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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2002.1
- 出版社: 未知谷
- サイズ:20cm/269p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-89642-047-0
紙の本
ノエルカ
著者 マウゴジャタ・ムシェロヴィチ (著),田村 和子 (訳)
ポーランド西部のポズナニの一画にあるイエジツェ町を舞台に、1991年のクリスマスイブの1日を17歳のエルカの心の成長を中心に描く。家族との口論の末に家を飛び出したエルカが...
ノエルカ
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商品説明
ポーランド西部のポズナニの一画にあるイエジツェ町を舞台に、1991年のクリスマスイブの1日を17歳のエルカの心の成長を中心に描く。家族との口論の末に家を飛び出したエルカが、自分と周囲の人々を見つめ直す物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
マウゴジャタ・ムシェロヴィチ
- 略歴
- 〈ムシェロヴィチ〉1945年ポーランド生まれ。ポズナー造形美術大学卒業。挿絵画家を経て児童文学作家に。作品に「カリフラワーの花」「八月のイーダ」「噓つき」。
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紙の本
ポーランドの普通の人々が過ごしたある年の「クリスマスイブ」の濃密な時間。
2004/02/02 22:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポーランド、1991年のクリスマスイブ。17歳のエルカ・ストルィバと、ボレイコ家の長女ガブリシャ(長女といっても、プィザとちびトラという2人の女の子の母親で、離婚経験者)を軸に、午前中から晩餐までの半日を丁寧に追っていく。
最初は、ポーランド語の名前や地名がややこしい上に、主な登場人物だけで23人もいるため、状況把握に時間がかかって進まないかもしれない。だが、そこを越えて、エルカがトメクと出会うあたりから、物語はどんどんおもしろくなり、最後には加速度がついて、奇跡のような最終場面へと進んでいく。
せっかくのイブというのに朝からツイていないことだらけのエルカ。午後は、成り行きで、初めて出会った青年トメクのアルバイトに付き合うことになる。「サンタクロース&金色の天使」に扮して家々をまわっていく時間の中で、様々な家族の事情や人間模様、エルカの心のうちが見えてくる。
エルカが心に抱えた「重たい石」の行方や、ボレイコ家のあたたかい雰囲気、それぞれの家が抱える喜怒哀楽、何よりトメクとエルカのぎこちなくも初々しい恋愛感情が何層にも重なって、たくさんの登場人物のそれぞれがどんどん近しく感じられてくる。表紙に配された12の絵は、作中の様々な場面の挿絵なのだが、読み終わってからそれぞれの絵を見直すと、そのシーンのおもしろさがじんわりとよみがえってくる。
「地下道の階段に腰をおろしてた時、俺わかったんだ。つまり、神は俺たちの前に現れる時、必ず他者を介して現れるんだってことを」(p.260)