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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.7
  • 出版社: 河出書房新社
  • サイズ:21cm/162p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-309-72822-7
コミック

紙の本

ネコカッパ (九竜コミックス)

著者 逆柱 いみり (著)

ネコカッパ (九竜コミックス)

税込 2,200 20pt

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みんなのレビュー1件

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紙の本

とても見たかった悪夢

2003/03/04 15:53

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投稿者:毛布犬 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 たとえば、私はある種類の風に吹かれると、いてもたってもいられない腹立たしいほど切ない気持ちに陥ることがある。が、しかしその風がどんなものか、言葉で表現するのは不可能に近い。風の強さ、向き、匂いや湿度、それらがないまぜになって、ひとつの独特な空気の流れを作っているからだ。だから、その風についてあえて他人に何か言えるとしたら「あ、今、ヤなのが吹いた…」などとモゴモゴつぶやき、目を細めていることぐらいが関の山。こういうことは、一人でかみしめ、耐えたり味わったりするべきものらしいのである。
 前置きが長くなったが、逆柱いみり作品とはそんな「風」である。その良さや楽しさを伝えることがとにかく難しい。しかし難しくはあるが、私にとって逆柱は安心の優良ブランド、いつでも買って納得読んで興奮、絶対失望させられない作家のひとりである。はっきり言えるのは、彼のマンガ、尽きない面白さの台風なのだ。
 作風は、強いて言えば東南アジアあたりを旅行した後の武田百合子と深沢七郎がキャッキャッ言いながら原作を作り、つげ義春と水木しげるが下絵と所々ペン入れをし、その様子を滝田ゆうがふらりと覗きに来たかと思えば、山野一と蛭子能収が落語を聞きながらかなりの部分を書き足し、根本敬も手伝い、その全体をねこぢるがくわえ煙草で眺めている、だろうか。
 要するに平凡な口当たりのよさではないけれど、普遍的なこくが備わっている。まずは手にとって、その世界に入り、ネコカッパとともに歩き出してほしい。ほら、今までに嗅いだことのない臭いがまずしてきて、初めて遭う妙な風が首のあたりにぶつかって来る。
 彼が舞台に使うのは、汚い工場や荒れ果てた都市、寂れすぎて誰の視界にも入らないようないじけた村。どこにでもあり、誰もが悪い夢の中で一度は見た風景、一度は歩んだ道ばかりだ。一般的には好意を持たれないし、大概の人間があえて語りたいとも思わない所ばかりを選んでいる。それらを決して美化することなく、建物やそこに住まう妄想も含め、できるぼーっとありのままに写しとっていく。自然、画面は全ページかなり細密で黒く暗く、けっして普通の意味で美しくはない。
 そしてそこにいるどこかあっけらかんと世を捨てた人々や動物、死んだように不毛な仕事をする肉体労働者達がたんたんと描かれ、語られる。先導者のネコカッパは彼らの嘗めた辛酸や、なんだか全てがどうでもよくなるくらい突飛な出来事の遠く近くを歩きつつ、いつもひょうひょうとしているのんきな傍観者だ。すっとぼけていていい加減、ちょっと賢くほとんどずるく、欲深いくせにイノセント。悪夢のガイドにふさわしいお人柄と言えよう。
 読者は彼とともに、じっくりと描き出される、心地よくグロテスクで鄙びた風景を子細に眺められる。ベトナムの片田舎、上海の裏通り、日本海側の過疎地域、あるいは寺山修司の見せ物小屋…いや、そのどこでもない、もっと身近な地獄の光景だ。自分の心の中にもよく似ている。見ているうちに、ツーリスト達の眼や心はみるみる活き活きし「そうそう、これを見たかったんだよ、待っていたんだ…うわ、気持ちえー…」ため息すら漏れ出す。ふと気づいた時には既に逆柱中毒者の一員となっているのだ。
 というわけで、まずは手にとって頂きたい。ただ本書は今までの作品を分かりやすくまとめ、ぐつぐつ煮詰めたすぎたエッセンスの感もある。5つ星の面白さは確かなのだが、本書のみでこの作家の魅力は語りきれない。入手困難ではあるが以前発表された単行本や「ガロ」バックナンバーをお勧めしたい。そこにも、忘れられない佳品が多いのだ。

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