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「砂糖は太る」の誤解 科学で見る砂糖の素顔 (ブルーバックス)
「砂糖は太る」の誤解 科学で見る砂糖の素顔
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紙の本
脳は砂糖を求めている?
2001/06/09 08:26
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青木みや - この投稿者のレビュー一覧を見る
甘いものは好きですか、と聞かれると好きと答える人は多い。そしてまた砂糖は肥満の原因だと思いますか、と聞かれると肥満の原因になると答える人も多いだろう。だから世のダイエットブームの流れを受けて、ノンシュガー、シュガーレスの商品が売れている。 では本当に砂糖を食べると太るのだろうか。イエスでもあるし、ノーでもある。砂糖10gのエネルギーは38kcal、米10gは36kcalでそんなに変わらない。そして本書では砂糖に特別に肥満になる成分も依存性もない、ことが科学的に検証されている。砂糖のみならず何でも食べ過ぎれば、太る。
でも砂糖って体に悪いのでは、という疑問もありそうだ。どうだろう。砂糖はそのブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)がくっついたものだが、脳はそのブドウ糖のみをエネルギー源にしている。穀類に多い糖質のでんぷんはブドウ糖の重合したもの。
脳のエネルギー消費量は激しく、ブドウ糖の摂取が不足すると集中力や記憶力が低下するとも言われる。砂糖の分解はでんぷんの分解より早く、速やかに吸収される。私たちは3度の食事で穀類のでんぷんからブドウ糖を補給しているが、食事から数時間たち、血糖値が低下してきた頃に砂糖入りのコーヒーを摂るのは理にかなっている。砂糖が体に悪いとは言い切れないのだ。
じゃあ、砂糖はいくらでも食べて良いかというとそうじゃない。砂糖のフルクトースは高脂血症を引き起こしやすい。また穀類にはタンパク質もビタミンもミネラルも食物繊維も含まれるが、砂糖はほとんどエネルギー源にしかならない。本書の途中までだと砂糖の効用ばかりが強調されているので、砂糖は体に良いのねと早合点してしまいそうだが、そういうわけではない。きっぱりあれがダメ、これは良いとは言えないのが食べ物の微妙さだ。
結局のところ、食べ物はこれを食べれば……という単品効果主義はあり得ない。何を食べても良い、ただ「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。昔の人は旨いことをいう。
(青木みや/管理栄養士 http://member.nifty.ne.jp/live/)
<目次>
はじめに
第1章 「砂糖は太る」の誤解
第2章 健康常識の落とし穴
第3章 ”糖”が付くから砂糖が原因?糖尿病
第4章 脳が欲しがる砂糖
第5章 健康な生活のために
<関連書籍>
『脳の栄養─脳の活性化法を探る』(中川八郎 共立出版)
『食卓の生化学(別冊・医学のあゆみ)』(三浦 義彰著 小野 直美著 橋本 洋子著 医歯薬出版)
『砂糖の世界史』(川北 稔 岩波ジュニア新書 岩波書店)