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黒と茶の幻想
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 156件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2001.12
  • 出版社: 講談社
  • サイズ:20cm/619p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-211097-6
  • 国内送料無料

紙の本

黒と茶の幻想 (Mephisto club)

著者 恩田 陸 (著)

学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子。卒業から十数年を経て、4人はY島へと旅をする。太古の森林の中で、心中に去来するのは閉ざされた「過去」の闇。旅の終わりまでに...

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黒と茶の幻想 (Mephisto club)

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商品説明

学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子。卒業から十数年を経て、4人はY島へと旅をする。太古の森林の中で、心中に去来するのは閉ざされた「過去」の闇。旅の終わりまでに謎の織りなす綾は解けるのか…?【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

恩田 陸

略歴
〈恩田陸〉1991年の第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。著書に「球形の季節」「麦の海に沈む果実」など。

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みんなのレビュー156件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

恩田陸の数ある作品のなかでも、内容的には『ドミノ』と並ぶトップクラスのもの。しかも、ブックデザインがいいです。これに関して言えば、この北見隆・京極夏彦のものを超えた本はないのでは・・・

2006/01/31 17:14

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

《大学を卒業後、それぞれの道を歩んでいた四人の仲間が、鹿児島の沖合いの島に出かけることになった。それぞれ疑問を胸に抱きながら》
書店に平積みにされていた時は、きっとそれだけで買いたくなってしまった人も多かったろうなあ、と思わせるシンプルでいて、どこか気品ある装丁。担当はイラストレーターで画家でもある北見隆ですが、彼にしては珍しくイラストを描いていません。しかもデザインはあの京極夏彦だというのだから驚きです。ズシリとくる重さ、恩田ファンには堪らない一冊でしょう。
利枝子と蒔生、彰彦と節子の4人が向かうのは、Y島。九州で最も高い山を持つ、ほぼ円形の周囲130キロの山岳島。山の頂が雲に覆われ亜熱帯植物から高山植物をまでを植物相にもつ海上の島とありますから、とりあえず屋久島をイメージしましょう。
家族に断って出かけてきた四人の旅のテーマは「非日常」、「安楽椅子探偵紀行」です。 利枝子と蒔生は幼馴染で、結婚をしてもおかしくないような仲でしたが、高校時代、友人の憂理を彼に紹介したことで仲が壊れ、二人は各々の道を歩んでいました。その憂理はいつしか彼らの前から姿を消し、今では消息を知るものとていなくなっています。
資産家で、美貌の姉を持つ彰彦、友人たちの旅行には欠かせない誰からも好かれる節子。彼らが抱える小さな謎。三歳の息子が恐れる馬。実際のライオンを見ても怖がらない少年が、初めて馬を見たときに表した恐怖の陰にあるもの。受験シーズン前に盗まれたクラスの仲間たちの表札と、急性白血病で死んだ友人。なぜか紫陽花に怯える男。山登りの途中で出会う少年に見える誰かの面影。
それぞれの謎を解きながら進められる気の置けない仲間たちの旅を彩るのは、青春時代に影を落とす不思議です。この旅は、人を愛することの持つ辛さ、真実の持つ重さ、本当に自分が愛していたのは誰なのか。守っていかなければならないのは誰かを問いながら続けられます。
全体は四部構成で、四人の男女が自分たちの心の中を覗きながら、確かめていく足取りがいいです。書き込みが充分で、安直なイメージはありません。恩田の場合、どうも作品に並があって、腰を据えたときは、それこそ耽美小説もかくや、というものになるのですが、一歩間違うとスタイルだけがあって中味がないことがあります。その点、この作品はトップクラスの出来です。
それから、繰り返しますが装丁がいいです。様々な本にイラストやオブジェを使っている北見隆ですが、今回は装画ではなく装丁を担当、色だけで勝負をしました。茶とはいっても渋めの日本的な茶と、黒のシンプルなツートンカラー。黒地に浮かび上がる白いタイトルの英文字、グラデーション。表紙を利用した章ごとの扉。どれをとっても完璧です。京極夏彦との分担がどうなっていたのか、詳細が知りたいところ。
中味も外見も文句なしの一冊でしょう。

