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商品説明
揺れる日本語、自由な日本語こそ美しい。歴史を遡り、生きたことばに触れたとき、ほんとうの「言葉の世界」が現れるだろう。『大辞林』を愛用する作家による、書き下ろしエッセイ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
橋本 治
- 略歴
- 〈橋本治〉1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。作家。主著に「桃尻語訳枕草子」「窯変源氏物語」「わからないという方法」「宗教なんかこわくない」(新潮学芸賞受賞)など。
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紙の本
話し言葉を大切に!
2002/12/31 18:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鷹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんて普段使う話し言葉は人間らしさや人間の心情を美しく、
または醜く表現できるのでしょうか? こんなことを改めて気づくなんて…
この本を読んで、書き言葉を学校教育で教えられた私はそう思います。作者自身もこの本で独自の「話ことば」でみんなに語りかけています。だからこの本は読者の「話ことば」でみんなに語りかける書評で答えたいと思います。
内容は大辞林の大切さや有効性を書いた物ではありません。大辞林は橋本治にとって、「子供の頃から普段話している言葉を拾ってくれる気の合う友達」ということが分かるものです。友達と話すのが楽しいように、大辞林を使うのでしょう。
全体の流れはさすがにこれだけでは読者に「ふ〜ん」というだけでつまらないんですが、読者も本の内容と関係を持てる「話し言葉」の様々な分析を歌舞伎、文部科学省、近代文学、平安文学を題材にわかりやすく「話ことば」で綴ってあります。
作者が読者を意識し、本の中でモノローグにならないよう実現した名著でもあり、読者にモノローグの危険性を注意した名著だと強く感じました。
紙の本
電子辞書を広辞苑から大辞林に変えました(笑)
2002/04/13 11:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Snake Hole - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名通り,というかなんというか,つまりは橋本治が「なぜ自分は大辞林という辞書を使うのか」を通して,言葉というものや日本語というもの,そしてその教育やあれこれについて思うところを述べている,という本である。橋本さんがおっしゃるには大辞林というのは「江戸語から立ち上がる辞書」なんだそうで,だから彼はこれを使う,他のに変える気はない,とのことなんである。
まぁこのヒトの他の本 (小説を除く,というかこのヒトの小説は読んだことないのである,オレ) と同様に,モノローグとダイアローグの違いとか,「敬語」というのは上下関係ではなくて人と人との距離に由来するものだとか,いろいろと面白い,それについて書きはじめるととまらなくなりそうな話がわんさか詰まっているんだが,私がほんまに我が意を得たりと膝を打ったのは「うなずく」ちうのはヘンぢゃないか,というトコロである。
橋本さんによればこれは,文部科学省が「"づ"はやめて"ず"にしろ」というオフレを出しているそうなのだ。それで岩波の広辞苑も三省堂の (この本の主題の) 大辞林も,いまチェックしてみたウチの,小学校から使っている旺文社の国語辞典もみんな「うなずく」という見出し語で出ているのである。オレはこーゆー首尾一貫してない表記にはなんつうか背中ジンマシン的イラダタシサを感じる質なのだ。ぢゃなんで「つづく」は「つずく」にしないのかね,え?
と言っても,ここの部分はこの本の主題ではないトコなんだけど (そうだよね,上に書いたとおり広辞苑も大辞林も旺文社国語辞典も同じ,なトコなんだから) ,ともかくこれ一冊読み終わって,私はウチのマシンに常時入れてある電子辞書を広辞苑から大辞林に変えました (笑) 。