- カテゴリ:一般
- 発行年月:2002.10
- 出版社: 森北出版
- サイズ:22cm/201p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-627-01961-0
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紙の本
数学七つの未解決問題 あなたも100万ドルにチャレンジしよう!
著者 一松 信 (ほか共著)
クレイ数学研究所が100万ドルの懸賞金スポンサーとなった数学の未解決問題7題は解けるか?【「TRC MARC」の商品解説】
数学七つの未解決問題 あなたも100万ドルにチャレンジしよう!
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著者紹介
一松 信
- 略歴
- 〈一松信〉1926年東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。京都大学名誉教授。東京電機大学客員教授。著書に「解析学序説」「数学とコンピュータ」ほか。
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紙の本
数学マニアなら必読、一攫千金を狙う向きもどうぞ
2002/11/18 12:15
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松浦晋也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数学というと「頭がいたくなる」人が多い一方で、「実は結構好きでして」という人も決して少なくはない。全国各地の神社に奉納された算額を見ても分かるように、昔から日本人はけっこう数学が好きだった。
本書は、そんな数学マニアたちにお薦めの一冊である。クレイ数学研究所は2000年5月に、「これらの問題を解決した者にそれぞれ100万ドルを進呈する」として7つの難問を提示した。それらの問題を解説した本だ。100万ドルですよ。今の為替レートなら1億2000万円だ。数学で一攫千金なんて、なかなか素晴らしいと思いませんか。
20世紀初頭に数学者ヒルベルトが提示した諸問題とその解決の歴史を見てもわかるように、数学は「未解決の難問提示」と「その解決」というプロセスを繰り返してきた。クレイ数学研究所の7問題は、まさに20世紀の数学史でヒルベルトの問題が果たした役割を、21世紀においても再現しようというものといえる。
だから選ばれた7問題は、なかなかどうして半端なものではない。リーマン予想、ポアンカレ予想のような数世紀越しの難問から、P≠NP問題、バーチ・スウィンナートン・ダイアー予想のように20世紀に入ってから浮かび上がった難問、ヤン-ミルズ方程式の質量ギャップ問題のように宇宙論の進展から引き出された問題、さらにはナビエ・ストークス方程式の解の存在問題やホッジ予想のように古くから知られていたが最近重要度が増してきた問題と、非常に多彩で難解だ。しかし、本書では一切手抜きのない解説がなされているので、あなたが数学マニアを自認するならば、本書を読み進むことでそれぞれの問題の核心を理解することが可能なはずだ。
正直、どれも解ければフィールズ賞ものの難問である。だからといってあきらめるのは早いだろう。100万ドルという金額が微妙に我々の欲望をくすぐるではないか。数学マニアなら必読、もちろん「頭が痛くなっても100万ドルが欲しい」向きもどうぞ。
(松浦晋也/ノンフィクション・ライター)
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