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紙の本

最も小説らしくて、一番愛おしい。

2003/07/18 22:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

人生はたった一度きりだし、歴史に「もし」は無い。
それを実感した日が、大人になった日かもしれません。

もうすぐ40代に手が届く男女四人。大学時代の同級生の旅。
「あの時」彼らの前から消えた、梶原憂理。

   そう尋ねると、蒔生の顔は、驚いた顔からゆっくりと乾いた笑みに
  変化していった。
  「梶原憂理」
   蒔生はそう優しく呟いた。その名前の響きを確かめているみたいに。
  「あいつは——疫病神だ」
  「疫病神?」
  (P319より引用)

四人の視点から語られる憂理。
彼女の人生は、読者の胸の内にだけ再生されます。

四人は、憂理を取り戻す過程で、「あの頃」
力不足で解決できなかった問題に決着をつけます。


もうすぐ40代に手が届く四人。回想。
どうして、こんなに愛おしいのでしょう。

この四人は、実に心地よい関係を築いています。
それは、とても美しい関係。
こんなの夢物語だと、皮肉りたいくらい魅力的な関係。

その関係を通じて、彼ら四人の半生に立ち会う喜び。
それが本書の魅力です。

一つ例を挙げると……。

  なまじ他の部分が完璧なだけにそのほころびが目立ってしまうし、
  むしろそのほころびの先にこそ茫漠とした広い世界が広がって
  いるような不安を覚えるのだ。けれど、彼女の場合、それが
  ある種の神秘的な魅力となっていたのは確かだった。(P483より引用)

これは、節子が利枝子について触れた箇所です。
本書一冊を通じて四人の主人公がお互いに「私の目から見た彼・彼女」を
描写し続けます。これを手がかりに、四人の主人公の半生を受け止めることが
出来ます。読者の特権です。

これほど実感を伴う半生も、再現されるのは読者の中だけです。
憂理だけが例外ではなく、彼らもまた作中人物なんですね。
物語に引き込まれるあまり、つい、忘れていました。


人間に生まれた以上、誰かに自分を理解して欲しい。
また、他者の人生に共感して、共に歩いてみたい。

でも、自らの内面を把握することは困難ですし、
ましてそれを伝えきることなんて不可能です。

我が身さえもてあますのに、他者の内面を伺い知ることが
なぜ出来ると信じてしまったのでしょうか。

——理解し合えないから、せめて物語の中だけでも。

そうは思いません。絶望的に少ない「滴」かもしれませんが、
暮らしの中で手にするかけがえのない「滴」を
集めて渇きを潤すための、漏斗。

その漏斗を鍛えるために有効なのが、
小説を読むことなのではないでしょうか。

「滴」の過多は人それぞれですし、もちろん
道具なしでも渇きを癒すことは可能です。

可能ですが、一旦本書のような作品と
不幸にして出会ってしまえば、もう「漏斗」の無い日常に
戻ることができません。

本書を開けば、四人の人生を読者として理解し、
完璧からはほど遠くとも十分理想的な水準で
「他者から理解された」人生を垣間見ることができます。

蜃気楼かもしれないけれど、胸を打つものがあると知ることで、
「錯覚や勘違いを重ねて、みっともない日々を過ごすのは
承知の上でも、もう少し歩こう」と、希望を持つことが出来ます。

だから、この物語が——この四人が——こんなに愛おしいのでしょう。


恩田さんは、自らの集大成を生み出すつもりが、
小説を代表する作品をものしてしまいました。

ただ本書を開くだけで、奇蹟を目撃することが出来ます。
「視点」が自由にキャラクターの中を出入りする
浮遊感がもたらす幻想は格別です。
この世界、小説でしか伝えることが出来ません。

