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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.5
- 出版社: 創元社
- サイズ:26cm/527p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-422-70007-3
- 国内送料無料
紙の本
西洋美術の歴史
著者 H.W.ジャンソン (著),アンソニー・F.ジャンソン (著),木村 重信 (訳),藤田 治彦 (訳)
古代世界、中世、ルネサンス・マニエリスム・バロック、近代世界の4部から成り、絵画、彫刻、工芸、写真、建築について、歴史的文脈の中で考察する最も標準的な西洋美術通史。カラー...
西洋美術の歴史
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商品説明
古代世界、中世、ルネサンス・マニエリスム・バロック、近代世界の4部から成り、絵画、彫刻、工芸、写真、建築について、歴史的文脈の中で考察する最も標準的な西洋美術通史。カラー219葉を含む図版519葉を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
H.W.ジャンソン
- 略歴
- 〈H.W.ジャンソン〉1982年没。ニューヨーク大学美術史学科および同大学院美術研究所教授を務めた。
〈アンソニー・F.ジャンソン〉ノース・カロライナ大学ウィルミントン校美術演劇学科長。
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紙の本
世界12か国以上で翻訳され、ベストセラーとの話、大いに頷けた
2001/10/02 22:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1982年に没したNY大学美術史学科、同大学院美術研究所教授ジャンソンの代表作を、令息が増補した4版(92年)の翻訳である。ざっと通読して、世界12か国以上で翻訳され、ベストセラーとの話、大いに頷けた。目次は「古代世界」「中世」「ルネサンス・マニエリスム・バロック」「近代世界」である。例えばぼくが好きな「北方ルネサンス」のブリューゲル(父。1525/30〜69)の項目を開くと、以下のような解説がある。端折って引くと、「ネーデルランドの画家の中で唯一の天才。風景と農民生活及び道徳的寓意の世界を探求した。生涯をアントウェルペンとブリュッセルで送ったが、生地はスヘルトーヘンボスの近くだったとの説もある。ヒエロムニス・ボスの作品から多大な影響を受けたが、両者の画家、謎めいた部分も多い。ブリューゲルの宗教的信条や政治的姿勢も不明である。彼は高い教養の持主で、ハプスブルグ家の援助も受けていた。彼は不思議なことに教会のための仕事はせず、宗教的主題も奇妙で曖昧な方法で処理している。一例を挙げれば、彼の最後の作品の一つ『盲人を導く盲人』(カラーの図版あり)などがそれで、彼がいかに宗教的、政治的狂信から遠い画家だったかがよく分かる。この作品の典拠は福音書(マタイ伝15章12-19 節)で、キリストはパリサイ人について語り、「もし盲人が盲人を導くならば、二人とも穴に落ちるだろう」と述べている。人間の愚かさについてのこの比喩、人文主義者の著作にもしばしば現われもする。また、イタリア美術に関するブリューゲルの態度もはっきりとはしない。彼は1552年〜53年にかけて南ヨーロッパを旅し、ローマ、ナポリ、メッシーナ海峡を訪れたが、他の北方人らが称賛した古代の著名な建造物には興味を示さず、もっぱら風景描写、中でもアルプスの景観をデッサンしている。おそらく彼はヴェネツィア派の風景画、とりわけその人物と風景のアンサンブル、前景から後景への配置に影響を受けたのではないか[例として著者はジョルジョーネ『嵐 テンペスタ』(1505年頃)と、ティツィアーノ『酒神祭 バッカーナーリア』(1518年頃)を挙げている]。ブリューゲルの画材にしばしば描かれる「季節に応じた人間の営みは、宇宙の鼓動を刻む年々歳々の生と再生の荘厳な循環の中にあっては付随的なものでしかない」。こんな風な紹介だと、何やら「こ難しそうな美術史」との印象を与えかねぬが、カラーの図版が豊富で、それらの絵を見ているだけでも実に楽しい1冊なのだ。3800円も廉価。一家に一冊はむろんだが、全図書館も、是非購入して欲しい。最後にイチャモンを一言付け加えると、文章を引き写していて分かったのだが、訳文が逐語訳で生硬に過ぎる。ぼくは、リーダブルに書き直しながら引用したが、ちょっと残念だ。編集者は、きちんとチェックして欲しかった。