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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2001.11
  • 出版社: 角川書店
  • サイズ:20cm/238p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-04-873278-1

紙の本

妖桜忌

著者 篠田 節子 (著)

高名な女流作家・大原鳳月が事故で死亡した。葬儀の翌日、担当編集者・堀口の元に大原の秘書・若桑律子が、自分の書いた原稿を持ち込んできたが…。女の情念が、人の心を凍えさせるホ...

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妖桜忌

税込 1,540 14pt

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商品説明

高名な女流作家・大原鳳月が事故で死亡した。葬儀の翌日、担当編集者・堀口の元に大原の秘書・若桑律子が、自分の書いた原稿を持ち込んできたが…。女の情念が、人の心を凍えさせるホラーエンタテインメント。【「TRC MARC」の商品解説】

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みんなのレビュー7件

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評価内訳

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紙の本

人の業を書ききる篠田節子

2003/01/05 11:40

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青木みや - この投稿者のレビュー一覧を見る

 還暦に近い著名な女流作家・大原鳳月が死んだ。
 葬儀後、鳳月の担当編集者だった堀口のところに鳳月の秘書、若桑律子が原稿を持ってきた。鳳月の未発表原稿かとざわめきたつ堀口に律子は自分の作品だと告げる。鳳月のもとでの律子は教養のある有能な事務方だったが、文学的センスはない。だが、律子の原稿は、私小説を書かないと言われていた鳳月の一代記となっており、独占手記として発表され評判をとる。

 2回目の原稿を受け取った堀口はおかしな事に気づく。律子の堅い文体がだんだんと、鳳月の流麗で特徴的な文体に変わっているのである。ただ似ているのではない。鳳月そのものなのである。堀口は鳳月の遺作を律子が盗作したのではないかと疑い始める。

──

人間の本当の怖さをご存じないようですね。20代じゃ無理もないでしょうが
『妖櫻忌』74p 律子

 この台詞は、40歳間近い律子が若い編集者堀口に向けたものである。その通り「大人のホラー」に仕上がっている。人が誰しも多かれ少なかれ、利己的で自意識過剰で薄っぺらで情念に満ちた部分を持っている。子供のうちはそれを隠さない。しかし大人になれば、言葉で飾り態度ですり替えることを覚える。私がこの作品でぞくりとしたのは、そういう人の業ともいえる部分を篠田節子が書ききっているところだ。

 鳳月は書くこと・表現することに並はずれた野心を持ち、律子から知識や情緒、精気を吸い取り作家として大成してきた、とされている。その鳳月に若い頃から弟子として使えてきた律子は文学的才能がないばかりに、卓越した知識や記憶力、手堅い手腕を誰からも評価されず、被害者意識を持ちながら朽ち果てようとしている。

 律子は死後も絡みついてくる鳳月の影から必死で逃げようとするが、どちらが欠けても「物語」が成り立たないゆえに(世間は)それを許さない。通俗的な堀口は、名誉と金が得られるのなら、自尊心などなんぼのものかと思う。

 誰しもが自我や自尊心や矮小で卑近な己という、いろいろなものに捕らわれている。それを大事に思うのは、その人自身しかいない。だが、多くの読者や広く流布された「物語」に捕らわれた人々は……。

──

どこまでいっても、作者は作品に付随する影法師にすぎない。だれによって書かれようとだれが作品のどの部分を請け負っていようと、そんなことは物語にとってはどうでもいい。
『妖櫻忌』236p 堀口

