本格ミステリ・ベスト１０ ２００２

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広範な意味でのミステリを対象としたランキングを繰り広げている『このミス』に叛旗を翻すような形で敢えて本格ミステリに絞ってランキングを募った本書も6冊目。東京創元社で当初出版されていた頃はそのあまりに同人誌的な内容・構成にどうなるものかと心配したが、昨年から原書房に変わり、かなりこなれてきた感じで、特色が漸く出てきたように感じた。とはいえ、新たな門出として出発した昨年は意外にも『このミス』のランキングに付和雷同するしているような感じだったが今回は特色が出ていてよかったように思う。
また添え物のように扱っていた海外ミステリも今回はページをかなり割いて論じているのにも好感が持てた。国内と海外とで座談会を分けていたのも○。希望を云えばせめて国内同様には扱って欲しいのだが。
以前に比べ、だいぶん進歩した本シリーズ。試行錯誤の黎明期は過ぎたと判断する。次回からは充実期に入るゆえ、独自の企画を立ち上げて特色を出してもらうことを期待する。
しかし、表紙の絵はどうにかならんのかなぁ。