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紙の本
愛することの歓喜と可笑しみに溢れた一冊
2003/03/13 12:19
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一九二〇年、「R.U.R.」という戯曲で初めてロボットという言葉を創ったことでも有名な、チェコの大人気作家、カレル・チャペック。彼自身も相当の園芸マニアで、この「園芸家十二ヶ月」は、実感情溢れる珠玉の園芸家(主に街暮らしの)リポートなのです。もちろん、笑いどころ満載。何かを一途に愛している人をつい笑ってしまうのは人間の習性ですが、それにしても園芸家たちの情熱ときたら! 寒さに凍えてる木を見れば自分の衣服を脱いででも着せてやりたいと思うし、種まきをするなら完璧な土を揃えてやらなきゃ! と、黒魔術もビックリの土作りを開始。木炭・黄色い砂・清潔なエルベ川の砂(その支流のモルダウ河の砂は不可)・ピート(泥炭)、その中に大理石の粉末を入れなきゃならない? それから「三年たった牛の糞」、できたてのもぐら塚を一つまみ、首吊りをした処女の墓の土…などなど、あれこれ混ぜて、それから三年間(!)太陽であたためた水の中にこの霊験あらたな土をいれて、それからそれから……と、まったく付き合ってられません。この情熱の前に大抵の人は、クスクス笑いが止まらないはず。
冬の後には必ず春が来る。本当に? 本当に来るのか? 「うん、来るんだよ」と誰よりもそれを信じて言ってくれる園芸家。「それに冬だって悪くないんだよ」。
そうして本の中の十二ヶ月で自分の庭を上の空でちょこまか歩き回ったり、泥をほじり反したり、恵みの雨に接吻したりしながら、移り変わる季節のほんの小さな兆しを、彼らは惜しみなくあなたに届けてくれるのです。笑ったりしてごめんね。
紙の本
あたたかなユーモアに満ちた、ちょっぴりシニカルでおかしいエッセイ。
2002/03/11 10:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Lady - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ダーシェンカ』で有名な著者による、園芸をネタにした、楽しいエッセイです。「長い長いお医者さんの話」を読んでいるようで、おとなが楽しく読める童話、という感じです。実際にガーデニングで苦労している人なら、「そうそう!」とうなずく点もたくさんあるでしょうが、まったく園芸に手をそめたことのない人でも、読んでいて「そうそう!」とうなずいてしまいます。これは絶対に、電車の中で読んではいけません。ページをめくるたびに、吹き出しそうになるので、笑っている変な人、と思われます。
紙の本
20世紀のチェコの作家で、無類の園芸好きのチャペック氏による興味深い一冊です!
2020/07/20 11:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、20世紀の初頭に活躍されたチェコの作家であり、劇作家でもあり、ジャーナリストでもあったカレル・チャペック氏の作品です。同書は、48歳という若さで亡くなりますが、生前は無類の園芸家だったようです。彼は、人びとの心まで耕して、緑の木々を茂らせ、花々を咲かせたと言われる人物です。同氏の絶妙のユーモアは、園芸に興味のない人を園芸マニアにお陥らせ、園芸マニアをますます重症にしてしまうとも言われます。同書の構成を一部挙げると、「庭をつくるには」、「園芸家になるには」、「1月の園芸家」、「種」、「2月の園芸家」、「花つくりのコツ」、「3月の園芸家」、「芽」、「4月の園芸家」、「労働の日」、「5月の園芸家」、「恵みの雨」、「6月の園芸家」、「野菜つくり」、「7月の園芸家」、「植物学の一章」、「8月の園芸家」...と続いていきます。とっても興味深い一冊です!
紙の本
ユーモラスな表紙の雰囲気そのまま
2003/11/14 20:19
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:emiemi - この投稿者のレビュー一覧を見る
妙なタイトルだな〜と思って手にとると、表紙にいる人物の姿に苦笑。
背中をまるめて土のうえにしゃがみこんでいる。無心に土いじりをしているぞ。
園芸にそれほど興味がなくても園芸家の12か月とはどんなものか興味がわいてくる。
庭木がズボンや靴下をかぶっている絵はなんとも不思議。
これは1月の園芸家のページにある絵だ。
天候に左右され、心も乱れる様子が語られている。「頭をかきむしって気をもむ」「胸もつぶれる思い」とあり、「天候に一ぱいくわせて、変わらせる手はいろいろある」などなど。
もちろん土づくりには熱心。
そして庭をながめる余裕さえないほど園芸家は忙しいのだ。1月からはじまって順に12月までくると、やっとのんびりするのだろうか。いや、園芸カタログの存在がそうさせはしない。
紙の本
園芸は土が命!
2002/02/28 14:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kp - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり重症な園芸家であると思われる、作者チャペックと庭の1年を月ごとに描いている本です。いとうせいこう氏はこの本に触発されて「ボタニカルライフ」を書かれたとか。
園芸をやっている人なら何度も膝を打って大笑いや苦笑いする事間違いなしです。とはいえ、園芸と無縁の方が読んで、「園芸家ってこんな人ばっかりなのか」と誤解をされないよう、祈るばかり。まあ、8割方合っているとも言えるのですが…。
ここに登場する園芸家は、土にまみれ、ホースの水と格闘し、風に飛び出し、太陽に見守られ、園芸カタログに肩まで浸かってジタバタしているのです。
さて、読み進んでいくと、最近のガーデニングブーム以降に人気の出た沢山の品種が70年も前に書かれた本に登場して来ます。当時はまだデルフェニウムなんて日本には入っていなかったでしょう。翻訳者の苦労も垣間見る事が出来ますね。