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超「戦争論」 上
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超「戦争論」 上

著者 吉本 隆明 (著),田近 伸和 (聞き手)

イスラム原理主義たちのテロ的な奇襲は、太平洋戦争期の日本人の戦闘行為の模倣であり、これに対するアメリカの報復攻撃も、太平洋戦争期のやり方と少しも変わらなかった…。9・11...

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超「戦争論」 上

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商品説明

イスラム原理主義たちのテロ的な奇襲は、太平洋戦争期の日本人の戦闘行為の模倣であり、これに対するアメリカの報復攻撃も、太平洋戦争期のやり方と少しも変わらなかった…。9・11以後の言論と一線を画す超・戦争論。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

吉本 隆明

略歴
〈吉本〉1924年東京生まれ。著書に「固有時との対話」「共同幻想論」「心的現象論序説」などがある。

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みんなのレビュー4件

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評価内訳

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戦争自体がダメであるという思想

2002/11/06 00:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 戦争もテロも悪である。マットウな事を言い続けるには強靱な精神が必要である。だが、そうした事を考える上でも、自分の考えを「開いておく」事を忘れない。かような自己相対化は『老いの流儀』(NHK)を淡々と気負いなく書ける吉本の流儀である。それが、『老いてこそ人生』と堂々と書いてしまう石原慎太郎と違うところである。浅田彰、田中康夫が『憂国呆談』で吉本隆明を呆けたおっさん扱いをしているが、そんなことはない。私にとって吉本は知の羅針盤として大切な敬すべき人である。この本を読んで益々その感を深くした。下巻で吉本は〔田中康夫のような進歩主義者の欠点は「自己相対化」ができないことだ〕として、小項目を設けている。「自分は必ずしも正しくないかもしれないぞ」というふうに考えて、自分を相対化する視点が欲しいと諭す。田中の政治行動は一応、評価しているのだが。

 民族国家、国民国家も永久不変のものではない。右も左も知識人達は世界を空間の枠内で論じている。時系列の段階(アフリカ的段階、アジア的段階、西欧的段階)という観点を導入して世界共通の普遍性を押さえた上で、世界解釈をしなければ、アメリカの近代主義的迷妄とイスラム原理主義の迷妄が噛み合わず、ぶっつかり合うだけである。吉本は言う。「僕は世界の構図をつくるためには、空間的な視点と時間的な視点、その両方の視点が必要だと考えています。つまり、空間軸と時間軸との二重性でもって、世界を捉えるということです。空間的に見れば、アメリカ、ヨーロッパ、中近東、東アジア、アフリカなどの諸国はみな、それぞれの地域性、地域的特色があって、差異は色々あります。でも歴史という時間軸に沿って、「段階」という観点から見ると、差異だけでなく、共通点も見えてくるんですよ」。
 例えば、アフリカ的段階の目線でこれらの地域を見渡せば、いくらでも共通点はある。姿勢を低くすれば、イスラム文明であれ、キリスト文明であれ、根っこのところで会話は成り立つ。

 彼の「人間の『存在の倫理』」というキーワードも「この世に存在したことからおのずと派生する『生』」を倫理として捉える低い視線なのだ。生を世界共通の普遍事項とするなら、【戦争自体はダメである】は当然であろう。その思想を明確にした上で憲法を政治を外交を考えるべきであろう。そこのところが揺らぐから、様々の誤解と迷妄を生むのだ。
 
 この本は小林よしのり等を批判する戦争論だけではない。田中真紀子を評価し、「構造改革」は第三次産業を中心に行わなければならないとか、「デフレはよくない」というのは古い経済理論に基づいているからだとか、吉本独自の消費者を主体にした超資本主義から経済も語る。そして、〔日本の現在の不況は「日本経済が破綻する」ほど深刻なものではない〕と述べる。超資本主義の段階に入ったということは、消費者である国民の方が政府よりも潜在的には大きな力を持ち、消費を通じて政権を転覆出来るんですよ。の言を信じようと思う。確かに21世紀には地球規模での「贈与経済」を考えることが大事なのかもしれない。どんどん、発展してどこもかしこも、第三次産業化すれば、困ってしまうもんなぁ…。

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どうしてこんな本をありがたがるのか?

