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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.10
- 出版社: 舞字社
- サイズ:20cm/389p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7952-7195-X
- 国内送料無料
紙の本
パール・バック伝 この大地から差別をなくすために 上巻
名作「大地」だけではない。「虐げられた人々」の基本的人権と福祉改善のために、彼女のペンは剣よりも強く、終生休むことを知らなかった。20世紀前半の中国・米国の文化史を背景に...
パール・バック伝 この大地から差別をなくすために 上巻
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商品説明
名作「大地」だけではない。「虐げられた人々」の基本的人権と福祉改善のために、彼女のペンは剣よりも強く、終生休むことを知らなかった。20世紀前半の中国・米国の文化史を背景に、パール・バックの波瀾の人生を描く評伝。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ピーター・コン
- 略歴
- 〈コン〉1942年ニューヨーク市生まれ。エール大学で博士号取得。現在、ペンシルベニア大学英文学部教授、「パール・バック国際財団」理事長。本書で「文芸協会賞」受賞など。
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紙の本
現代史の激流を渡っていった大いなる女性
2002/01/17 22:16
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:海野弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて世界文学全集となると、パール・バックの『大地』をはずすことはなかった。しかし、世界文学全集がはやらなくなるとともに、パール・バックの名も忘れられていった。
この本は、二十世紀の激流を渡っていった偉大なる女性の記憶を甦えらせてくれる。
パール・バックは一八九二年、宣教師の娘として生れ、両親に連れられて中国へ行き、そこで育った。そして中国への愛を一生書きつづけた。『大地』(一九三一)はその代表作である。第二次大戦以後はアメリカに住むが、アメリカにはいつも異和感を持ち、中国こそふるさとであると思っていた。
中国への共感、差別的な人々への共感をはっきりとのべ、アメリカの体制に批判的であったため、FBIによって何十年も監視されていた。パール・バックの生涯は、現代史のまっただ中を切り裂いてゆき、二十世紀のクライマックス・シーンを次々と見ていくかのようだ。ルーズヴェルトから毛沢東にいたる多彩な登場人物があらわれては消える。
それにしても、かつてあれほど読まれていたパール・バックがなぜ忘れられてしまったのだろうか。戦後の冷戦時代、米ソの対立、思想的闘争が激しかった時、どちらにも属さなかった彼女は、右からも左からも攻撃を受け、埋もれていったのである。彼女にとって最も悲劇だったのは、彼女が愛した中国から入国を拒否されたことだ。二つの祖国を持ったパール・バックは、中国からはアメリカ的だといわれ、アメリカからは中国的だといわれたのであった。
しかしようやく、パール・バックの再評価がはじまっている。この伝記は彼女の多面的な活動を紹介し、彼女への興味を呼びさましてくれる。二十世紀の歴史のドラマティックな流れの中で、こんなにも見事に生きた女性がいたことを、できるだけ多くの若い人に知ってほしいと思う。また彼女の生きた時代についても知ってほしい。そのような願いがこの本にこめられているのだ。 (bk1ブックナビゲーター:海野弘/評論家 2002.01.18)