「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
ラグナロクEX. The outsiders (角川文庫 角川スニーカー文庫)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ちょっと重苦しい巻だけど…
2002/01/05 18:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:R2bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
格闘小説として優れていることは間違いない。だが人によっては激烈な拒否反応を引き起こしかねないほどに暴力性に富んだ小説ともいえるかもしれない。そんな「ラグナロク」も「ラグナロクEX. The Outsiders」でついに14冊目を迎え、その救いのない展開にますます磨きがかかっている——といっては身も蓋もないか。
とにかく、憎悪や軽蔑、羨望、嫉妬、苦悩といったどちらかといえば負の感情と呼んで差し支えないようなぐちゃぐちゃしたものを徹底的に前面に押し出しているにもかかわらず、それが面白いのは自分と重なる部分を多く見つけてしまうからだろーか。もちろん、安井健太郎の筆力というものもあるのだが。
もっとも、素直に楽しむというよりも自分自身の中の暗い部分と皮肉っぽいスタイルで向き合うという、少々自虐趣味的な楽しみ方かもしれない。
さてさて、外伝だと思っていたEX.シリーズも、いつの間にか本編に組み込まれてしまった。一人称スタイルの小説としては、こういう風に外伝スタイルでいつもとは別のキャラの視線を用い、すべての挿話がいろいろと絡み合って本編を進めていく——そういうやり方って結構いいかもしれない。読者としては飽きがこなくてよい。
刊行ペースもそこそこだし、今後の展開がますます気になるシリーズ。要注目である