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商品説明
誰かの「心のひかり」を、光源にして世界をみること。やがて、それが、わたくしの、もののひかりになるまでに、…… 瞬きから持続へ、新しい扉の向こうへ、誰も聴いたことのない、なつかしい声を探しにゆこう。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
吉増 剛造
- 略歴
- 〈吉増剛造〉1939年東京生まれ。慶応義塾大学国文科卒業。在学中から旺盛な詩作活動を展開。以後先鋭的な現代詩人として内外で活躍。詩集に「出発」「黄金詩篇」「オシリス、石ノ神」「螺旋歌」など。
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紙の本
吉増“ごっこ”
2002/07/27 22:58
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投稿者:明石家ペコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて60年代にはどろどろと疾走する詩風から「現代詩の鬼っ子」と称されたこともある吉増剛造十六冊目の詩集。
特筆されるべきは、詩人自らの実体験をまるで引用するかのように紡いでいくオケイジョナル・ポエムの手法に今回新たな次元を切り開いた割注の存在だろう。紙面に神出〈鬼〉没する声の分身(The Other Voice)はまるで星の裂け目を渡り歩く木霊のようである。
ところで、現代詩の文脈でもまた喪われた「物語」へのアプローチが展開されているが、吉増個人が詩行に屹立するとき、一回性の「個」としての歴史が易々と体系に消費されることはない。だが一方で、詩人吉増は躊躇なくその身を削りすぎるために常に窮地の状態にあるようにも思われる。飯島耕一は昨今の吉増の詩を「やさしすぎる」と評しているが、いま吉増自身は寧ろ〈鬼〉の弁慶ではあるまいか。
この“ぎりぎり”の鬼はなおも詩を追いかけずにいられないのだ。