サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

ブックオフ宅本便ポイント増量キャンペーン ~4/15

「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

  • みんなの評価 5つ星のうち 4 2件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2001.8
  • 出版社: 青土社
  • サイズ:20cm/128p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-7917-5906-0

紙の本

ローマのテラス

著者 パスカル・キニャール (著),高橋 啓 (訳)

誰しも自分の沈むべき夜のかけらを追っている−。17世紀欧州を放浪する銅版画家の腐食版画にかける信念と妄執、激しい恋の遍歴を情動溢れる筆致で刻みつけた物語。2000年度アカ...

もっと見る

ローマのテラス

税込 2,090 19pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

商品説明

誰しも自分の沈むべき夜のかけらを追っている−。17世紀欧州を放浪する銅版画家の腐食版画にかける信念と妄執、激しい恋の遍歴を情動溢れる筆致で刻みつけた物語。2000年度アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞作。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

パスカル・キニャール

略歴
〈キニャール〉1948年ノルマンディー生まれ。現代フランスを代表する作家。著書に「アメリカの贈り物」「音楽のレッスン」「アプロネニア・アウィティアの柘植の板」など。

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー2件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

繊細なことばにそなわった「緩やかさ」

2001/09/26 22:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:赤塚若樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本にはそれぞれ適した読み方というものがあって、ときはにそれを学ばないといけないこともある。このように書いたからといって、ここでもっともらしい読書論を展開しようとも、またそれができるとも思っていない。なにしろ、ふだん読書といえば、ページをめくって、1語ずつ、1行ずつ目でたどっていくだけで、そのしかるべき方法などについて考えたことすらないのだから。たいていの場合はそんな読み方でも充分対応できるし、これといった不都合も感じないが、しかしそうはいっても作家や作品によっては、読み通すことはできてもそれ以上先に進めず、とくにものを書いたりしなければならないときなど、少々困ることがあるのは認めなければならないだろう。

 わたしにとってパスカル・キニャールは、どちらかといえば、そういったカテゴリーに入る作家のようだ。これは決して好き嫌いの問題ではないし(というのも、嫌いなものなら読み通しはしないから)、波長が合うあわないというのとも、かならずしも一致しないような気がする。むしろ、決して勤勉な読者ではないものの、この作家の作品については、翻訳書をとおしてそれなりに読んできたとも思っている。さしあたっていまは『ローマのテラス』だけに話をかぎるが、この中編小説にしても、興味深く読みはじめたはいいが、自分なりにそのよさを表現する手だてとなると、なかなかみつけられそうになかった。それはいったいどうしてなのだろう、と、今回は読み進めながらいつの間にか考えていた。

 現代小説の内容をひとことで表現するなどどだい無理な話だが、その無理を承知で物語だけを手っ取り早く説明するとすれば、17世紀のヨーロッパを放浪した版画家モームの生涯、その遍歴を描いている作品だといってよいかもしれない。21歳のときにブリュージュでナンニという女性と出逢い、恋仲になり、別れるところからはじまり、その26年後に自分を捜す(ナンニが生んだ)息子に泥棒と間違えられて、喉を切られ、それが原因で死んでいくまでの物語が、この小説の大きな枠組みをつくりだしており、そのなかで、モームが一生のうちで本当に愛したのがナンニだけだったという事実があかされ、「黒の技法」によって生み出される作品の特色、その作風、その魅力が語られ、ヨーロッパ諸国を経巡る旅の模様がたどられていく。
 もの静かな装いのなかに、ときおり不気味な異様さや荒々しさが不意に宿ることもあるキニャールの筆の運び。とくに「春画トランプ」と呼ばれるカードの「扇情的な絵」、あるいは「大方の人が野卑だと見なしているものをこのうえなく洗練された手法で描いた」作品の描写がもたらす暗い色調が、ナンニへの愛の純粋さや一途さと不可思議なコントラストをつくりだしながらも、小説という空間のなかで、一時もぶれることなくぴったりと重なり合っていくさまは、そこにこそ、この作品の生命があるのではないかと感じられることだろう。

 このような小説が、断片とはいえないものの、それでも決して長くはなく、ときに微妙に語り方がかわる47の章をとおして「ゆっくりと」進行していく。こうした語り口とそこに生まれる文章の流れをこそ形式と呼ぶのだろうが、もしそうであるなら、その形式が読み手の側に要請しているのは、いわば「遅さの共有」とでもいうべき事態であろうことはまちがいない。『ローマのテラス』という場にあって問われるのは、まさにその間合いの取り方であって、まずは自分なりに小説の「遅さ」を測ることからはじめなければならないのではないだろうか。味わうとか、かみしめるという方法ともちがう、繊細なことばにそなわった「緩やかさ」。その緩やかさがみいだせたときに、この小説ははじめてそのもっとも美しい相貌をあらわす作品となるのだ。 (bk1ブックナビゲーター:赤塚若樹/翻訳・著述業 2001.21.22)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。