幾つもの人生を生きることを可能にする小説。
旅に例えられる人生。旅に例えられる読書。
あと一冊きりの読書なら、ふたたび本書をかみしめたい。

長い休みにじっくり味わいたい、最も小説らしい一冊。

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紙の本

恩田ワールドの集大成

2002/04/16 09:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

600ページにも及ぶ大長編なので、ヒマなときに少しずつ読もうと思っていたのに、読み出したら止まらず徹夜で読み終えた。これは傑作。

ストーリーは単純。昔の仲間たち(男女四人)が集まって、どこかの森へ旅行に行くというだけの話。しかしこの四人、それぞれが暗い過去を持っていて、その過去の謎のめぐってストーリーが展開される。かなりドロドロした人間関係の話で、一歩間違えると陳腐なメロドラマになりそうなのに、そうならないのはさすが。これはやはり、メインとなる四人の人物の書き分けがうまいからでしょう。Aが知っていることをBは知らなかったり、BとCが秘密を共有していたり、それをDが違うふうに解釈していたりと、過去に起きた事件に対する、認識の「ズレ」や「不一致」がこの話の面白さを支えている。「ストーリーは単純」などと言ってしまったが、読み返すと、驚くほど計算されつくした話だというのがよくわかる。

本書に「ミステリ」だの「心理サスペンス」だのといったジャンル分類は無意味。本作「黒と茶の幻想」において、「恩田ワールド」は完璧に完成されたのだから。

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紙の本

事実は視点の数だけ解釈できる

2002/04/14 04:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さかな - この投稿者のレビュー一覧を見る

 読み終わったあと、『三月は深き紅の淵に』の最終章を読み返して鳥肌が立った。そこには、この話の冒頭がそのまままるごとあった。あの話は、ここに来るための物語だったのかと理解できた。

 主要な物語は屋久島をモデルにした島を旅行する4人の男女の行動から成るのだが、ここにかつて失踪した憂理という女性の影が色濃く落ちる。彼女の親友だった女性→一面識ぐらいしかなかった男性→かつて恋人だった男性→顔見知り程度の女性……視点と彼女との関係は濃くなったり薄くなったりしながら話が進む。そして、一番関連の薄そうな彼女の視点こそが、真理を突いていく——筋立てはそう複雑でもないが、拡散する物語の要素の、その密度に圧倒される。

 螺旋階段をのぼるように、とにかく一気に読んだ。読書の面白さが凝集した本だと思う。作者の年代からプラスマイナス15歳の人は読んでおくべきだと思った。

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紙の本

過去の中に眠るいくつもの想いを

2002/01/14 00:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藍桐 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間の記憶というのは怪しいもので、楽しいことはいつまでも覚えていたいし嫌な事は早く忘れたい。しかも楽しいことは美化して覚えていたりする。都合の悪いことも忘れる。それはきっと人間が幸せに生きていくのに必要なことかもしれなくて……それでもこの物語に出てくる四人の登場人物達は、その過去を明らかにしようとし始める。それは彼らにはきっと必要なことだったのかもしれない、でもそのことで傷つくこともつらいこともあったはず。傷を負ってまで見つけ出した記憶と真実の中に彼らが見たものは、少なからず読んでいる私達も似たようなものを持っている、そんなものでした。

 絶対に実際にはありえないような話、でも、その話の向こう側には現実を生きている私達にも見える何かがあるのに気づく、そういう作品は最近、少ないと思います。そういう意味でとても素晴らしい小説だと感じました。

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紙の本

この本を読む上での注意事項

2008/09/28 14:21

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふるふる - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本は4部(4章)構成で、4人の登場人物のそれぞれの視点から書かれている。時間経過も基本的には重なっていない。文章も読みやすく、さすがにプロの作品だ。

