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紙の本
あったかくて繊細で希望にあふれた物語
2005/03/16 13:55
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:土曜日の子供 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙飛行士になるため宇宙学校に通う主人公あすみは、才能もあるし性格もいい。ヤル気も根性もある。でもそれを鼻にかけない。ちょっと心がきれい過ぎて、あまりにもいい子だナって感じるときもあるけど。身長が低く、そのことでイヤな思いもする。でも、もし彼女が容姿端麗でスキのないキャラだったら、読むほうも彼女と同じ目線で、喜んだり悲しんだりできないだろう。
だれもが何かしら心の中にキズを持っていて、そこに触れられたら壊れてしまいそうな脆さを抱えている。後悔してもやり直せない修復不可能な現実。特に、言いたいことを伝えられずに、すれ違ったまま死に別れた人に対する想いは心の中から消え去ることなく、ときにフラッシュバックして人を苦しめる。この物語の登場人物もそういった思いを胸に秘めつつ生きている。それでもファンタジーの要素を含むこの物語だからこそ描ける救いと癒しの場面は、読む人の心を温かくしてくれる。現実の世界からごく自然にファンタジーの世界に入っていけるのは、私たちの中にも「今は亡きあの人にもう一度あって、言えなかったことを伝えたい」という気持があるからなのかもしれない。
宇宙飛行士になるために次々と課される厳しい訓練。訓練そのものが能力の限界まで試されるようなシビアなものであるが、そっち方面に縁のない者にとっては、ユニークだったり珍しかったり、笑えるようなひとコマもあって面白い。
「宇宙飛行士になる」という共通の夢を縦糸に、あっちこっちでシンクロしながら徐々に結びつきを強めていく人間関係を横糸に、これからもドラマは続いていく。
読んだあとは見上げる夜空がいつもより輝いてみえるかもしれない。
紙の本
そして少女は宇宙を目指す
2012/01/23 21:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、週刊少年ジャンプで「ST&RS-スターズ-」という、宇宙飛行士を目指す少年ものが始まり、その第一印象がこの作品に似ているな、というものだったので、読んでみた。
日本の有人宇宙飛行計画は、有人ロケット・獅子号の市街地への落下という事故により、著しい遅れを被ることとなった。それから14年、獅子号事故で母親を失った鴨川あすみは、宇宙飛行士を目指して宇宙学校を受験する。それは、幼少の頃からの夢であり、約束。
しかし入学には高額の入学金が必要で、事情により日雇の様な仕事をしているあすみの父には簡単に出せる額ではない。彼女が諦めようとした時…。
そして宇宙学校の入学試験。それは筆記や面接だけでなく、閉鎖環境における適応試験まで含めた実践的なもの。近江圭、宇喜多万里香と同室で試験を受けることになったものの、初めてあったもの同士でなかなか呼吸が合わない。ついにそれが破綻しようとした時…。
ちょっとファンタジーっぽいところもありつつ、真剣に宇宙を目指す少女の物語です。