紙の本
やられた!
2015/02/28 20:00
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投稿者:やっさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
意地の悪いひっかけクイズを解いているような感覚の短編ミステリ小説集です。
もし長編小説でこのネタを使われたらきっとボロクソに言いたくなるぞ、というようなある種姑息なトリックばかりで、
短くまとめられているからこそ素直に「やられた!」という気分に浸ることができる、非常に奇抜なアイデアを楽しめる作品です。
紙の本
フーダニットとはこういうものである
2001/11/18 00:54
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投稿者:ヤスフミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『暗黒館の殺人』にいたるまでの綾辻行人の苦悩が読める作品集で、全篇作中にも自身が登場する。収録されている五篇はともにフーダニットに奉仕している。シンプルな謎でありながら、それを解き明かすのは至難の業である。しかも、解けなかった読者を嘲笑うかのように、解答篇では小さな細かい伏線にまでわざわざ説明が加えられているのだ。
中でも「どんどん橋、落ちた」と「ぼうぼう森、燃えた」の二篇は歴史的な怪作だと思う。本格ミステリ独特のルールによって限界まで縛られた条件下で、ここまで読者を騙しとおすのは、やはり綾辻行人ならではの技である。騙されるのが好きな人、さらに綾辻行人が好きならば楽しめるはず。
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VS綾辻行人!
2001/11/25 00:49
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投稿者:ひいろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリ好きにはたまらない、究極の犯人当て短篇集。 あの手この手を使ってくる著者と読者の推理バトルを楽しむことができます。 「こういうのを待ってたんだ!」って感じです!
ノベルズ化を機に読んだのですが、もっと早く読んでれば、と思いました。 それほどまでに楽しめた作品です。 ストーリーはあえて説明しないほうがいいですね。未読の方は是非。
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やられた!と思わず唸る5編の中篇集。特にオススメは第三話の「フェラーリは見ていた」。惑わされないように読んでたハズなのに・・・オチを読んだ瞬間アゴがっくりん&爽快感。
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叙述トリックというか何とゆーか「こんな細かいところにトリックを仕掛けるか!?」と、思わず叫んでしまった。一冊丸ごと通して読めば、騙される快感を味わえます。
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ちょっと変わったミステリ短編連作集。綾辻氏といえば本格ミステリからホラーまで幅広く活躍している作家だが、これは「犯人当て小説」の形式を取りつつも、かなりひねった、逆に言うと犯人当てジャンルをパロディにしているような不思議な感覚の作品である。
うまく騙してくれるこの人ならではの面白さもあり、不気味さもあって、最後まで解けない謎もちょっと残るあたりも彼らしい。
館シリーズの面白さには及ばないが(あくまで私個人の気持ちであり、これは作品の出来とはあまり関係ない)、ちょっと楽しめた一冊。
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『どんどん橋、落ちた』
『ぼうぼう森、燃えた』
『フェラーリは見ていた』
『伊園家の崩壊』
『意外な犯人』
2002年6月10日読了
削除
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「フェア・アンフェア論争」云々はともかく、ミステリーは「やったもんがち」の世界なんだなと再認識させられる短編集。
形骸化してしまった「本格派」に対するセルフパロディと好意的に解釈しておきましょうw
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まず、自分は「犯人当て」があまり好きではないです(笑)。
なんと言うか、当てよう当てようとしながら読み進みたくないと言うか、犯人が当てれなくて不快な気分になるのが嫌と言うか。