しかし、どこかの感想にも書いてあったが、第1部の「利枝子」を読んでいるとやや退屈してきて、まだ先は長いし最後まで読むのをやめようかと感じてしまうかもしれない。特に、男性がそうなる。

そこは少し我慢して、第2部の「彰彦」に入ると少し続ける気が出てくる。

そして、その第2部を読み終えた時には、もう最後まで読まずにはいられなくなり、残りの後半は一気読みとなる。

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紙の本

過去、謎、心、森

2005/11/28 16:51

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つな - この投稿者のレビュー一覧を見る

 われわれは過去を取り戻すために旅をする。過去の中にこそ本物のミステリーがある。十数年前の時間と自分を喚起させるメンバー、より深い思索をするのに格好の、俗世と隔絶された目的地。
 学生時代の友人である、利枝子、彰彦、蒔生、節子の四人は、彰彦のセッティングで「美しい謎」を持ち寄ってY島への旅へ出る。深い森に分け入り、滝、M岳、J杉を見るために山を登る。Y島の森を歩くことは、それぞれの心の森に入ることでもあった。日常では交わされる事のない会話が、この非日常的空間で交わされる。
 更にこの旅は、利枝子、彰彦、蒔生、節子の四章に分かれ、それぞれの一人称で語られる。この仕掛けによって主観的、及び客観的記述がなされ、一人一人の性格が立ち上がってくるという仕組み。
 この旅の核となる大きな「謎」は、一つなのだけれど、「謎」がテーマな旅であるだけに、ちょっとした日常の謎、人生への質問が数多く提示され、解決される。最後の文章がとてもいい。全て転じて、正のエネルギーとなったように感じた。自分の中にも、まだ見知らぬ「謎」が眠っているのかもしれない。

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紙の本

4人の登場人物を設定し終わった時点で、この小説は9割がた書き終えられたと言って良い。

2002/04/14 14:11

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

 学生時代の友だちであった4人の男女がY島に旅行に行く。ただ、それだけの話である。そこで殺人が起こる訳ではなく、誰かが神隠しに遭う訳でもない。なのに我々は、読みながら4人の心理の綾に絡め取られてしまう。何故なら4人のキャラクターが極めて綿密に描き分けられているからだ。
 4人の登場人物を設定し終わった時点で、この小説は9割がた書き終えられたと言って良い。この設定こそがこの小説のほとんど全ての魅力であり原動力であると言える。
 これは厳密な意味でのファンタジーでもなければミステリでもない。だから、そういうつもりで読み始めた人は、読み終わって肩透かしを食うかもしれない。現在進行形の「事件」は何もなく、登場人物の会話と回想、そして森の描写が延々と続いていくだけである。そこにあるのは、4人の男女の心が動き、揺れ、痛み、そして再生するさまを丹念に追いかけた描写である。登場人物が四人四様でありながら、皆一様に、人生に対して肯定的な強さを持っているのに惹かれる。
 相変わらず「巧い」恩田ワールドである。

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紙の本

引きこまれる魅惑の世界!

2003/06/13 12:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る

 森は死者でいっぱいだ…。
 リアリストの利枝子、毒舌家の彰彦、クールな蒔生、快活な節子の中年4人での「非日常の旅」。目的地はY島。幼なじみの皆が久しぶりに顔を合わせるこの旅のサブテーマは「安楽椅子探偵の旅」。各自が「美しい謎」を用意し、論議して全員が納得出来る説明が見つかったら解決になるのだ。日常の謎を話しつつも、過去への想いが甦っていく4人だが…彼らの旅の行き着く先は!?
 著者お得意の、意味ありげな、最初から全てを説明してしまわない抑えた描写に緊迫感が増し、読者をワクワクさせてくれる。ラストはやや小さくまとまったきらいはあるものの、それなりに感動的である。
 ひとつ難を言えば、4人が設定の年齢にしてはあまりに若々しく純粋な思考を持っていることに少々違和感をおぼえた。昔の仲間が久しぶりに集まったということで、精神年齢が若返ったのかな。 

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紙の本

世界遺産の島で安楽椅子探偵紀行?

