- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.11
- 出版社: 窓社
- サイズ:20cm/183p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-89625-036-2
紙の本
「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典を読む
著者 カール=ビンディング (著),アルフレート=ホッヘ (著),森下 直貴 (訳著),佐野 誠 (訳著)
封印されてきた禁断の書、「生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁」の完訳。それを巡るナチス安楽死政策との結びつきを立証した論究と、ナチズムだけでなく安楽死一般の価値観に...
「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典を読む
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商品説明
封印されてきた禁断の書、「生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁」の完訳。それを巡るナチス安楽死政策との結びつきを立証した論究と、ナチズムだけでなく安楽死一般の価値観に対峙する視点を探った考察を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
法律家の見解 | カール=ビンディング 著 | 7-62 |
---|---|---|
医師による論評 | アルフレート=ホッヘ 著 | 63-106 |
それはいかにして生まれ、利用されたか | 佐野誠 著 | 107-130 |
著者紹介
カール=ビンディング
- 略歴
- 〈ビンディング〉1841〜1920年。哲学・法学博士。著書に「ドイツ刑法手引書」他。
〈ホッヘ〉1865〜1943年。医学博士。
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紙の本
ナチスドイツの障害者安楽死計画に大きな影響を与えたと言われる本
2002/07/10 17:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森岡正博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一次世界大戦終了後のドイツで、『生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁』と名付けられた一冊の書物が出版された。著者は、刑法学者のビンディングと、精神科医のホッヘ。「生きるに値しない命」を終わらせることに、何の問題もないと断言するこの本は、後に、ナチスドイツの障害者安楽死計画に大きな影響を与えたと言われている。
歴史的にとても重要な書物なのだが、これまで日本語で読むことができなかった。かつて米本昌平が『遺伝子管理社会』のなかで、部分訳を行なっていたが、その本も現在は絶版だ。だから、今回の全訳の登場は画期的なことだと思う。訳者たちの本格的な解説も付いていて、本書が書かれた時代背景などもよく理解できる。
ビンディングとホッヘは、殺害することを解禁してもかまわないような生命が二種類あると言う。ひとつは、治療不可能なガン患者のように、自分が置かれた状況を本人が知っていて、死を切に望んでいる人々。彼らを安楽死させても問題はないと彼らは主張する。
そして、もうひとつのケースが、治療不可能な知的障害者たちである。彼らは生きようとする意志もなければ、死のうとする意志もない。そればかりか、知的障害者たちは、家族にとっても、社会にとっても、とてつもない重荷となっている。知的障害者を介護することは、絶対的に生きている価値がない命を何年も何十年も生かし続けることにほかならない。
だから、知的障害者たちを殺害してはならないという理由は、いささかも見いだせないと、ビンディングとホッヘは結論する。「生きたい」と思っている人を殺してはならないのだが、知的障害者たちは「生きたい」とも「生きたくない」とも思っていないのだから、彼らを殺しても、彼らの「生存意思」を侵害したことにはならないと言うのだ。
これを読んで、現代の多くの読者たちは、眉をひそめるであろう。だが、このような考え方は、いまでもなお脈々と生き続けているのだ。重度の障害をもった赤ちゃんを中絶してかまわないと考える人々の心の中にあるものこそが、この種の思想なのである。
初出:信濃毎日新聞
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