- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.11
- 出版社: 文芸春秋
- サイズ:19cm/157p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-16-358210-X
紙の本
9.11 アメリカに報復する資格はない!
2001年9月11日のアメリカにおける自爆テロは文明の衝突ではなく、テロ国家の親玉・アメリカに対する別のテロ集団の挑戦である。チョムスキーが世界のメディアの疑問に答えて、...
9.11 アメリカに報復する資格はない!
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商品説明
2001年9月11日のアメリカにおける自爆テロは文明の衝突ではなく、テロ国家の親玉・アメリカに対する別のテロ集団の挑戦である。チョムスキーが世界のメディアの疑問に答えて、テロの実態を解き明かしたインタビュー集。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
客観的な事実こそが辛辣な批判となる
2002/01/14 18:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:神楽坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
挑発的なタイトルである。同時多発テロ以降、イスラム側の事情を書いた本が多く出版されたが、ここまで明確にアメリカや欧州の責任追及をしたものは、無かったのではなかろうか。日本人にとってはショッキングな内容である。あのテロで転換を迫られているのは、アメリカよりむしろ日本なのかもしれない。アメリカこそ世界最大のテロ国家であり、長年に渡って傍若無人な振る舞いをしてきたことは、日本人も知らないわけではなかったろう。しかし、それを口にするのはタブーであった。ベトナム、イラク、アフガニスタン等はアメリカによる殺戮を受けながら、報復攻撃など一度たりとも行ったことは無かった。それが、タイトルの意図するところだろう。半世紀以上前の満州事変から日米開戦に至る経緯とも無縁ではない。日本まで、反米感情を煽られることはないと思うが、世界の近代史を客観的に理解しておくのは必要なことだ。
紙の本
テロ国家の親玉「アメリカ」の深い罪
2001/12/31 18:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:片桐真琴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「アメリカに報復する資格はない!」
本書の副題にあるように、アメリカ人天才言語学者であり優れた政治活動家でもある著者のチョムスキー氏はそうアメリカを断罪する。
なぜならアメリカは、世界で唯一、国際司法裁判所で国家テロのカドで有罪判決を受けた国であり、これまで世界各地の罪なき民衆を爆撃し、自動車爆弾テロを平気で仕掛ける「テロ国家の親玉」であるからだ、と。過去、世界各地でアメリカが行ってきたことを冷静に分析していくと、まさにチョムスキー氏が述べているとおりなのだ! しかし、アメリカ人の多くはそのようなことすら知らされておらず、アメリカという国家の罪深さに気づいていない。
本書に収められている「9.11」に関するインタビューは、アメリカにもまだ「良心」が存在することを我々に教えてくれる。彼のような人物こそもっと尊重されてしかるべきなのだ。彼のような知性が21世紀を平和の世紀にするためには必要だ、と改めて認識させられる。
紙の本
あなたは誰なのか?
2002/01/26 00:36
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山根正信 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の内容については、他の方にゆずるとして、一言。なぜ、「こうむる」を「蒙る」と表記しなければならなのか? 「法を遵守する」は「法をまもる」でも別にかまわないのではないか? 細かいことかもしれませんが、この本はすべての人に読んで欲しい。中学生だって理解できるはず。
チョムスキー氏は文字通り、命をかけている。なぜなら彼には、誰が死に、誰が悲しみ絶望し、誰が悪いのか、それを誰に伝えなければならなのか、ひとりひとりの顔が見えている。それなのに、日本語版の出版にたずさわったひとにはそれが感じられない。とても残念だ。
紙の本
薄くて読みやすい本ゆえ、これを読み、今回のテロ及び報復攻撃に付き、熟考して欲しい。
2002/01/09 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は著名な言語学者チョムスキーのeメールに同時多発テロと報復攻撃に関し、世界各国から「質問」が寄せられ、それについて答えたものの一部である。全体は、1「真珠湾と対比するのは誤り」、2「ブッシュ政権が取るべき方法」、3「なぜ、世界貿易センターか」、4「アメリカは<テロ国家の親玉>だ」、5「ビンランディンの<罠>」、6「これは<文明の衝突>ではない」、7「世界に<明日>はあるか」から成っている。
チョムスキーは書く。「真珠湾との対比」は誤解を招く。1941年12月7日に攻撃されたのは二つの米国植民地の軍の基地、つまり米国の領土ではなかった。過去数百年、米国は土着民(何百万もの人々)を絶望に追い込み、メキシコの半分を征服し、周辺地域に暴力をもって介入、ハワイと、数十万人のフィリッピン人を殺害してかの地を征服、また、この半世紀の間に、世界の大部分に武力による政策を押し広げた。その犠牲者は膨大な数である。今回のテロでアメリカ本土に初めて銃口が向けられた。
欧州とて侵略は同様で、欧州列強もまた世界の大半を極度の野蛮さで征服したが、ごく稀な例外を除き、彼らが攻撃されたことはない。英国がインドに、ベルギーがコンゴに、エチオピアがイタリアに、アルジェリアがフランスに攻撃したか! 1980年代、米国のCIAはテロリスト育成のため、アフガン侵攻のソ連と「聖戦」を闘うべくパキスタンその他(サウジアラビア、英国など)の諜報機関と共同して過激なイスラム原理主義者を募り、訓練し、兵器を与えた。またパレスティナとイスラエルは、9月11日の残虐テロを直ちに認めた。イスラエルの場合、パレスティナ人を叩き潰す「機会の窓」が開いたからだ。またもやお馴染みの「暴力の悪循環」である。タリバンを別にすれば、最も過激なイスラム原理主義国家はサウジアラビアであり、この国は建国以来米国の顧客国家(クライアント)、タリバンは事実上、イスラム教のサウジ版から生まれたと言ってもいい。つまり過激なイスラム教徒=原理主義者は1980年代、米国のお気に入りだったのだ。見出しうる最高の「殺し屋」だったからだ。当時、米国の主要な敵は「カトリック教会」だった。教会はラテンアメリカで「貧者の優遇権」(1980年代、中南米で盛んになった解放神学の主張)を採択することで、ひどい目に遭っていた。2の冒頭でチョムスキーは、1986年、国際司法裁判所で国際テロの廉(かど)で米国は有罪を宣告された。しかし、米国に国際法遵守を求める安全保障理事会の決議で「拒否権」を発動した。ここまでで157ページ中、わずかに22ページである。薄くて読みやすい本ゆえ、全国民はこれを読み、今回のテロ及び報復攻撃に付き、熟考して欲しい。