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アイオーン
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.7 11件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.10
  • 出版社: 早川書房
  • サイズ:19cm/389p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-15-208449-9

紙の本

アイオーン (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

著者 高野 史緒 (著)

高度な科学文明を有したローマ帝国没落後の13世紀暗黒時代。そこは人間の魂は生涯に積んだ功徳によってのみ天に召されるという信仰が支配していた…。異形の中世を舞台に、信仰と科...

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アイオーン (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

2,052(税込)

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商品説明

高度な科学文明を有したローマ帝国没落後の13世紀暗黒時代。そこは人間の魂は生涯に積んだ功徳によってのみ天に召されるという信仰が支配していた…。異形の中世を舞台に、信仰と科学の狭間に世界の真実を求める者達を描く。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

高野 史緒

略歴
〈高野史緒〉1966年茨城県生まれ。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。95年、日本ファンタジーノベル大賞最終候補作「ムジカ・マキーナ」で作家デビュー。著書に「架空の王国」など。

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みんなのレビュー11件

みんなの評価3.7

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (4件)
  • 星 3 (4件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

知的興味を慰めてくれる

2005/09/27 18:11

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本作は、高野史緒さんの、中世を舞台にしたSFです。
 設定がすごく知的好奇心をくすぐるというか、
高野さんは、頭が良いと、いうか、
面白く、よくできていて、
中世の欧州が一応舞台なのですが、
その前のローマ帝国期に、ローマ帝国は、人工衛星を
打つあげたりするぐらい、科学技術が発達していて、
そのローマ帝国が、核戦争で滅んでいて、
欧州では、科学技術が、少し戻っていると、いう設定、
で教会は、科学技術の発達に、
一応反対の立場になっていると、なっています。
歴史好きは、にたーっと、してしまう舞台設定です。
実際、セントラル・ヒーティングまで、実用化していたローマ人たち
中世で、科学技術が、戻ったと、いっても間違いではありません。
 でも、最近は、中世暗黒時代と、いう評価に
疑問を呈する論説もかなり出てきて、
動力を水力(川に水車を、置く)に求めた、
技術体系のフォーマットだったとか、
建築家は、経験論とは、言え、円周に対する直径の比率をしっていたとか、
いわゆる、√(ルート)ですが、
正方形の対角線の長さまで、体系化された、計算法では、ありませんが、
求めていたと、言われています。
現代人が思うほど、昔の人はアホでは、ないと、いうことです。
(暴走しましたが、これでも、私は、世界史好きなので、、、、)
閑話休題
で、一応、その舞台設定を利用した、連作SF短編集と、なっています。
 カタリ派などが、出てきますが、
まったくどうゆう宗派とか、よく知りません。
最後の短編だったかに、人造の巨人が、出てきます。
これも、高野さんに言わせると、
虫から作った人造人間と、言うアイデアは、
ギリシアのお話しに、あったそうで、
これも、それぐらい昔の人でも空想しますよ、
てことかもしれません。
 歴史好きで、知的好奇心を、求めている方むきのSFです。

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紙の本

人は大きな力に抗いながらその卑小さを嘆き、そして無力であることを知った時にその力を最大限に発揮する

2002/10/28 18:15

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:喜多哲士 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 中世ヨーロッパ。十字軍の度重なる遠征により、ローマ教皇の権威は衰え、各国の国王が力をつけていった時代。そして、暗黒から夜明けへ向かう直前の時代。本書はそんな時代を舞台にした歴史小説として物語が始まる。しかし、その物語が進むにつれ、読者はその世界が自分たちの知っているそれとは微妙に違うことに気がつく。遥か東方では、極限に進んだ文明が遺伝子操作や核兵器により自滅していっているらしいことが明らかになってくる。そのことに気がついた時には、読者は既にこの世界にとらわれてしまっているのだ。この手並みこそ、作者ならではの言葉の魔法なのである。
 ローマから派遣された主人公たちが到達したコンスタンティノープルは、高度な科学に守られ、ある秘密を秘匿する都である。主人公の一人はそこにとどまり、その秘密を知ろうとする。もう一人はイスラームのオアシスに赴き、歪んだ科学の結果生じた女性だけの世界に迷いこむ。やがて、心を持たない人造人間たちが東方より出現し、彼らの世界に破壊をもたらそうとする。それを食い止めるのが主人公たちと、その娘たちである。
 アーサー王伝説、マルコ・ポーロの『東方見聞録』、教皇のバビロン捕囚。様々な歴史のエピソードがパズルさながらにちりばめられ、それらは作者の描き出す並行世界に深く関わり、大きな意味を持っていく。
 本書に登場する口さがないローマの聖職者たちの無責任なお喋りは、現代のインターネットの匿名掲示板で繰り広げられる狂躁的な情報の垂れ流しと同じものであり、退廃した社会での人々の閉息感の現れである。
 そういった閉息感を打破するのに必要なものは何なのか。得体のしれない魔法的な〈科学〉に対して、それを慫慂と受け入れることなのか。それともその正体を見極めることなのか。正しい解答は、ない。
 作者は、舞台背景について説明はしない。混乱の後に来るものについても、はっきりとした結末は与えない。それはあたかも読み手の力量を試すかのようである。
 人は大きな力に抗いながら、その卑小さを嘆き、そして無力であることを知った時にその力を最大限に発揮する。本書で作者が示唆するのは、そういった人間の持つ限界と可能性なのである。 (bk1ブックナビゲーター:喜多哲士/書評家・教員)

