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紙の本
夢中。
2003/01/30 21:53
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投稿者:なん - この投稿者のレビュー一覧を見る
気づいたら終わっていた。
自分の知らないものがこんなにあるんだ、って
まず、紹介されているものを体験したくなった。
もちろん、枡野さんのほかの作品も。
そして雑誌の紹介など、
リアルタイムに自分が読んでいなかったことを残念に思う。
そう、そのくらい
気になる。この目で確かめたくなる。
短歌化で心に刻まれる。残る。残る。
紙の本
アナタの鳥が歌う歌
2002/03/08 01:22
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投稿者:馬場ダイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「北野武」、「村上龍」、「銀色夏生」、「南Q太」をキーワードに検索した結果、枡野浩一氏著『君の鳥は歌を歌える』が一致しました。
アナタは自分自身の自己表現の形を把握しているだろうか? 自己表現の形は人それぞれ。十人十色である。映画を用いる人。小説を用いる人。詩を用いる人。漫画を用いる人。
99年に、マガジンハウスから発行されたB6判の文庫化である『君の鳥は歌を歌える』。この中で、著者である枡野浩一氏は、各著名人により既に自己表現されている形を、短歌を用い、枡野浩一形という全く新しい形として表現している。北野武氏、村上龍氏、銀色夏生さん、南Q太さんなど、各界を代表するであろう数多くの方々の自己表現の形が学べ、もれなく、枡野浩一氏の自己表現の形もついてくる。いうなれば、自己表現の二乗が楽しめる一冊なのである。
自己表現の形? 興味はあるけど、そんなことが書いてあるのって、どうせ、難しい言葉が行儀良く整列してる本なんでしょ。そういう本はちょっと…という方にはいいかもしれない。難しくはない言葉が、57577のリズムで行儀良くも悪くも整列しているのだから。
自己表現の形が見つかっていない人は、読んだ方がいい。自己表現の形が半信半疑の人も、読んだ方がいい。自己表現の形が自信満々の人も、ついでに読んだ方がいい。アナタの鳥がどんな歌を歌っているのか? この本を片手に探してみるのも悪くないかもしれない。
紙の本
伝えたいこと、の31文字
2002/03/03 19:00
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投稿者:shia - この投稿者のレビュー一覧を見る
「作品、人物の短歌化」という試みを、素直に面白いと思った。もちろん内容も。はっきりいって普通はできない……考えもしない。「特殊歌人」らしいと思った。
作品の短歌化については、ほとんど引用と思う人もいるかもしれない。同じように見えるという人もいるかもしれない。けれど私には、枡野浩一の独自の解釈とアレンジが加わっているように思える。続きを加えたり、言い回しを変えることで別の感覚を呼び起こさせたり——。
ここで紹介されている作品を知っていれば新たな見方を発見できるし、知らなくても「読んでみよう」という気にさせてくれる。短歌を通して、教えてくれるものがあるのだ。それがある限り、決してこの試みは失敗だったということはないはずだ。
短歌集よりずっと生々しい「枡野浩一」の姿がある本だった。
紙の本
心の栄養に。
2002/02/24 13:40
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投稿者:ノムラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はイイ。各作品の話も良いけれど何が良いってその後についている歌がイイ。今まで耳にしたような歌とはなにか一味違う、惹きつけられます。無理していったような台詞でもなくて等身大というか。
これを読んで心の栄養になりました。
紙の本
三十一文字の着地
2002/03/09 23:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まるご - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとりで見た映画がすごくよかったと思った映画だったとき、なんだか淋しくなる。その見たばっかりの高揚感、今感じていること、なにがそんなによかったのかということ、それを話す相手がいないからだ。もちろん自分一人で噛み締めてもいいのだけれど、気に入れば気に入るほど、誰かに話をしたくなる。
その晩友人に電話をして、その映画の話をした。友人は普通に聞いていた。特に関心がありそうでもなく、なさそうでもなく。私はものたりなさともどかしさを感じて電話を切った。でも、その後に思った。私は友人にどんな反応をしてもらいたかったのだろう。どうしてもらえれば、私はうれしかったのだろう。それは私の感じたことに共感してもらえることだ。そのよさを理解してもらえることだ。関心をもってもらうことだ。つまるところ、私のこの映画への思いが伝わることだ。
