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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都には、絶対に魔界があると思います。詳しく説明されていて興味深く、京都魔界巡りに行きたくなります。
紙の本
怪異と仲良く旅をするための教則本
2003/03/29 06:01
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投稿者:のーとみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都の妖しいスポットを紹介しつつ、そこにある様々な伝承に簡単な考察を加えて見せてくれるという、ガイドブックでもあり、妖怪基礎知識本でもあり、怪異や伝承伝説とのつきあい方を示唆する本でもあるという、やたらとお得な一冊。地図があり、写真があり、怪異のスポットだと言われる由来があり、さらに、その由来や立地から小松和彦先生の思いつきが語られる。その立体的な構成と、読み手の想像や考察の余地を残す文章の分かり易さが魅力。読めば京都に行きたくなる妖怪好きの必携書。解説は京極夏彦。
紙の本
日本人の文化のルーツは“魔界”にあり。
2003/07/17 17:19
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都とは、まことに妖しいところである。
「魔界案内」に「京都」と付くからそそられるのであって、これが仮に「東京」であったとしたならば、それはなんとなく現実味を帯びてしまうか、もしくはSFチックになってしまう(実際、同シリーズで「東京魔界案内」もあるのだが内容は未確認)。
やはり、京都には“魔界”が似合う。
京都には、そこはかとない魅力がある。
京都を訪れると、そこが平安の昔に栄えていた都であることを体で感じる。
なぜか。
寺社仏閣、名所旧跡といったものから、ただの辻、塚、通りにいたるまで、そこかしこに古の人々の“想い”が残っているからである。
その想いは、祈りであったり願いであったり、感謝であったり、怨みであったり。現在の京都の元をたどれば、必ずその想いにたどりつく。
その人間らしい感情に触れたとき、1200年のときはぐっと縮まる。
平安の昔に栄えた都=平安京は、風水を取り入れてつくられた。通りや角(辻)、その位置にもすべて意味がある。そうやって都の発展と安寧を図るとともに、魔物を避けたのである。
そのために、寺社仏閣のような清浄な場所、魔物に侵されない神聖な場所が多くみられる。が、これは裏を返せば、魔界との境といえる。魔界があるから神聖な場所がある。神聖な場所のすぐ外は、魔界。表裏一体、紙一重、なのである。
本書は、そんな身近な“魔界”へと案内してくれる。
そこは普段見慣れた社、山、辻、塚…。名前の由来や場所の意味、いきさつなどをひも解いていくと、見えるのは“想い”。
人の想いが魔界をつくるのかもしれない。
現在、建物を建てる際には必ず風水を考える。例えば、鬼門にはトイレを置かないとか、玄関は吉の方位に置くとか。信じる信じないとか、役に立つ立たないなど関係なく、どんな建築家も風水は無視できないという。
風水だけに限らず、土地の風習、家族の習慣、ちょっとしたおまじないまで、平安の昔から続くことかもしれない。
元をただせば、みな“魔界”に通じる。
そんな風に考えてみると、また楽しい。
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京都近郊の怪スポットを網羅した一冊。
京の都の妖怪伝承を広く紹介している。
これを読めば、もう一度京都へ行きたくなること間違いなし!
