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紙の本
フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (講談社ノベルス)
著者 佐藤 友哉 (著)
【メフィスト賞(第21回)】妹が死んだ。自殺だった、と僕のイカれた家族はいう。そして現れた男の手にはビデオ。内容は妹のレイプ中継。こうなったら、することはひとつ。その果て...
フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (講談社ノベルス)
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商品説明
【メフィスト賞(第21回)】妹が死んだ。自殺だった、と僕のイカれた家族はいう。そして現れた男の手にはビデオ。内容は妹のレイプ中継。こうなったら、することはひとつ。その果てに、こんな馬鹿げた世界が用意されているなんて知りもせず…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
佐藤 友哉
- 略歴
- 〈佐藤友哉〉1980年生まれ。2001年本書で第21回メフィスト賞受賞、作家デビューする。
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紙の本
この作家はまだ未知数
2002/04/08 14:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朱鷺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
全体を読み通して感じたのは「ミステリっぽくないな」ということ。メフィスト賞受賞作で、講談社ノベルス。とはいえ、本格ミステリというジャンルからは間違いなく外れる。ではその雰囲気はミステリ表現の新たな可能性を示唆しているのか、というとそうでもない気がする。審査員も褒めすぎなぶん、読んだ後の落胆が大きいかもしれない…。
しかし、それはこの本が優れていないということではない。強いて言えば、この本は読者を選ぶ。誰でも楽しめるといった代物ではない。
現代の若者が書いたのだな…と思うところは、そのテーマよりも、作中に幾つも登場する固有名詞にあるように思う。知らない人は何のことだ? と思うだろう。例えば「ちぃ」「さくら」「柳沢教授」といった漫画のキャラクター、作家で言えば村上龍、他にも音楽や洋服のブランド名で、ああ、若い人が書いたんだなあと実感する。
物語そのものについて言えば、ストーリー性が乏しい。目の肥えた読者の満足に値するのかと考えたときにやはり疑問が残る。今後、どう成長していくのか。
紙の本
21世紀最初のメフィスト賞受賞作。最愛の妹の死からはじまる物語
2001/10/31 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:直塚和紀 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語の主人公は鏡公彦は北海道に住む大学生。どうやら特殊な家庭環境にいるらしい。何人もの兄弟がいるようなのだが、その中で唯一心を許しているのは妹の佐奈。仲睦まじいけれども何かが壊れているような二人の関係。けれど何事もなく過ぎていく日常。
その日常が崩れる。佐奈の自殺という形で。その現実を受け入れがたい公彦の前に男がビデオを携えて現れた。そのビデオには陵辱される佐奈の姿と犯人たちが映る。男が次に公彦に渡したものは犯人の娘たちの写真と行動表。「君と佐奈ちゃんが満たされる復讐」という男の言葉が公彦の中に染みこんでいく。復讐を心に決めたとき、公彦の中で何かが壊れ始めた。公彦の復讐劇を軸に、北海道で犯行を重ねていた連続殺人犯・突き刺しジャック、そのジャックが殺人を犯す時にその視点を共有してしまう少女などが複雑に絡み、物語は転がっていく。
本書は「ああっ、お兄ちゃーん」と云う方に最適です(嘘)。
だそうである。いきなり炸裂する先制攻撃。本来だと「読者のみなさまに何とかかんとか」著者からの控えめな言葉なんかがあるべき折り返しにこの文章。(嘘)って何だ(嘘)って。
著者の佐藤友哉(さとうゆうや)は本書で第21回メフィスト賞を受賞した。1980年生まれの北海道在住。受賞時点で若干21歳である。作品の舞台は北海道。地元ということもあって北海道の描写がリアルだ。また、作者と主人公の年齢が近い、というかほとんど同じなので「2001年現在の北海道のちょっとオタク入った20代」はこんな感じなんだろうと思わせる。時折文章に紛れ込むオタク用語も同じ効果を出している。そのせいでテンポよく読み進めるのは難しいのだが。
『多重人格探偵サイコ』の大塚英志、法月綸太郎が帯に推薦文を書いている。21世紀最初のメフィスト賞を受賞するにふさわしい、というよりは、まったくもってメフィスト好みの作品といえるだろう。 (bk1ブックナビゲーター:直塚和紀/ライター)
紙の本
20代オタク男性への最凶の攻撃(嘘)
2001/11/04 01:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまのうづめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「ああっお兄ちゃーん」と云う方に最適です(嘘)。折り返しに書かれた筆者からの先制攻撃! そして8ページから17ページまでの最愛の妹とのやり取り。空想の中に生きる仮想の妹がたまらなく欲しい男性は、ここまでで読むのをやめておきましょう(笑)。妹死んじゃいますからね。
どこか真剣さを欠いた、すべてが脳内妄想であるように軽い文体で綴られる物語は、かつてどこかで読んだようなギミックに満ちています。高度な知能をもった人間型のロボットを研究する兄、77人の女性を次々と殺している連続殺人犯突き刺しジャック。かつてあった、という以外には共通項も無く、無秩序にさえ思える感性で収集されたギミックのおかげで、こちらはどんな気分で読んだらいいのかさえ、わからなくなります。でも同時に、個々のオタ・ギミックの馴染みやすさゆえに、なんとなく読み進めてはしまうおそろしさ(笑)。
種々の集積物がぎこちなく、どこかちぐはぐに組み上がった世界で、ギミックを繋ぎとめるものは、妄想であったり、実は何も無い何かを夢想する精神であるのでしょう。多分、この物語はそういう精神、云いかえると「萌え」へのパロディなんでしょう(嘘)。
紙の本
どことなく覚えのある世界
2001/09/06 00:00
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投稿者:YASU - この投稿者のレビュー一覧を見る
全編を通して、何かしらの寄せ集め的な感じのする作品だった。
途中、殆どの部分で答えは予想(ミステリーとはいえ、この作品の場合『予想』という言葉を使っても差し支えないと思う)できたし、最後の最後も「ああ、やっぱりこういうおちだったのか」としか思えなかった。そう……展開でもなく、結末でもなく、まさに『おち』である。
唯一興味を惹かれた部分が、同じくメフィスト賞受賞某作品の主人公がちらりと存在を感じさせるところだけというのが、少々情けない。
あれには一体どういう意味があるのか? それが一番の謎である。
紙の本
これからどう変化していくのか気になる作家の一人
2002/03/23 13:43
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投稿者:川原 いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かの雑誌で読んだ選者のコメントが気になってはいたものの、表紙とコピーになんとなく抵抗を感じて今まで読まずにいました。
途中いくつかのシーンで、「ん?似たようなシチュエーション・キャラクターのミステリがあったような…。」と感じたのですが、そう思ったのは私だけではないようですね。これって確信犯でしょうか?
とは言え、どんどん壊れていくこの世界をどのようにまとめてオチをつけるのか気になって、読み始めたら最後までノンストップでした。これを読んだ現時点では惹かれるものがあり、これからどう変化していくのか気になる作家の一人。既に数冊出ているようなので、次作を読んでみようかなと考えています。