- カテゴリ:一般
- 発行年月:2002.5
- 出版社: 慶応義塾大学出版会
- サイズ:21cm/335,6p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7664-0912-4
紙の本
デザイン言語 感覚と論理を結ぶ思考法
デジタル化された環境の中で、デザインは身体性をいかに回復するべきか? 建築・生態心理学・音楽・舞台芸術・脳科学・グラフィックデザイン・写真等、第一線で活躍する論客が、デザ...
デザイン言語 感覚と論理を結ぶ思考法
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商品説明
デジタル化された環境の中で、デザインは身体性をいかに回復するべきか? 建築・生態心理学・音楽・舞台芸術・脳科学・グラフィックデザイン・写真等、第一線で活躍する論客が、デザインの新たな方法を問う。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
なぜいまデザインか | 奥出直人 著 | 7-18 |
---|---|---|
デザイン言語を導入する | 後藤武 著 | 19-28 |
建築を社会へ投げ出す | 隈研吾 著 | 33-56 |
著者紹介
奥出 直人
- 略歴
- 〈奥出〉1954年生まれ。慶応義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
〈後藤〉1965年生まれ。慶応義塾大学環境情報学部専任講師。後藤武建築設計事務所設立。
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出版社からの内容紹介
2002/05/16 17:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
デザイン言語とは
「デザイン言語」とは、イメージや空間を操作し創造していくためのツールであり、感覚と論理の双方の能力が要求され、両者を統括していくものです。「デザイン」という言葉で我々が連想する美的情緒的な意識と、「言語」という言葉で連想する論理的なメカニズムの両方を総合的に考えるというアプローチを「デザイン言語」と名づけています。本書ではデザインを、モノの形を生み出し、色を決め、我々がそれを利用する活動を、我々が日常使っている言葉と同じようなコミュニケーション・ツールと捉えています。そこで、重要なのは上手に絵を描くことというよりは、むしろその絵が成立する過程で経た思考のプロセスなのであり、その思考の密度がデザインを決定するという認識と思考の実践なのです。
身体性を回復するためのデザイン
「デザイン言語」はまた、身体性と知性との間の失われてしまった鎖を再構成する試みでもあります。デザインとは本来、人間が与えられた環境の中で身体性を介在させてパターンを生み出していく活動です。パターンを生み出すために、人間を含む生物は、実は論理的な操作を身体を介在させて行っています。デザイン言語は、自らの身体のあり方に自覚的になるように促しながら、知覚とメディアとの関係を考察することで、デジタル情報環境の中での身体性の回復を試みようとするものでもあるのです。
超一流の執筆陣
本書では、グラフィックデザイナーの他に、当代一流の建築家、思想家、芸術家をも、作り手としての「デ
ザイナー」と位置づけ、その独自のデザインプロセスを開示していただきながら、デザイン思考の足跡をたどっています。また、生態心理学の佐々木正人氏、脳科学の茂木健一郎氏、表象文化論、哲学の東浩紀氏がそれぞれの領域で展開されている思考は、身体と知覚と思考の関係性を大きく再編成するものであり、身体性の中から生み出されるデザイン思考と強く共振するものと捉えています。むしろデザイン以外の領域の思考を出会わせることによって、デザインを再定義することができるのではないかとも考えています。コンピュータサイエンスでは問題視されない人間自身の持っているパターン生成能力の不思議をまず知ること。そのための手段として、佐々木氏の「アフォーダンス」や茂木氏の「クオリア」といった視点を導入しています。デザインとは特殊な技芸の世界ではなく、それぞれのジャンルのマテリアルとツールを用いて問題発見と問題解決を行っていく一連のプロセスなのだから、そのプロセスはデザインに限らず応用可能だと捉えています。
3つの領域
「デザイン言語」はまた、大きく3つの領域に分けられます。これはデザインの技法によるのではなく、現代デザインのフィールドを基礎づけている基盤によってデザイン領域を再領域化しようとする意図に基づいています。「空間と環境の系」では、三次元空間の構想力や、環境を分析し読解していくための基本的な能力の育成を目指します。二次元の表象に還元しえない空間の感覚、三次元を直接知覚し、操作することを学びます。「身体と知覚の系」では、自らの身体のあり方に自覚的になるように促しながら、知覚とメディアとの関係を考察します。「平面とヴィジュアルの系」では、色彩や文字表現などの基本的な表現言語を習得しながら二次元平面上での表現の可能性を追求しています。
編者略歴
奥出直人、1954年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学専攻修士課程を修了後、ジョージ・ワシントン大学博士課程修了。現在、慶應義塾大学環境情報学部教授。
後藤武、1965年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科表象文化論修士課程修了後、同大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。現在、慶應義塾大学環境情報学部専任講師(有期)。