そもそも物語の最中に「挑戦状」が挿入されるのが好きでは無いのです。
物語が「挑戦状」によって一反分断されるのも嫌ですし、「挑戦状」によって物語の世界からされたくも無い「挑戦状」を叩きつけられ現実の世界に強制的に戻されてしまうのも嫌です。
でも、通常のミステリでもあれやこれやを何となく考えつつ読み進めているので、「犯人当て」が大嫌い!と言うわけでもないのです(笑)。
そんな好きでも嫌いでもない「犯人当て」が5つあるこの本。
「犯人当て」の結果としては、文句無しの犯人的中!はゼロ。
当たりに結構近かったのはラストの「意外な犯人」。
その他はなんとなく当たってるところもあった、と言う程度の当たりでした。
この本を読んで「こんなのアンフェアだ!」と思う方もいらっしゃるとは思いますが、自分は「はぁーそうくるかーそうきたかー」と言う感じで、ミステリ作家は実に大変だなぁと思いました。
5話のうち一番好きな話は「フェラーリは見ていた」で、終わり方も良い感じでした。
ネットで知るまで気付かなかったのですが「伊園家の崩壊」は国民的家族のパロディーだったんですね。
まったく気付かなかった自分って(笑)…と思いました。
自分はちゃんと汲み取れなかったのですが、ラストのあの文は作者の決意表明だということ知り、「あれはそう言う意味だったのか」ともやもやしていたものがスッキリしました。
満足度は★★★☆☆。
物語の並べ方には意味があってこの並びなのかなとちょっと思いました。
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叙述トリック のフーダニットです。
細かい重箱のスミをつくような叙述トリックよりも
私はちゃんと小説として面白い推理小説のほうが好きだなぁ。
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再読。究極のフーダニット短編五話の詰まった本。さすがにインパクトが強すぎて、どんどん橋とぼうぼう森のトリックは覚えておりました。ミステリ書きってのは難儀な生物だなぁ、と思うね。ミステリ読みも難儀な生物ですよね。なんというか、言葉の一つにさえ気を張らなきゃいけない感。だから面白い。殺人事件、とすら軽はずみに口に出来ない、その縛りがあるから面白い。
これはね、本格というものを知らないひととか、ノックスの十戒、ダインの二十則の内容は知らなくても言葉を知ってるくらいにはミステリのことを知ってるひとでないと、なかなか読むのは辛いかと。フーダニットという言葉を知らないひとにもお勧めはしません。普通は怒りそうな気がする。子供だましだよ、って。
なんか、うん、そうじゃないんだ。そうだけど、そうじゃないんだ。ほんと「袋小路」なんだよなぁ。本格ミステリという小説が取る形態、犯人当て小説が取る形態の行き着くところ。それを暗喩しているというか、ある意味自嘲しているというか、警告を発しているってほどでもないんだろうけど。だから面白い。
あと話の中のトリックだけでなく、話しにオチが組み込んであるあたり綾辻らしいなぁと。ひたすら悩んでいる自由業者リンタローと、何があっても犬っぽいタケマルが好きです。「伊園家の崩壊」が酷過ぎて笑えてくる。
抜粋。
「犬はタケマル。誰が何と云おうと、ボクぁ断じてタケマルだなあ」
「フェラーリは見ていた」からU山さんのお言葉。
12.10.09
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収録された五編のうち四編に読者への挑戦がついた「犯人当て」作品集。
ですが、作者のファンでなければ(ひょっとしてファンも?)怒り出す人もいるのでは?などと、つい心配をしてしまいたくなるような異色作だと思います。
再読なのでさすがに驚きはないですが、あちこちに見受けられる伏線はやっぱりよく考えられてますよね。
伏線確認の為に、初読時よりも集中して読んだかもしれません(笑)。
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技法やひねり方が、綾辻さんらしいと思います。自分でも推理しながら読んだので、頭を使ったな〜と感じました。
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なるほど、これも確かにミステリーだ!という感じはした(笑)。本格ものの定義(に基づくリアリティというか、世界の構築の仕方というか)を十分わかっていないのかもしれないけども、書かれたことから考えるという原則からみたら、そんなもんなんだろうと思う。ただ「そ、そういうオチなの!?」っていうところはなくはないのかもしれない。深く謎解きだと思わず、コメディとかだと思えばいいんじゃないだろうか。