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導きの星 1 目覚めの大地 (ハルキ文庫 ヌーヴェルSFシリーズ)
導きの星I 目覚めの大地
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紙の本
人類の歴史の再現
2005/04/10 23:44
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
銀河系に進出した人類が、他の遅れた人類を見守るというテーマは、すでにSFでは人口に膾炙している。この作品は、そうしたテーマを味付けしなおしたヴァージョンの一つだ。このようなものの見方は、19世紀から20世紀半ばまでの「未開社会」を見守る西欧近代主義者の文化人類学者の、傲慢な視線を感じなくもないが、しかし若き外文明監察官の辻本司という主人公には、ちょっと危ういくらいそこにいる人類に共感してしまう姿勢は、なかなかさわやかに感じる。
読んでいて面白い!と感じたのは、「人類の歴史を再現」していることです。外宇宙の文明を監察する司が、スワリスという知的生物に様々な手助けや導きをしていき、文明を育てていくその過程が面白い。シムシティのような気分になる。「火」を使いこなすことによる戦闘能力が向上し、一族・氏族を超えた国家を発生させていること、「農耕」を知ることによる人口の急増や、また不純物が混入することによる融点低下現象が銅器の大量生産を生んだことなど、表面の歴史ではわからない技術まで少し踏み込んだ描写が、すごく興味深い。ちょっとした軽いエンターテイメントのように話が流れるが、人類の歴史は、こうしたありえないような技術の進歩が継続・断続的に奇跡のように続いてきたんだなぁ、と感慨深くなった。ちょっと、世界史や考古学を調べなおしたくなった。ある意味、見事な考古学・歴史学の教科書といえるかもしれない。
紙の本
作られた奇跡なのか?
2006/05/18 22:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球外惑星に発生した知的生命体候補を導き成長させる役目を持った観察官に志願した辻本司と3人の女性型パーパソイド、そして、成長し歴史を紡いでいくスワリスたちとの交流を描く物語。
初めて読み終わったときは次の巻が待ち遠しくて仕方ない気分でした。未熟な若者である司が一種族を導く神のような立場に立っているという矛盾。迷いながら間違いながらも、各時代時代の人々と一歩一歩着実に進んでいく。
何が文明を形作るのか、そんな命題も含んでいる、楽しくも考えさせられる作品です。