紙の本
紫骸城事件 Inside the apocalypse castle (講談社ノベルス)
著者 上遠野 浩平 (著)
無為にして空虚なる巨大な骸、城。事件は、城に魔導を極めんとする者どもが集いしとき起こる。呪いとしても不条理。魔法としても不可解。殺戮としても異常。数奇にして非情なる謎の果...
紫骸城事件 Inside the apocalypse castle (講談社ノベルス)
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商品説明
無為にして空虚なる巨大な骸、城。事件は、城に魔導を極めんとする者どもが集いしとき起こる。呪いとしても不条理。魔法としても不可解。殺戮としても異常。数奇にして非情なる謎の果てに、連続大量殺人の惨劇が幕を開ける。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
上遠野 浩平
- 略歴
- 〈上遠野浩平〉1968年生まれ。「ブギーポップは笑わない」でデビュー。
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紙の本
こ、これは…??
2003/01/25 21:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:言ノ刃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり複雑でした。
そして今回は被害者が多い…。
ストーリーとしてはいい感じだと思います。しかし個人的にはキャラの方へ興味が言ってしまいました。双子の戦地調停士あたりなんかはずば抜けて異色を放っていましたし。
しかし、いきなり事件が発生するとは…と思いました。意表を突くように、事件は起こっていって、「もう終盤だから謎解きかな?」と思ったらまた殺された…という。終始、息をつかせないところもありましたね。
あと第一作(殺竜事件)に出てきた面々も少しだけど登場してきたところが、個人的には嬉しかったです。そしてそのキャラは今回出てきた人物と知り合い…?みたいな。本当にさり気なくだけど上遠野さんは、人物の関係を持たせるのが上手いなぁと思いました。そしてそれが後々の話に影響を出す…と言う事もあるんじゃないかな??と自分は考えました。
というか。
やはり魔法の支配する世界は本当何が起きるかわかりません。だからこそ、事件の内容も複雑だったり難解だったり謎めいていたりと、変化のある内容になるのだと思います。そしてその世界に生きる人物も結構な曲者だったりするものです…。
…うーん、不思議だ。
紙の本
ミステリぶりっこファンタジー第二弾。
2002/02/16 23:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:電気屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は殺竜事件と世界を同じくする、いわば続編。とはいっても主人公は違うっス。ミステリー仕立てのファンタジーってのも相変わらず一緒。ただ、今回は謎解きの部分のキレがえらく悪いような。
なんつっても魔道の力比べの大会が舞台だから、ネタも思っくそ魔道がらみ。架空の技術を謎のキモに据えると、その技術の体系をキチンと説明しないと理不尽になっちゃう。かといって説明し過ぎるとバレバレだからことのほか難しい。本作もこの点でそーとー苦労した様子で、かなり工夫しちゃいるものの、理不尽さはやっぱり残る。
典型的なミステリのカタチを踏襲しつつ、ホントに書きたいのは謎解きじゃない、てのも一緒。前作の真打ちが竜であったのに対し、今回は紫骸城、つかそれを作ったリ・カーズとオリセ・クォルトてとこかな?
今回はエピローグがつけられてて、オチがはっきり描かれてるっスよ。
総じて言うと、前作が楽しめた人ならそれなりに楽しめると思うっス。前作に名のみ出て来た双子の調停士ミラル&キラルも印象的な役を振られてるしネ。ただ、前作より一回りパワーダウンしちゃってるような気がどーしてもしちゃうなァ。残念。
紙の本
ファンタジーと殺人事件のちょっと歪んだコラボレーション
2001/06/15 15:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M@SH - この投稿者のレビュー一覧を見る
300年前より限られた人間しか入ることの許されない場所、紫骸城。そこで行われる「魔導士」達の技比べの最中に次々と起こる殺人事件。はたしてそれは城に眠る呪いがおこす惨劇なのだろうか…。
前作「殺竜事件」に続いて上遠野浩平と金子一馬のコンビによるファンタジー世界におけるミステリーを描くこの作品。私たちが普段手にとるミステリーは現実世界を舞台にしているが、考えてみれば現実世界で常に不思議な事件が起こっているわけではない。そう考えれば例えば「館」や「孤島」でおこる事件だって一つの空想的世界を構築しているのであるから、どんな空想世界でミステリーを展開させたとしてもちっとも不思議ではないのである。
前作では"How"や"Who"よりも"Why"に重点がおかれていて、必ずしもファンタジーである必要もないような気がしていたが、今回ではより軸足がファンタジーに傾いたようである。ただし、ミステリーの文法はきっちりと踏襲されている。ただ、その描く世界の中で魔法が使われるというだけなのだが…。
その世界にどれだけ早く同化することができるか。これがミステリーを楽しむための一つの方法であるとすれば、この作品もまた格好の素材になるのではないだろうか。まさしくそれは“本能に基づく問題”であるから。