紙の本
優しいプライド (アイスノベルズ)
著者 砂原 糖子 (著)
志上をはねた男は中学時代の同級生、保高だった。事故で右手が使えなくなった彼を気づかい、部屋に来い、という保高の言葉に甘えてやっかいになる志上。居心地のよさにうっとりしなが...
優しいプライド (アイスノベルズ)
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商品説明
志上をはねた男は中学時代の同級生、保高だった。事故で右手が使えなくなった彼を気づかい、部屋に来い、という保高の言葉に甘えてやっかいになる志上。居心地のよさにうっとりしながらも、反発を覚える志上は…。【「TRC MARC」の商品解説】
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酷い男なんだけれど、それなりの理由がせつない。
2002/02/22 18:36
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投稿者:kaede - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎日ではないながら、勤める先のホストで指名の数でトップクラスを維持し、女の前でいい顔を見せながら、反面、性欲のはけ口みたいに扱う、冷たく最低な男、里利。そこに、研修医をしながらボロアパートに住み真面目な生活を送る保高が登場し、保高の世話になることになった里利。
馬鹿にしつつも、どこか保高のそばは居心地がいいと感じることもあるだけれど、里利はそんな感情を素直に認めることも、あらわにすることも出来ない。そんな里利の不器用で意地っ張りぶりは、ただ、拗ねるように意地っ張りなのではなく、性格自体長い年月をかけて歪んでしまったような痛々しさがあり、それは里利のあまりにヘビーな生い立ちゆえだった。愛してもらえるわけがないと思う里利は、愛してほしいと望むことすら忘れて育ってしまったような、そんな物悲しさが感じられる。
シリアスな話なんだけど、重いかなとも思えるんだけど、救われない話ではないので、好きずきはあると思うけれど、私は、いい話だったなぁ、と最後に思えるようなお話だと思えた。