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京都本の中でもこの手のネタが最近好きです。
行ってみたいと同時に多分すごく怖いところもあると思う。
貴船とかほんと不気味だったし
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ワタクシの京都妖怪ツアーのバイブルです。この本に出会わなかったら一人旅の面白さ、目で見る楽しさを知らなかったと思われます。
これだけでは目的地に着くのは困難だけど、京都妖怪ツアーに出向くなら読むことをお勧めいたします
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さすがは1千年以上の歴史を誇る京都。
あちこちに「魔」の空間が存在する。
しかしその「魔」と上手に付き合っているんで、現在もこの町は元気なのかも知れない。
これこそ京都を知る真のガイドブックでしょう。
写真も豊富やし。
ウォーキングで夜の産寧坂に行った嫁が走って帰ってきたときがあった。
この本を読んで合点がいった。
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京都が好きでよく訪れますが、寺社を訪れると、どことなく冷やりとした、おそろしい雰囲気を感じることがあります。
古い歴史を持ち、幾多の伝説に彩られた京都の光と闇の、闇の部分に目を向けて紹介しているのが、この本です。
後書きとしての解説を京極直彦氏が書いていたためか、てっきり小松左京氏の著書かと勘違いして読み始めました。
国際日本文化研究センターの副所長である著者は、京都に造詣の深い民俗学者。
京極氏は著者に熱烈なラブコールを送っています。
どこかで聞いてきたような民間伝承が多く載っています。
そのテのものが地域別にまとめられており、立地的にわかりやすくなっています。
不気味な言い伝えのほかに、京都の豆知識も掲載されており、長らくの疑問がクリアになったことも多く、千年王都、京都の理解に役立ちました。
今までより以上に、京都散策を楽しめそうです。
以下、箇条書きのまとめです。
・鵺(ぬえ):おそろしいい業の動物とされるけれど、もともとはトラツグミだったとのこと。
闇の中で鳴く声が不吉とされて、イメージが大きく膨らんだ
・ゴイサギ=五位鷺、天皇が五位の位を与えたから。
・安部晴明の母は葛葉姫。(コミックでの晴明の妻の名は真葛)
晴明神社には、主祭神の晴明大神と同格の扱いで稲荷神が祀られている
・貴船神社:縁結びの神は縁切りの神
和泉式部は相当なプレイガール
・鞍馬=暗魔? 奥の院は地主神=奉ることで封じられた、先住の荒ぶる神。慎重に扱わねば祟りをなす。
天狗:仏法が広がるのを妨害する仏敵
御伽草子『天狗の内裏』:源義朝は阿弥陀浄土で大日如来に生まれ変わっている
・八瀬の人々は酒呑童子を先祖として祀っている
・産寧坂:清水の子安観音へお安産祈願の参詣道だから
・大酒神社:酒に関係ない
世阿弥の「風姿花伝」猿楽の始まり
秦氏が秦の始皇帝を祀る→大荒(おおさけ)明神 荒ぶる祟りの神→道教の神、摩多羅神を祀る
・稲荷とは狐の霊を祭っている神社ではない。
狐は眷属(お使い)。誤解の元に狐を祀る稲荷社も多くある
「狐の稲盗み」昔話 狐が中国から稲穂を一つ盗んで日本にもたらした←ギリシャ神話のプロメテウス/泥棒でもある二重性
・橋姫神社:縁切り←→県神社:縁結び(コノハナノサクヤヒメを祀る)
・蝉丸神社・逢坂山(大津市)
蝉丸は虚構の人物。琵琶の名手で「今昔物語」では源博雅が3年通ってようやく琵琶を教わった
醍醐天皇の第四皇子でありながら、盲目だったので逢坂山に捨てられた
能楽『逆髪』:姉(逆髪)は髪が逆立つために放浪の身。能楽『蝉丸』
・『平家物語』三井寺の頼豪僧:白河天皇の皇子誕生の祈祷→ほうび→戒壇建立の悲願→延暦寺反対→天皇認めず→頼豪憤死→皇子死亡→怨霊が鼠となり経典を食い破った→社を作って祀って霊を鎮めた
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写真がたくさんあってカラーで面白いです。
ただ、ずっと読み続けていると飽きてくる。
元々は京都新聞に連載されていたコラムてきなものを
再録した本だそうです。
でもどんな由緒があってなど、とても興味深く面白く読みました。