2002/03/21 00:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 田舎へ帰って実家を継ぐ潔の送別会をきっかけに、彰彦、蒔生、利枝子、節子の4人が世界遺産の島「Y島」への旅に出ることに。
 幹事の彰彦が「旅のテーマ」として提示したのは「非日常」「安楽椅子探偵紀行」。

 時間に、記憶に、街角に、蔵の隅に、音もなく埋もれていくものの中に「美しい謎」がある。大学時代を締めくくる卒業記念の一人芝居の公演の後、消息を絶った利枝子の親友・梶原憂理の謎をメインに、第一部の利枝子、第二部の彰彦、第三部の蒔生、そして第四部の節子、それぞれの視点で綴られる美しい謎と思索の旅。


 派手な殺人事件が起こるわけでもなく、ただ4人の心が、ある意味、淡々と綴られて行きます。ページ数も多いし、実際手に持ってみても重いし、読むのに時間がかかりそうな気がするのですが、これが読み始めると、一気。
 中年の域に差し掛かった4人が、それぞれの想いを抱えて、大自然の中で、思いっきり身体を動かし、思索にふける、それだけの物語なのに・・・この存在感は、さすが恩田陸。
 読み終わったとき、あなたの心に残るのは4人のうちの誰なのでしょうか?
 それとも、Y島の大自然に心奪われてしまうかも。

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紙の本

学生時代の同級生が過去の真実を探す旅を描く

2002/01/30 22:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:氷川友美子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者には、幻の本にまつわる4つの物語を描いた『三月は深き紅の淵を』という作品がある。後に、第4章「回転木馬」に挿入されていた物語を元に、『麦の海に沈む果実』という学園ゴシック・ミステリも書かれている。本作も『三月〜』から派生した物語のひとつであり、再び『麦の海〜』の主要人物であった女性が登場する。ただし、独立した作品としても楽しめる仕上がりになっているので、『三月〜』を未読の方も安心して読んでいただきたい。

 学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子。卒業から十数年を経て、4人はY島を旅することになる。かつて利枝子と蒔生は恋人同士であり、利枝子の親友・梶原憂理の存在によって決別した過去を持っていた。憂理は、大学時代を締めくくる一人芝居の公演を最後に、利枝子の前から姿を消し、未だ消息は不明のままであった。
 幹事の彰彦は、旅の非日常感を楽しむために、それぞれが「美しい謎」を持ち寄り、秘められた真実を探しあてることを提案する。徐々に紐解かれる過去の記憶。旅の終わりに彼らは何を見出すのか——。

 恩田陸は、既存の作品にオマージュを捧げることが多い作家である。本作はロレンス・ダレル「アレキサンドリア・カルテット」(『ジュスティーヌ』『バルタザール』『マウントオリーヴ 』『クレア』の四部作。河出書房新社から邦訳が出ていたが絶版)に倣い、第一章「利枝子」(女)、第2章「彰彦」(男)、第3章「蒔生」(男)、第4章「節子」(女)の順に語り手が交代していく構成をとっている。視点が変わることによって、ある事件、ある人間像が、より複雑で立体的なものへと変容していく瞬間の光と闇が丹念に描かれていく。船上で、ホテルで、太古の森林の中で。4人の交す饒舌な会話の応酬が実に魅力的だ。

 作者いわく「この小説は、現時点での私の小説の集大成であり、恋愛小説だと自分では思っている」(『小説TRIPPER』2001年冬季号より)。タイトルはデューク・エリントンの曲名から。 (bk1ブックナビゲーター:氷川友美子/ライター)

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2004/10/05 01:20

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2004/10/15 01:58

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2004/11/01 22:21

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2004/10/19 15:33

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