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軽いめまい (講談社文庫)
軽いめまい
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紙の本
微細な、あまりにも微細な
2002/03/23 16:20
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投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
言葉の芸術というのはこういうのを云うんだろう。
さしあたり、目に付くことは、とにかく文章が長いということである。もちろんこうした方法論的な洗練は金井氏の小説の読者にはおなじみのことだろうが、これがとにかく心地よい。そこに書き付けられていくのは物語などでは決してなく、日常の細々とした細部。しかし、忘れがたい細部。そもそも、日常とは細部から成り立っており、われわれにせよ、特にドラマチックななにごとかがなくとも、そうした細部に一喜一憂することで生を紡いでいるのだと云うことを改めて思い起こさせてくれる。
こうした実験的色彩の強い小説に文庫本でであえるのはそれ自体非常に幸福なことだし、しかしだからと云って小難しいことが書いてあるわけでもない。まずは、その息の長い美しい文章に触れてみることをおすすめする。