けなければならない場面もあるのだ。

 登場人物のひとり、フリーライターの前畑滋子は非常に周囲に気を配る性格だ。前畑は、容疑者の妹、高井由美子が兄の無実を遺族たちに会って訴えようとした時に、遺族たちの気持ちに配慮し、「絶対に会うべきでない」と反対する。傷心の遺族に容疑者の妹が会うことなど無神経、非常識と考えたのだ。

 一方で、遺族のひとりである老人、有馬義男は、犯行の真実を知りたい一心から、本当は由美子に会って話を聞きたいと思っている。前畑は、そんな有馬の話を聞いたわけでもなく、由美子の主張には聞く耳を持たず、勝手に二人の気持ちに配慮し、二人の出会いを阻むため、誰も真実には近づけない。

 前畑は、マスコミ関係者でありながら、事件の裏が取れていない容疑者を犯罪者と決めてかかり、事件の裏を自分で取ろうとせずに、遺族に配慮することばかりに気を使う。その姿は、噂に左右され勝ちな、よくいる都会のおばさんだ。そんな前畑に、彼女が執筆する雑誌の編集長は、「奥さん」と呼びかけて揶揄する場面もある。編集長には前畑が真実を追いかけるプロのライターには見えなかったのだろう。

 物語の中では多くの登場人物が面と向かった対話から逃げ、対話しても相手が口から出した言葉を率直に受け取ろうとしない。その代わり、目線や表情で相手の気持ちを読み取ろうとしたり、言外の意味を考えたり、会ってもいない人の気持ちを推量したりする。直接対話を避ける多くの人たちは、自分勝手な思いこみの中にいる。一向に真実に近づこうとしない人たちのそばで、真犯人は大手を振って歩いている。人々のつきあい方を、読者という立場で俯瞰させられた時に、愚かしもく、歯がゆいリアルな人間関係が見えてくるのだ。

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紙の本

女性連続殺人事件の犯人の動機は

2001/05/13 00:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:格  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 下巻始めはまだ第二部が続く。そして、第二部の終わりは第一部の終わり。同じ話を焦点を変え、時間を巻き戻して何回か語られている。ときどきとまどう部分もあるものの徐々に核心に迫っていき、納得させられる。
 そして、第三部。いよいよ残りの人物を中心として、どう事件を解決させていくのかと思うと、意外というか唐突な展開。一応あとからも事情を説明されているし、事件、犯人の性格上そうなるのも理解できるが、それにしても、ちょっと強引。そしてこれを警察の地道な捜査が追いつめていくのかと思うと、最後に強烈などんでん返しというのか…。面白い。
 ちょうど女性殺人事件の犯人が捕まったというニュースが飛び込んできたが、あまりにも単純な事件。『事実は小説より奇なり』というが、とんでもない。『小説は事実の百倍も奇なり』というところか。
 一人の死の周りには被害者の家族、周辺はもちろん、加害者の家族なども含めて大変な影響を及ぼしているのだ、ということが繰り返し、語られている。このことがこの小説の重さを形作っているが、最後の部分などエンターテイメントの部分がやはり優れている。もっともこの劇的効果をだすためか、ここまで丁寧に詳細を語られてきた物語が終盤、警察の捜査についてほとんど触れられていないのはちょっと不自然。

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2010/05/06 22:31

投稿元:ブクログ

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2012/02/09 11:02

投稿元:ブクログ

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2020/07/15 17:32

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2012/10/16 23:53

投稿元:ブクログ

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