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商品説明
変化に富み複雑な状況から発生する環境問題。社会科学は何をそこから問題化し、調査し、意思決定の材料を提供してゆくか。現場の問題にこだわりつつも、それを超えた大きな視野から問題解決を試みる人々のためのテキスト。【「TRC MARC」の商品解説】
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著者/著名人のレビュー
環境学とは何だろう...
ジュンク堂
環境学とは何だろうか? 環境学は何を目指すのだろうか? 私たちなりの「環境学」の輪郭を定める上で拠り所としたのは、自然環境の「ハード」面ではなく、それを認識し、そこに働きかける人間的な「ソフト」の面である。たとえば、自然環境をめぐって人は何を争い、なぜ協力するのか、そして調査をする人は「問題」にどうかかわるのか。自然科学的な知見さえ社会的な文脈の規定を免れるわけにはいかない。……対象と距離をとり、種々の方法を場面に応じて組み合わせ、読み解いてゆくこと。問題解決型の研究につきまとうこの難問に対処する技術は、しかし個人の裁量に依存する。この「裁量」の中身を分解し、「技法」として目に見える形で再構成してみようというのが、環境学の確立にむけて私たちがとった最初の一歩である。(本書序文より)
複雑な環境問題に社会科学はいかに切り込み、意思決定の材料を提供できるか。現場の問題にこだわりつつ、大きな視野から問題解決を試みる人のための本格的なテキスト。
出版ダイジェスト:2004年11月
テーマ『地球は警鐘を鳴らしている/環境の過去・現在・未来を考える』より
紙の本
社会学の立場から環境学研究の意味・技法を整理
2002/06/02 19:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:関 智子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は主に「社会学の立場から、環境学の定義、目的、モデル化、データの評価、フィールド研究などに切り込んだもの」だそうです。全体の構成は「問題を設定する」、「状況を解釈し、一般化する」、「データを集め、判断する」という3部構成になっており、この流れの中で社会学の立場から環境を研究する場合に、とりうる研究の手法を整理しています。
研究手法の整理を行った本として、同じ東京大学出版会の本で以前『知の技法』という本が大ヒットしましたが、タイトルからいっても、この本はその環境学版という意図があると思います。
なお第1章 石弘之さんによる「環境学は何を目指すか」では、流動的な状況を示す「環境」という言葉のあいまいさを認識した上で、「環境とは何か」「環境学が対象にする環境とは」についての定義を試みています。
このうち、環境学が対象とする環境の範囲については「自然に関わる状況」と「社会文化に関わる状況」と規定。一般にこれらの状況が人為的要因により、一定条件以上の悪質な方向への変化をきたした場合に、環境問題として認識されると整理しています。なお、環境の変化を「環境問題」にする条件としては(1)状況悪化・汚染のスピード、(2)状況悪化・汚染の規模、(3)変化にさらされた人々の価値観、(4)環境情報の伝達状況の4つがあげられています。
また「環境」という概念を「自然」「公害」「エコロジー」「グリーン」など、同義語的に使用されることがある関連用語も含め、そのなりたちから整理しています。
環境ということばのなりたち、起源については、私も短い文章にしたことがあり、その際にいろいろな方から教育学や哲学の論文の中で取り上げられている例を教えていただいたのですが、同じテーマであっても対象となる学問ジャンルが違う論文だと、結構まちまちだたりしました。今回の本の説明は、その中でももっとも詳細に調べたものだと思います。「環境」ということばを見ることがない日はないくらいですが、こういう基礎的なことをきちんとやった取り組みは意外となかったので、貴重です。
紙の本
臨床学としての環境研究を支える(編集者コメント)
2002/04/20 21:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
【担当編集者から一言】
無残に破壊された自然、その傍らで苦しむ人びと——目の前の「これ」をなんとかしたい、という気持ちから環境学は始まります。環境学をそうした人間を含んだ“臨床学”だとすれば、どんなハウ・ツーも、つねに、たとえば「自分は何のためにこの聞き取り調査をするのか」「統計をとるのか」、はては「そもそもこの研究はこの人たち・この自然にとって何の意味があるのか」と自問されてきます。『環境学の技法』は、こうしたハウ・ツーを後ろから支える、いわば環境研究の“感覚(センス)”または“身のこなし”について、一線の環境学者が胸襟をひらいて正面から説き起こします。これから環境学を学びたい人も、またすでに環境学研究者として活躍している人にも、読み応えある本に仕上がりました。
【主要目次】
I 問題を設定する
1章 環境学は何をめざすのか:環境研究の新たな枠組みの構築(石 弘之)
2章 「問題」を切り取る視点:環境問題とフレーミングの政治学(佐藤 仁)
II 状況を解釈し、一般化する
3章 個別現象限りの知見に終わらせない工夫:事例研究という方法の再検討(永
田淳嗣)
4章 環境評価と新しい経済学モデルの方向性(R・ノーガード)
III データを集め、判断する
5章 データの十分性と意思決定判断(松原 望)
6章 越境するフィールド研究の可能性(井上 真)
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