私がしたかったことをやっていて、友人にしてもらいたかった反応を私がしてしまったのが、「君の鳥は歌を歌える」である。実際、ここで紹介されている本については何冊か読んだり、読み方も何者かもわからなかったけれど、やたら文庫本は出ている銀色夏生について理由のなかった拒否反応が消えたり、「大人計画」の芝居を強烈に見てみたくなったり、リリーフランキーという名前に立ち止まり、「おでんくん」を立ち読みすることになったりした。
要するに枡野浩一氏の術中に見事はまってしまったわけなのだが、納得してはまっているので私としても気分がよい。素直に「枡野さん、教えてくれてありがとう」という気持ちだ。そして、思いを伝えることって、その術が大事なのだということをつくづく思い知らされた。
本書はひとさまの作品を短歌化するという趣旨のものらしい。つまり、ここでの文章は短歌へつなぐ序文みたいな役割なんだろう。でも私には、文章がメインで短歌は着地のひとつのありかたみたいに思えた。だから極端に言ってしまえば、短歌はなくても枡野さんの思いは十分伝わってくるし、本書は成立すると思う。
でも、短歌化するという発想はステキだし、それに枡野浩一だからできる着地のかたちであることは間違いない。そしてこの着地は、時には普遍的な余韻を残すという効果もあった。
紙の本
さよなら、愛しき日々
2002/03/08 23:48
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投稿者:あきつよう子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「卒業アルバムみたいだ」。文庫版となったこの本を読んだとき、私はまずそう思った。
私が「君の鳥は歌を歌える」単行本を手にしてから、どれくらいたったのだろうか。私が入手した時期が遅く、まだ1年も経っていないと思う。その証拠にこの文庫版「君の鳥は歌を歌える」を開けば、初めて単行本を開いた時と変わらないユーモアと機微と、ストレートな意志に貫かれた爽快な文章が目に飛び込んでくる。
これは枡野氏が愛する漫画、映画、ステージ、本それらについて書かれた愛ある文章である(なかには取り上げた作品の事を書いているふりをして、実は読み終わったら枡野浩一のことばっかり、なんていう章もあったようなないような…)。文章もかけて短歌も書ける、枡野浩一ってなんてステキ! と感動したのも、銀色夏生を見る目が変わったのも、益田ミリの存在に興味を持ったのも、今更ながら古本屋へ「サラダ記念日」を買いに走ったのも、みんなこの本のせいだ。この本に書かれた枡野氏の愛に、私は走らされたのだ。
しかし今、単行本を経て文庫版となったこの本を手に取った時、私は突然思いもかけない感情に襲われた。それは、「過去」といったらいいのだろうか、なにか遠いそして強烈に懐かしいものを再び目にしたときのような気分だった。
この本には間違いなく、愛がある。愛するもののために書かずにはいられなかった愛がある。そして自分を信じていた枡野浩一がいる。そしてそんな枡野浩一に夢中になっていた私がいる。それらが今はなにか、「過去」と呼ぶのが相応しい思いで見つめるしかなくなっている自分に、この本を読んで改めて気付いた。単行本と文庫版で、たった一つ大きく違う点があるとしたら、この私の気持ち、それだけだ。
枡野浩一の後姿が少し遠ざかったようで、私はさみしかった。泣きそうになりながら、この本を閉じた。
今や枡野浩一はもうとっくに次へ向かって走り出している。私もまたこの本を本棚に戻し、進もう。「いつまでもこの本の愛が私に届き続けますよう」密かにそう祈りつづけよう。
紙の本
まずは短歌を読め
2002/02/27 00:34
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投稿者:ピカレスク - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品を短歌にしようという試みにまず脱帽。
やっぱり著者が好きなもの集めているだけに、その文にも取り上げるCDや本、ビデオへの愛着が感じられて好ましい。しかし、著者が取り上げたかったのは個々の作品一つ一つではなくて、それを作った人そのものだという気がする。
ただ、著者の「これが好き」の連続だから、読者は少しあきるかも。「これが嫌い」を挟めば本全体としてはメリハリがついたのでは。主に取り上げられるのが90年代のカルチャーなので、10年、20年先にも読まれる耐久力があるかどうかも疑問だ。
しかし、短歌を読むためだけでもこの本は買う価値がある、と思った。
紙の本
日々のすべてが鳥の歌
2002/03/12 10:04
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投稿者:kimirinn - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな有名人がこの本の中で自分の歌を歌っている。日常に何気なく発した言葉などが歌になる。というか歌になっているのだろう。それに気がつかず、わたしたちは日々を過ごしているのかも知れない。有名人だから言葉が歌になるのではなく、今日を普通に生きているわたしたちの言葉も歌になるのだ。たぶん。今日何気なく、あなたに、きみに話した言葉。それも歌。さっき、好きな人にささやいた言葉。それも歌。
そう考えると、わたしたちは日々歌に囲まれて生きてるのではないかなぁ? わたしも鳥の歌を歌っているのだろうか…? そんなふうに感じた本でした。