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八十日間世界一周 (岩波文庫)
八十日間世界一周
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目次
- 1 フィリアス・フォッグとパスパルトゥー、一方が主人に、他方が召使になることを了承しあう
- 2 パスパルトゥー、ついに自分の理想を見出したと確信する
- 3 フィリアス・フォッグが大変な結果をしょいこむことになる会話が交わされる
- 4 フィリアス・フォッグ、彼の召使であるパスパルトゥーを仰天させる
- 5 新銘柄株がロンドン市場に登場する
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紙の本
これぞ、THE・冒険小説
2010/01/26 00:39
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:homamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る
十五少年漂流記が面白かったので、そういえばウチにはもう1冊、ヴェルヌ作品があったな、と思い出して読んでみた。
これも、面白い!
冒険小説を書かせたら、ヴェルヌは天下一品。
100年以上にわたって愛読されているだけの事はある。
1872年10月2日午後8時45分。
ロンドンの紳士、フィリアス・フォッグ氏が、世界一周の旅に出た。
彼は、緻密な計算をし、列車や船の遅れも計算に入れた上で、80日間で世界を一周できると断言し、実践してみせる事になる。
その実行に全財産を賭ける。もし1秒でも遅れたら全財産を失う羽目になる約束をする。
時刻表を手に、船と電車を乗り継ぎ、旅を続ける氏と、陽気で人の好い従者のパスパルトゥー。
当然、順風満帆な旅になるワケなく、次から次へと予定外の出来事が起こり、大金をはたいてあらゆる対処をするのだが・・・・?
どうなるの、どうなるの!?とページをめくらされる。
これぞ、THE・冒険小説。
ラストの仕掛けも面白い。
主人公フィリアス・フォッグ氏のキャラクターに好感。
寡黙で、機械のように落ち着いていて、正確無比。
一行に襲いかかる事件に、冷静に対処し、船や電車のみならず、馬車とか象とかソリとか、その場その場で考えられるベストな乗り物を手に入れ、旅を進める。
一見、何を考えているかわからず冷血に見えるけれど、実際は寛容で女性や弱いものにやさしく、困っている人を決して見過ごさないジェントルマン。
旅の途中、インドで、理不尽に殺されようとしている婦人を救おうとする。そのロスで、決定的に旅が遅れるとわかっていても。
この本に出てくる、世界各地の情景は、この時代の未刊・既刊の旅行記を版画と共に収録した「世界一周」という雑誌が元になっているらしい。
今よりもっと世界が分かれていたころの、各地の文化や風習を垣間見えるのも楽しい。
最後に、主人公がこの長旅で獲得したものはほとんど何もない、とし、しかし、
「そもそも人は、得られるものがもっと少なかったとしても、世界一周の旅に出かけるのではなかろうか。」
と結んで終わる。
紙の本
駆け足の世界旅行
2016/12/04 18:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時としては最新の移動手段を駆使して、80日で世界一周できることを仲間に賭けた富豪フィディアスと従順なフランス人従者のパスパルトゥーの世界一周旅行。その土地土地の風物を描くエキゾチックさは希薄でむしろその移動そのものが問題になっているのだから少し志向が変わっている。最後に思わぬオチがついてめでたしめでたしに終わるのでおもしろい読み物だ。
紙の本
当時の世界の様子、ヨーロッパから見た日本の様子など、視点を変えると面白いです。
2016/04/25 21:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:simon.n - この投稿者のレビュー一覧を見る
トランプをしながら80日間で世界を一周できるかどうかの賭けをした英国紳士がそのまま旅に出る、というのが事の発端。
確かに、表面的には冒険物語として読めるが、今の日本人であれば当時の世界の様子や、欧州から見てアジアはどう映っていたのかを知る事のできる物語なのではないでしょうか。そうした点で当時の大英帝国領を離れてからのアジア、米国の描写は大変面白かったです。個人的には米国東海岸が好きなのでもう少し詳しく書いてくれても面白かったのに、とも思いましたが(笑)
実際の旅行の見聞録のような感覚で読めるので是非。
紙の本
今ならどれくらいかかる?
2001/09/11 15:16
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:池内紀 - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供向きの「講談社世界文学全集」以来、何度となく読んできた。二十年あまり前のことだが『諷刺の文学』(白水社)という本を書いたとき、「二人の“のらくら者”」と題した章で論じたこともある。イギリス紳士兼のらくら者フィリアス・フォッグ氏が、仲間と賭けをして、八十日で世界を一周するため、召使パスパルトゥーをつれてロンドンを出発──。
その旅行の仕方が気になっていた。もしかすると、この八十日間は八日間にもちぢめてもいいし、八時間に縮小することもできるのではあるまいか。そんな構造をもっているのではなかろうか。つまり、まさにこの現在の旅行形式が、一三〇年以上も前の空想物語に、ピタリと捉えられているような気がする。
鈴木啓二の新訳で読み返して、長らく気にかかっていたことに納得がいった。解説がゆきとどいていてたのしみを倍にしてくれる。そっとお伝えしておくと、「八分間世界一周」だってできるのだ。(池内紀/ドイツ文学者 2001.5.22)