日本読書株式会社

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投稿者：marikun　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

個人的には感慨深いですねえ。
まあ、時代の流れを考えれば当然なのですが、「あの」本の雑誌が
Webサイトを持つようになるわけですからねえ…。
なんて思いはおいておいて(笑)

この本は「WEB本の雑誌」の中にある「読書相談室」という
掲示板に寄せられた書き込みに書評家の人達が答えたものを
まとめたものです。書籍化するにあたって、一般的に
役立ちそうな（？）質問を抜書きした形になっているのでしょうが、
確かに気分で本を選ぶのって自分では難しいですものね。
Ｑ「失業中の人間が共感でき元気が出るような本を教えて！」
などという質問に、活字中毒の筆頭であろう目黒さんたちが
答えてくれます。また「内容は覚えているんだけど、題名が…」
などと言う質問にもきっぱり答えを見つけてくれるのもさすがです！
本全般の事に関して、困った事がある時には
必ず役に立つすぐれものの掲示板本です！

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投稿者：川原　いづみ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　「こんな感じの本って読んでみたいけど、どうやって探していいかわからない！」「今の気分にぴったりな本はないかなぁ？」そんな疑問に答えてくれるのは、７人の強力な相談員たち。相談員を指名してくる相談者もいて、一体そのリクエストにどう答えるのかわくわくしながら読んでしまう。『奇想天外でスリリングで、日常を忘れさせてくれて、しかも晩御飯のヒントになるような料理も出てくる本』などと言われて、一体どんな本を出してきてくれるのか？　プロの本読みとしていい腕試しでもありますねぇ。
　私はこの本を「これから読む本を探す」のではなく、「私が今まで読んできた本を、相談員はどのような状況の人におすすめするのか」というポイントで楽しみました。

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投稿者：中山康樹　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　実体ならびに所在は不明ながら、東京のどこかに「日本読書株式会社」なる組織があるという。主な業務内容は「なんかいい本ないですか」という問い合わせに対して、その人の過去の読書歴や嗜好に照らし合わせて「はい、ではこの本をどうぞ」と推選することらしいが、そのために社長以下全社員、くる日もくる日も読書に耽っているという。聞けば土・日の休日も自宅でひたすら読み倒し、一同、アル中ならぬ活字中毒におかされているというから尋常でない。
　本書は、その得体の知れない読書会社に寄せられた相談とそれに対する回答をまとめた、いわば年次報告のような一冊。相談員（池上冬樹、茶木則雄、日下三蔵、東えりか、大森望、吉田伸子、北上次郎）が難問・珍問・奇問にズッバズバズバと答えてくれる。質問するほうも焦っているのだろう、回答するほうも質問がひっきりなしなのだろう、いずれも短いのがいい。
　しかも相談本のテーマは「お疲れさまのおすすめ」「実用型のおすすめ」「年齢別のおすすめ」「テーマ限定こんな小説」「ごちゃまぜご当地もの」「ミステリー＆冒険小説」「ＳＦ＆ファンタジー」「恋愛」「時代・歴史」「ノンフィクション＆エッセイ」「作家別」「翻訳」等々多岐にわたり、聞くほうも聞くほう、答えるほうも答えるほうの濃ーい丁丁発止がくりひろげられる。
　本書を読んで、「よーし、本当になんでも答えてくれるんだな、本当にホントだな」と思われた人は、ＷＥＢ本の雑誌（www.webdokusho.com/）内「読書相談室」に挑戦されることをお薦めする。
　最後に苦言。「本の雑誌」同様、音楽・映画・アート関係が薄いですよ、社長。　（bk1ブックナビゲーター：中山康樹／音楽評論家　2001.11.02）