「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
コペルニクスの呼吸 1 (F×COMICS)
コペルニクスの呼吸(1)
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:2,094円(19pt)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
非日常の呼吸に昇華する魂
2008/09/02 16:46
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは堕落した一人の魂がやがて昇華されるまでを描いた救済の物語だろうか?それとも人は己でしかありえないのだという、孤独の叫びであろうか?いや、その両方か?
まだサーカスという見世物が古き時代に溶け込み、人の欲望と嘲笑と興味の視線の中で息づいていた時代。とあるサーカス団に彼トリノスは、その身体を売り魂を投げ、心も己も名前をも捨てピエロとして存在していた。
彼の過去を知るという外交官オオナギの、甘いヤサシサに逃げ込むようにサーカスを後にしたトリノスは、与えられたあたら数名と共にサーカスの無い人生へと逃避するが、その邸宅には彼の最愛にして最も怖れている過去・弟を思わせる少年が居た。何かにつけ現れる弟ミシェルの残像、過去の悲劇の残像と殺してしまった、らしい、弟の残像とに囚われ続ける彼は、ドラッグ中毒のようですらある。そして、又逃げる。かつて「己が殺した」という弟の悪夢から逃げるために。
彼が殺したのは「弟」だったのか「ミシェル」だったのか。
いや、それはきっと自分自身。そう、彼が本当に逃げてきたのは、捨ててきたのは誰でもない自分自身であり、己の本当の名前である。
過去の傷と弟から逃げ、サーカスから逃げ、愛する者から逃げ。 彼はひたすらすべてのものから遁走する。
彼は己は何者にも捕らわれていない、もう自由であると叫びながらいつだって逃げ続け、しかしその行き先には必ず弟の幻想が現れ、彼はたちまち捕らわれてしまうのだ。捨てたはずの、死に満ちた過去に。
だから、彼がようやく見つけた出口は最愛にして最も妬ましく、怯えすらした弟と、彼を鏡にしてその目に映った自分自身を殺してしまった自分を見つめなおすところから始まったのだろう。
彼に示唆を与えたのはかつて逃げ出したサーカスの団長であり、戻っていく場所はサーカスであり、蘇った彼が選んだ生の道も、サーカスである。サーカスという無限の世界への入り口で、彼はコペルニクスという非日常の呼吸に乗って羽ばたくに違いない。
彼と、彼を愛した人々と、彼の作り上げるであろうサーカスに訪れる全てのいとおしい人々に。 この美しい物語が届く。
電子書籍
耽美系
2016/02/27 18:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サーカス団から身売りされて行く男の子のお話。
主人公は特定の女の人にも好かれてる設定で、絵柄もイラスト的なので BLですがエロに俗っぽさは感じませんでした。人生の苦労に対するわだかまりの様な感情が語られていて大人向けの漫画です。
紙の本
大人の漫画
2004/10/06 13:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミシェル - この投稿者のレビュー一覧を見る
中村 明日美子のダークでありながら、美しい世界が好きです。
この漫画は トリノスというサーカスのピエロのお話です。
団長の慰みものでありながら、暗い過去をもつトリノス…
サーカスの他の面々とのかかわりや、取らされた客に買われて変っていく
トリノスの人生…。
ダークでありながら、深みがあっておもしろい。
果たして 弟のミシェルの霊にとりつかれているトリノスは
コペルニクスの星座になれるのでしょうか?
意味がわからないでしょう?
読めばわかりますよ。 とてもおもしろかったです。
電子書籍
絵巻物の様な
2021/12/25 15:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しゅんめい - この投稿者のレビュー一覧を見る
空前の明日美子先生ブームな自分、思い切って、一度挫折の本作を開いた。
で、面白いのだ!
なんなん?数ヶ月前の自分。別人か?
画面や物語、演出が芸術的なだけではなく、話の内容が面白い。絵巻物?
ピエロの扮装に隠された、美貌の元空中ブランコ乗りの悲哀。
2巻目も購入決定。
紙の本
出版社からのオススメ
2003/02/05 03:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:太田出版 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮面の下に美しき素顔を隠したピエロ・トリノス。孤高のジャグラー・レオ。少年買いの外交官・オオナギ。トリノスに惹かれてゆく青年・ミシェル……70年代パリのサーカスを舞台に、そこに集う人々の生き様を官能的タッチで描き出す、エロティック・ストーリー。