 他人からしか語られなかった鳳月の真意は那辺にあったのか、整合性のとれないままに迎えたラストは業と哀れみをたたえている。

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紙の本

あの篠田節子だって偶にはハズスんだ、なんて安心していいんでしょうか。次の骨太なホラーに期待して今回は辛目の採点です

2006/01/04 20:54

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

《老大家 大原鳳月。出版社の堀口のもとに、大原の助手が自分で書いた原稿を持ち込んだ。それは自宅の火事で亡くなった大原の文に酷似していた》
つくづく、いい題名だなあと思います。タイトルを見たとき、赤江漠か、皆川博子の作品だと勘違いしてしまいそうなほどです。そういう意味で、篠田節子が、このタイトルでどういった小説を書くのか、興味津々でした。感想は、題名が似ていると、作品の中身まで似てくるのかもしれない、というもの。それが何かは、自身で読んでのお楽しみです。
日本文学の大家で、作品に艶(なま)めかしさをみせる大原鳳月。大病を乗り越え、再び健筆を振るう彼女がアテナ書房の月刊誌に連載していた「花伝書異聞」、その最終回を前に大原は鎌倉の自宅の火事で亡くなるのです。現場には若手演出家で、最近注目を集めていた男が死んでいました。しかし、アテナ書房の大原担当である堀口の「最終原稿が入ってこない」という心配は杞憂に終わり、死後、連載の最終回分が届くのです。
堀口の前に現れた大原の助手の若桑律子は、自分の原稿をとり出します。それは、私小説は書かないと宣言していた大原の一生を描いたものだったのです。今なら売れると判断した上司は連載に踏み切ります。しかし、律子から持ち込まれる原稿からは、次第に若桑らしさが失われ、亡き大原鳳月特有の文章が浮かび上がってきます。彼女は大原の遺稿を隠し持っているのでしょうか、それとも師の晩年の原稿を書いたのは若桑だったのでしょうか。
この作品は1995年に「小説王」に掲載されたものに手を入れたものであそうです。単なるミステリかと思っていたら、次第に様相が変わっていく、それが見ものです。ただし、大味な印象がする作品で、後半の盛り上がりも今ひとつという気がします。そうですね、赤江漠の失敗作にも似たところがあります。もっとくる、って思っていると、なーんだ、っていうあの失墜感。
ホラーも書く篠田ですが、最近はあまりこの手の作品は書いていない、そのせいかもしれません。男性社会への挑戦や宗教、民族を扱ったスケールの大きな作品に、こちらが慣れてしまってせいで、同じホラーでももっと途轍もないものが出てくるんじゃないか、そう思い込んでいるからでしょうか。ともかく、あれ?ですね。

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紙の本

モノを作り出す人間の鬼気迫る「業」

2002/01/31 01:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上代、中世文学のすぐれた現代語訳の他、小説や戯曲、評論などに業績を残した58歳の女流文学者の大原鳳月が自宅の茶室の火事によって、若手演出家とともに亡くなった。住み込みの秘書・若桑律子が出版社に持ち込んだ小説を「独占手記 我が師・大原鳳月」として雑誌に掲載することとなったのだが、初回掲載の後、持ち込まれた2回目の原稿は律子のものとは思えない筆致だった。鳳月の残した未発表原稿があるのではないのか。それとも、鳳月の作と思われていた作品は律子が書いていたのか?
 自我、欲望、愛憎、恨み、煩悶。目に見えぬ力が律子を、そして編集者の堀口にも襲いかかり、やがて物語は思わぬ結末を迎えることに…。

 大原鳳月は死んでいない。私の身体に乗り移り、文章を紡ぎ続けている。徐々に憑かれたようになっていく律子の様子や、それに対峙する堀口の恐怖などが描かれてゆき、次第に鬼気迫る様相を呈して来ます。モノを作り出す人間の「業」のようなものが、じわじわと回りの人間を犯してゆくというか、なんというか…。
 結末もふくめて、篠田さんらしいホラーサスペンスでした。

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紙の本

亡き作家を巡って明らかになる芸術家の持つ深い業

2001/12/27 22:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:氷川友美子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 高名な女流文学者・大原鳳月が、茶室の火事によって死んだ。彼女の死を悼む担当編集者・堀口も、大原の五十八歳とは思えぬ艶やかな存在感に惹かれていた一人である。彼のもとに、若桑律子が大原をモデルに綴ったという原稿を持ってくる。彼女は、鳳月のブレーンからアシスタントまでを一人でこなす有能な秘書であった。
 文学的センスには欠ける作品だが、話題性を見込んだ出版社は、雑誌に短期集中連載として掲載することを決定する。しかし若桑が書いたというその小説は、導入部の稚拙な文体から、筆を進めるに従い、大原の流麗な文体そのものに変化していく。若桑は大原の遺稿を隠し、自分の作品として世に出そうとしているのか? または今までの大原作品は、実は若桑の手によって書かれたものだったのか? 疑問をもった堀口はやがて——。

 著者には、死亡、または失踪した作家の残した謎を、編集者またはライターが追うというモチーフの系列がある。この作品では、理におちない終幕が選択され、ホラー色の濃い初期作品を彷彿させるものとなっている。
 大原鳳月の人物像は、男性が語るものと女性が語るものでは、著しくその印象が異なる。一見たおやかで優しげでありながら、作品を執筆する養分として、人の精気や才能を吸い取る、恐ろしいまでの貪欲さを持った人物であったと若桑は言う。それは真実なのか、それとも彼女の被害妄想なのか。
 作中で、ある人物が語るモーツァルトとその弟子ジェスマイヤーのエピソードは象徴的だ。モーツァルトの絶作レクイエムの後半は、ジェスマイヤーの作曲によるものだが、まぎれもないモーツァルトの音楽だと感じられる、と。もしかしたらモーツァルトは、死後もなお、自分の遣り残した仕事に執着し、残された者の身体を通して、作品の完成を目指したのではないだろうか。そのようにして作られた作品は、果たして誰のものと呼べばいいのか——。

 芸術家自身の持つ深い業に止まらず、芸術そのものが持つ人を突き動かす暗い力までもが描かれた力作である。 (bk1ブックナビゲーター:氷川友美子/ライター)

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