この本を手にして民俗学に興味をもってくれる人が増えるといいなって思います。
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タイトルほどマニアックな内容ではなく、
ガイドブックに載らない内容を掘り下げたものだと感じます。
たとえば、白峯神宮
「スポーツの神様」「サッカー必勝の神社」などと記載されるのが一般的。
この本は「崇徳上皇」一色
天皇を呪い続けた怨霊と神社との関係について詳しく書かれてます。
京都を「負」という切り口で紹介したガイドブックといえるかな。
この本に書かれているような場所を旅行する、
これも京都の醍醐味だと感じさせてくれます。
重宝度 4
情報度 4
わかりやすさ 3
絵・画像 4
価格 4
総合 4
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有名な観光名所はだいたい見たし、ちょっと珍しいところに行ってみたいなと思う人にはちょうど良い本です。この本は文庫サイズなので、本書を片手に京都の街をぶらぶらするのに持ち運びしやすいです。肩肘張らずに読めるので、京都を訪れる前に目を通しておくと、少し違った視点で見れるかと。そして、巻末に掲載されている京極夏彦の解説が良い。
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幽霊や呪い等の伝承は概ね平安初期〜鎌倉時代初期の話が多い。平安京自体元々呪術が背景にあるから、とりあえず悪霊のせいにしとけ的思想が残っていたのだろうか。女の呪いの話が多いのは、男が根本で女を「恐ろしいもの」と捉えている現れかもしれない。今もそうだな。
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おびただしい数の怨霊が発生し、それにおびえ、
またそれとの戦いを繰り返してきた都市――
それが京都であった。(p.72)
物の怪が跋扈し、恨みを抱いて死んだ者の怨念に
人々が怯えた平安時代の痕跡を辿る、
妖怪論の大家でもある民俗学者によるガイドブック。
京都を洛中(中央部=一章)、洛北(北部=二章)、
洛東(東部=三章)、洛外(洛西・洛南=四章)、
宇治・大津(京都外縁=五章)に分けて、
それぞれの歴史・曰くのある、
俗な言い方をすればパワースポットを紹介した、
京都新聞連載記事に加筆・修正した一冊。
この本を携えて、新たな視点で改めて京都を旅してみたい。
ところで、洛外「帷子の辻」の項で、
写真(p.198)に付されたコメント
「四つ角にある店は繁盛しないという俗信」に心当たりあり。
今、住んでいる町にも、
条件に当て嵌まる場所があって、七年間で
コンビニ→長いブランク→ファストフード→
再び長いブランク→パン屋さんが去り、
以来、半年以上空き店舗なのだが、果たして……。
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[ 内容 ]
日本を代表する「雅」の都・京都は、陰陽師や呪術僧が活躍する、呪いや怨念の渦巻く霊的空間でもあった。
晴明神社、神泉苑、貴船神社…、名うての「魔界」を巡り歩くうちに、「異なる者」たちが跳梁跋扈する刺激に充ちた時空が蘇ってくる―そんな「魔界」発見の旅へようこそ!
読んでから行くか、行ってから読むか。
[ 目次 ]
1章 洛中―雅の都に「闇」が潜む(朱雀門跡;鵺大明神社 ほか)
2章 洛北―鬼と天狗が棲む異界・「暗魔」(貴船神社;鞍馬 ほか)
3章 洛東―呪い渦巻く冥府・魔道との境界(六道珍皇寺;八坂神社 ほか)
4章 洛外―奇跡を実現させる仏教以前の神々(愛宕山;清滝川 ほか)
5章 宇治・大津―妖怪たちが跋扈する京都文化圏の外縁(橋姫神社;平等院 ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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おどろおどろしいのを期待していたので、肩透かし食らった気分(笑)
京都各所の神社仏閣の、由来とか伝承とかを紹介してくれるガイドブック。
天狗伝説とか、古今和歌集とか、安倍晴明の話だとかが簡潔に説明されているので、民俗学とかが好きな人はいいかもしれない。
でも文章として装飾はされていないので、物語を期待するとこける。
どちらかというと資料的な感じ。