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どぶどろ (扶桑社文庫 昭和ミステリ秘宝)
どぶどろ
05/02まで通常472円
税込 283 円 2ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
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いも虫 | 6-35 | |
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あまったれ | 36-57 | |
役たたず | 58-80 |
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紙の本
世間の底を這い回る庶民の心の叫び
2002/06/15 14:21
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投稿者:浅知 恵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆき『ぼんくら』の先行作品として再注目された時代ミステリ。
構成としては、冒頭に7編の短編があって、それが中編「どぶどろ」に抱合されていく形になっている。
7つ短編についてはミステリ色はほとんどないが、人情の機微がよく描かれていて、珠玉の時代小説として安心して読めるし、現代のサラリーマンとしても共感できる部分が多い。
一方、「どぶどろ」では一転して「庶民」対「お上」の構図が明確に作られており、陰謀小説としてのスリルが楽しめる。
中でも陰謀に巻き込まれる山東京伝の従者・平吉の造形が見事で、世間の底(=どぶどろ)を這い回る庶民の心の叫びの代弁者として、終盤は鬼気迫る行動をみせる。このあたりの筆力は鳥肌もの。
割り切れないながらも、その割り切れないところが何ともいとおしく感じられる、そんな作品だ。