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人の砂漠 改版(新潮文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.4 32件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.9
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/524p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-123501-5
文庫

紙の本

人の砂漠 改版 (新潮文庫)

著者 沢木 耕太郎 (著)

人の砂漠 改版 (新潮文庫)

税込 825 7pt

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みんなのレビュー32件

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評価内訳

紙の本

普通の人々の、普通の毎日の中の、ごく小さなざわめきから、その人の人生の全体を掬い取る。

2012/01/04 17:44

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アヴォカド - この投稿者のレビュー一覧を見る

それは、ワカモノが身一つで旅をする、現地の人や風土に飛び込んで、よくしてもらったり熱を出したり時には騙されたりしながら何かを(時には自分自身とやらを?)発見していく、「深夜特急」で有名になるずっと前。
大学を出たばかりの、まだほとんど何者でもない沢木耕太郎が見つめていたのは、”普通の”人々だった。

かなり初期の作品集。8本収録。
当時はまだノンフィクションという言い方よりも、ルポ、ルポルタージュという言い方のほうがメジャーであり、それを書く人はルポライターと呼ばれるのが一般的だった。
本多勝一さんらが牽引していたかと思うが、その多くは新聞記者やその出身者で、記事を書く取材方法や恐らく人脈や手法で書かれた、記事よりもっと深く突っ込んだ長いもの、という認識だった。政治やスポーツ、世界各地の風土や情勢、有名人など、どちらかというと変わったもの、ダイナミックなものに題材を求めているものが多かったように思う。

それらに比べると、”普通の”人々のいかにも小粒な人生は、それまで、あまり光が当てられることがなかったのではないか。
名もなき人々の、普通の毎日の中の小さなざわめきは、少なくとも、初めてこれを読んだ私には新鮮だった。

小さなざわめき、小さな切れ端から、その人の人生の全体を掬い取ることにかけて、沢木耕太郎はほかに類を見ない巧さだったし、先駆者だったとも思う。
どの切れ端を選ぶか、が、彼の嗅覚の特異さであり、それを元にどうアプローチし何を浮き彫りにしていくのかが、彼ならではの独特の手腕だった。

そうやって彼に掬い取られた時、なんでもない普通の人生は、鮮やかな光と影を得て、物語として立ち上がってくるのだった。

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2005/01/14 19:29

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