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ゲノム創薬 創薬のパラダイムシフト (ポストシークエンスのゲノム科学)
著者 古谷 利夫 (編集),増保 安彦 (編集),辻本 豪三 (編集),松原 謙一 (監修),榊 佳之 (監修)
創薬の全過程、疾患関連遺伝子、薬剤応答遺伝子、標的分子の探求、創薬リード化合物の探索と最適化、薬理ゲノミクス、SNPによるテーラーメイド医療に及ぶゲノム創薬の戦略と方法。...
ゲノム創薬 創薬のパラダイムシフト (ポストシークエンスのゲノム科学)
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- 税込価格:18,585円(168pt)
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商品説明
創薬の全過程、疾患関連遺伝子、薬剤応答遺伝子、標的分子の探求、創薬リード化合物の探索と最適化、薬理ゲノミクス、SNPによるテーラーメイド医療に及ぶゲノム創薬の戦略と方法。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
古谷 利夫
- 略歴
- 〈古谷利夫〉(株)ファルマデザイン、東京大学分子細胞生物学研究所勤務。
〈増保安彦〉(株)ヘリックス研究所勤務。
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ITとバイオにより実現されるゲノム創薬は一国の未来をも左右しうるだろう。われわれの危機と可能性のわかる本。
2001/04/23 15:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タックマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカではすでに多くのベンチャー企業がゲノム情報による大がかりな新薬開発 −ゲノム創薬−をスタートし、競って薬剤開発にかかわる遺伝子の特許を申請・取得している。このままだと新薬開発の特許はすべてアメリカにおさえられてしまうという事態にもなりかねない。そうなれば、日本は産業面での打撃のみならず、医療費の多くを特許料としてアメリカに支払わねばならないという医療における対米従属に陥ることになるだろう。特許料で高価になった薬剤は、経済力により使える人と使えない人がでてくることも考えられる。
ヒトの遺伝子の構造がほぼ解明されたいま、日本でもいよいよゲノム創薬が本格的に始動しようとしている。新聞の一面では連日のように製薬各社のゲノム創薬の動きが報じられている。
本書では、ゲノム情報・プロテオーム解析に基づく創薬の全ての過程——疾患関連遺伝子、薬剤応答性遺伝子、創薬ターゲット分子の探求、創薬リード化合物の探索とその最適化、毒性評価・薬物代謝評価、個人差評価などが、データベースを有効に活用するバイオインフォマティクスの技術、SNP情報をどのように創薬に利用するかなどを含めて紹介されている。また薬理ゲノミクスの臨床応用として、その人に合った副作用が最小で効果の最大な処方を可能にするオーダーメイド医療の方向も示される。
本書は専門家を対象に書かれた本ではあるが、一読するとITとバイオによって実現されるゲノム創薬は一国の未来をも左右する可能性をもった産業であること、また効率よい医療の実現は医療経済の改善、ひいては国民経済を打開しうるものであることがわかる。ゲノム創薬の成否が、現在の苦境から日本が脱出できるか、さらなる泥沼に進むかを決定するといってもオーバーにはすぎない。
創薬科学・創薬産業や医療にかかわる人だけでなく、多くの人に読んでほしい本である。