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紙の本

ファビアン導師一代記

2003/11/29 19:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 連作短編ということもあり、正直序盤は取っつきづらいというか、作品世界を了解するまでに結構時間がかかったり。「SFマガジン」はここ数年購読してないんで、先行して発表された幾つかの作品についても未読の状態で、作品についての予備知識がまったくない状態で読み始めたのは、果たしていい方向に作用したのか、悪い方向に作用したのか。舞台となる13世紀前後のヨーロッパについての知識もほとんどないし、「歴史変革物」といってもいったいどこがどう変革してあるやら? といった態で、最初のエピソードでファビアンが信仰と科学(というか、自分の中の好奇心)の狭間で葛藤するくだりあたりで、ようやくノリが掴めた感じです。
 その後は、まあ、すいすい。
 特に後半は、アーサー王伝説やらマルコポーロやら徐福やらが年代を無視して登場して、いきなり沸いて出てきた「巨人」とかと世界存亡を賭けて戦うという有様で、やや思弁的な前半部分に比較すると、よくいえばエンタメの方向に、悪く云えばチープなB級テイストがかなり混入する。この辺は、読む人によってかなり好みの別れるところでしょうけど、わたし的には後半のドライブ感は、かなり好きです。
 惜しいな、と、思うのは、ファビアンと同等かそれ以上の比重を持って描かれてもいいはずのアルフォンスが、いつのまにやら「背景」のほうにいっちゃって、あまり詳しく書かれなかった点。このアルフォンスの性格と設定なら、いっそのこと主役にして、この世界を舞台にしたもうひとつ物語、「アルフォンスの年代記」ともいうべき物語が書かれてもいいと思う。このまま終わるのは非常にもったいないキャラだと思います。

酩酊亭亭主

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紙の本

中世の歴史素材を贅沢に取り入れた、壮大な改変暦物語

2002/11/25 06:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Okawa@風の十二方位 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「何故? その疑問を封じられた暗黒の中世。人々は全てを神の意思として見て、信仰とともに生きていた。
 では何故、月は満ち欠け、惑星は巡り行くのか。そして、古代の遺物が埋まる巨大な穴<深み(プロフンドウム)>は何故できたのか? 人々は何故、物質の悪意によって身体に異常を持って苦しみ往くのか? 医師の弟子として科学を志したファビアンは信仰では、満たされない世界の謎に惹きつけられて止まなかった。
 そんな彼に世界の真の姿がもたらされる。アルフォンスという名の遍歴の青年は、この世界がかつての古代文明の廃墟であることを告げる。かつてこの地には、夜を昼とし、空を翔る船が行き交った古代ローマの帝国が存在したという話を… 信仰と科学、二つに惹きつけられながら、謎を求めるファビアン。ヨーロッパからオリエントたるコンスタンティノポリスへと広がる彼の旅が、今始まる」。

 西方ヨーロッパから、オリエント、そして中央アジアへと、13世紀の歴史素材がふんだんに取り込まれた壮大な改変歴史世界。明らかにされる謎がさらに新たな謎を呼ぶスリリングな展開。歴史ファンにもファンタシーファンにもお勧めの連作短編の一作がJコレクションに加わりました!
 相変わらず高野さんらしい凝ったストーリーですので、ネタバレを恐れて最初の短編だけご紹介。

「エクス・オペレ・オペラート」
 映画版「薔薇の名前」をイメージさせる、この作品世界への素晴らしいイントロダクションです!
 中世の暗き世界の中にばら撒かれたかつての知の断片。それらは、世界に問い続け、知を求める者にとっては、ダイヤモンドのようなきらめきを感じたはず。そんな中世の修道会の舞台設定に、核戦争まで起こした古代文明というカードが、一際光る謎として埋め込まれている。言ってしまえば超古代文明というキッチェな設定を、舞台の中に自然に見せる高野さんの筆捌きに感嘆しました。
 世界を問い続けるファビアンというキャラが、アルフォンスというメフィストフェレスに出会い、旅立ちを決意する。独立した作品としても、ロマンに満ちた作品だと思います。

 そしてファビアンが全ての旅を終えた時、訪れる美しいラストシーンにあなたは何を思うでしょう。

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紙の本

著者コメント

2002/12/08 18:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:高野 史緒 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 三年半ほどの間、SFマガジンに連載した連作短編に、最終章等を加えて完結とした作品です。そもそもは、もう十年ほど前、中世の南フランスの異端カタリ派が正統信仰だったら、というちょっとした思いつきで書いた短編が端緒でした。当時すでにもっと遠くまで行く物語だと分かってはいましたが、近年になってようやく書くことができました。
 自分の日常とは遠い世界だからこそ際立つテーマ、一人の作者がゼロから作り上げたファンタジー世界ではなく、実際の歴史を土台にするという制約があるからこそ映える物語……そういうものがあると考えています。連載中のSFMを読まれた方も、そうでない方も、ファビアンの生涯をかけた長い旅の行く方を見守って下されば幸いです。

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2016/12/25 10:33

投稿元:ブクログ

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2007/08/17 02:31

投稿元:ブクログ

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2008/11/10 00:02

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2010/01/17 04:14

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2011/04/12 14:09

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2015/02/09 21:18

投稿元:ブクログ

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