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- カテゴリ:小学生
- 発行年月:2001.9
- 出版社: フェリシモ
- サイズ:23cm/155p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-89432-234-X
紙の本
ひかりの国のタッシンダ
著者 エリザベス=エンライト (作),久保田 輝男 (訳),アイリン=ハース (画)
髪と目の色がタトラン人とは違う少女タッシンダが、タトラン国の王子と出会い、恋をします。二人は惹かれあいますが、彼女は髪と目の色が違うことで思い悩みます。心清らかなタッシン...
ひかりの国のタッシンダ
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商品説明
髪と目の色がタトラン人とは違う少女タッシンダが、タトラン国の王子と出会い、恋をします。二人は惹かれあいますが、彼女は髪と目の色が違うことで思い悩みます。心清らかなタッシンダの人生を描くファンタジー。再刊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
エリザベス=エンライト
- 略歴
- 〈エリザベス=エンライト〉1909年シカゴ生まれ。ニューヨークやパリで絵の修行を積み、20歳の時童話の挿絵を描く。児童文学賞ニューベリー賞受賞。
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紙の本
タッシンダ、ずっと捜していたよ!
2001/10/04 13:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菊池由美 - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どものころの愛読書でした。美しい挿絵、どきどきするストーリー。異世界の不思議な言葉や習慣、道具、動物たちが強く印象に残り、うすっぺらな夢物語じゃない実感がありました。
なのに長く絶版、図書館を捜してもなかなかお目にかかれない本となっていたのです。アメリカでも、オリジナルの挿絵のものはすでに絶版です。それが日本で版元を変えての再刊! 即座に予約して手に入れました。子どものころの印象をくつがえさない、よく練られた文章と緻密で幻想的な絵。作者や画家が、ほかにも邦訳作品のある有名な人であったことも初めて知りました。ストーリーもちっとも古びず、今の子どもたちを楽しませてくれるはず。(私事ですが、わたしのムスメも夢中で読了しました)
「もや」に囲まれた平和な国に住むタトラン人は、戦いというものの存在を知りません。よそからやってきた、目や髪の色の違うタッシンダをちょっと冷たい目で見る人はいましたが、ともに災難から国を守ることで、そんな偏見も消えてしまいます。差別や暴力を否定し、平和を愛することの大切さが、声高なメッセージではなく、じんわりと伝わってきます。まあ、そんなことは今だから考えることで、子どもにとっては、やさしく明るいタッシンダと素敵な王子の恋の顛末が一番気になることかもしれません(そして期待は裏切られない)。
昨今はファンタジー・ブームが起きていますが、小学校低学年から読める上質なファンタジーはなかなかありません。復刊してくださった関係者のかたがたに、心からお礼申し上げます。ありがとうございました!
紙の本
最近のファンタジーのようにドタバタと忙しく展開していかない。なめらかにエレガントに移りゆく場面。30年ぶりに復刊した、どこかクラシカルなファンタジー。
2002/01/09 13:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
女の人には一般に、自分がお姫さまになりたい、お姫さまでいたいという夢想癖があると思う。きっと真のロマンチストというのなら、男の人の方にそれは多いんじゃないだろうか。でも、自分に都合よく引き寄せてものを考えていく力は、すなわち自己中心であろうとする夢想の力は女性の方がたくましいという気がしている。
仕事の面なんかでいうと、なあなあの馴れ合いでなくはっきりさせてものに取り組みたいというような潔癖感は女性の特徴だ。だけれど、こと男女や夫婦間の関係となると、世の中の正義を無視しても私のためになることを男の人には奉仕してもらいたいのだという気持ちが潜在的にあるように思う。
何が言いたいのかというと、上のような夢想癖が女性の絵本好きやファンタジー好きを支えているように感じているのだ。若い独身女性から主婦を対象としたカタログ販売のフェリシモが、本の通販や出版事業において、なかなかうまくやっているなあと感心させられるのもそこである。
絵本やファンタジーで夢想する欲を、女の人たちが発散・解消させるための消費行動を上手にすくいとっている気がするのだ。
古い本を復刊してほしいという読者のリクエストを事前に集めて、採算がとれる見込みを実証しておきながら出版社にこの事業を実現させる。インターネットがもっとパワーをもってくると、きっとこの種の事業は新たな展開を見せると思うが、フェリシモの復刊ビジネスは先駆者としてあっぱれだと思う。
この本の前の『マツの木の王子』——知らなかった本だけれど、私はこんな素敵な本が昔あったんだと感激して読んだ。
で、続くこの『ひかりの国のタッシンダ』登場である。
むかし世界の果ての寒い国に、火山性の山のおかげで暖かく緑豊かな国があった。タトラン王国だ。今の私たちの暮らしからすると不思議なものばかりで充たされたその国では、トートルというじゅうたん状のものが愛用されていた。その織り手の名人が、物語のヒロイン、タッシンダ。
彼女は、幼いとき、もやの向こうの世界から、ワシにさらわれてやってきて、タトランの人びととは髪の色も目の色も違っていた。それをあげつらう人たちもいるなかで、彼女の幸せを守ってくれていたのが育ての両親と織り物だったのである。
そして、学校でいじめられていた自分をかばってくれたタカタン王子に、タッシンダは身分違いのかなわぬ恋心を抱き始める。
かわいそうな娘を案じた母親は、山の魔法使いに相談に出かける。その折、魔法使いに親切にしたいと思ったタッシンダは、トートルを1枚織り上げてプレゼントし、交流を持つ。
やがて娘に成長し、今度は自分で魔法使いに恋の相談に訪れたタッシンダは、自分の髪を3本織り込んだトートルを愛する王子の誕生日祝いに持参するようアドバイスを受けて…。
単なる恋物語ではなく、タトラン王国は巨人族に襲われて、国家開闢以来の戦争の危機にさらされている。戦争の代りに、魔法使いが王子に提案した解決の方法も愉快。
英語版に添えられた挿し絵がそのまま使用されていて、これがまたお話ぴったりのエレガントでいい味を出している。
紙の本
タッシンダは、大きな鳥にさらわれてタトラン国へやってきた。
2001/10/16 17:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:杜若 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タッシンダは、大きな鳥にさらわれてタトラン国へやってきた。そこに住む人たちとは、髪の色も目の色も違っていた…。
わしにさらわれてタトラン国にやってきた小さな女の子はタッシンダと名付けられ、タクシネールとタビッシーナ夫婦に育てられます。金色の髪茶色の目は、タトラン人の白い髪青い目の中では異様に見えましたが、ふたりはタッシンダを愛しんで育てます。やがて、タッシンダは織物の上手な、美しい娘に成長しました。
王子の18回めの誕生日のお祝いに、タッシンダも贈り物を持って出かけました。ところが、宴が最高潮に達したとき、雷のようなものすごい音がして、大男ジョールゴングが恐ろしい姿をあらわしました。そして、タッシンダは大男につかまってしまいます…。
最後はもちろんめでたし、めでたしなのですが、戦いの方法がユニーク。また、その戦いの中で、タカタン王子とタッシンダは互いの愛をたしかめてゆきます。
架空のくにタトラン国を舞台にしたファンタジー。さしえもあるときは美しく、あるときは力強く、物語の細部を私たちに解き明かしてくれます。
約30年前に出版されていたものを復刊。