2002/11/08 21:20

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

吉本隆明なる人物がいまだに一部でありがたがられて
いることに嫌悪感を通り越して吐き気を催す。
どうだろう、このレッテル張りのオンパレードは?
石原慎太郎はアメリカ的国家感にかぶれているし、
小林ヨシノリは国家というものを過大評価していて
日高義樹は反リベラリズムで舛添要一は丸山学派
くずれだそうだ。いくら読んでもこいつが何を根拠に
誰のどの主張をどう論破しているのかさっぱり分か
らない。分からないがゆえに、正直に分かりませんと
いえないが故に「吉本隆明は素晴らしい」と賞賛する
手合いは、経済発展に失敗したが故に、約束した
ユートピア建設に失敗したが故に、目の前にある
惨憺たる経済を指差して「これがユートピアだ」と
強弁した旧ソビエト連邦の政治指導者、北朝鮮を
「地上の楽園」と賞賛してやまなかった日本の
マルクス主義者でもとちっとも変わらない。
吉本の本をこれ見よがしに読むやつは、要するに
人から「あなたは頭が良い人ねえ」と言ってもらい
たいだけの、寂しい奴らなんだということがこの
内容空疎な本を読むと痛いほど分かる。まあ
他人から評価されたくても評価されない連中が
手に取るお守りみたいな本ですな。そういう人は
是非お買い求め下さい。読む必要はありません。

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日本の特攻なら、乗客は降ろしていた

2002/11/12 22:15

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:守屋淳 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まず最初にお断り。本書において、吉本隆明氏が「戦争」に的を絞った思想を語っている部分は恐らく全体の四分の一以下しかありません。題名につられて、精緻な戦争論なんかを期待しながら読むと、唖然とする程の肩透かしをくらってビックリします。
 では何が書いてあるのか。まず吉本隆明氏による、テロ事件以降の政治や国際情勢を中心とした時評。そして自分の過去の思想語り。さらに9・11やその後のアメリカの動きに触発されて発言した論客——小林よしのり、石原慎太郎、日高義樹、枡添要一、福田和也などを斬りまくる得意のケンカ節などなど、なのです。
 その意味で本書は、吉本版戦争がらみの時事漫談や、インタビュー形式の故にわかりやすい吉本思想&思考法入門本、さらに時事批評のそこかしこから漏れる戦争体験を元にした鋭い片言隻句を楽しむ本としてなら推奨できる一冊となっています。
 例えば、アメリカ同時多発テロに触発されて、戦争や世界の動きを語った部分。吉本氏は、非常に面白い視点でこのテロを評価します。
《今回のテロ事件で、誰が考えても「悪」である、どこから見ても「悪」だといえる点は、先にも述べましたが、テロリストたちが旅客機の乗客たちを降ろさずに、そのまま乗客たちを道連れにしたってことだけです》
 そして、吉本氏はこう指摘するのです。《日本の特攻隊だったら、旅客機の乗客たちを降ろして、それから突っ込むだろうと思うんです》
 テロ後、特に欧米のマスコミでは安易にテロリストと特攻隊との親近性が語られましたが、吉本氏は戦争を経験した世代ならではの視点でそれを否定してみせます。この、「戦争を経験した世代」の強みをフルに活用して、吉本氏は他の論客にも刃を振るいます。
《僕なんかの戦中派からいわせれば、福田和也(ルビ:ふくだかずや)が「生命よりも大事なことがある。それを見据えて生きるのが大人だ」というふうなことをハッキリといい切るというのは、経験が未熟だからだと思います。
 自分の生命がもうなくなるかもしれないという状態にまで追い詰められたとか、あるいは、それに近い状態にまで追い詰められたとか、そういう経験が一度でもあると、そういうふうにいい切ることは大変むずかしくなります》
 戦争を頭で弄ぶことしか知らない世代にとってはかなり耳の痛い言葉です。他にも、
《今だって、いかにもマスコミ受けするような、明るくて建設的なことをいっている政治家とか知識人とかが、一杯います。でも、そんなやつらは、一番ダメで、そんなやつらこそ、一番危ないんです。いざとなったら、真っ先に、「戦争をやれっ、やれっ」っていうのは、そんなやつらに決まっています》
 など、まさに吉本節のオンパレード。氏はまだまだ健在のようです。

*ただし、残念ながら中で触れられる中国古典の知識はかなりいい加減です。例えば、(中国では)《聖人とか、「偉い人」というのは、修行したからそうなったのではなく、「偉い人は、おのずと偉い人なんだ」っていうふうに考えるんです》(P184)とありますが、『論語』や朱子学、陽明学の本を読めばいかに正反対のことが書かれていることか……。また《行くものはかくの如きか》という『論語』の引用(P185)は「逝くもの」の間違い。さらに、これを《単なる自然描写じゃないか》と反語的に記していますが、《如きか》つまり「〜のようだ」と比喩に使っているのは元々明白です。編集者の問題もあるのでしょうが……。 (守屋淳/著述・翻訳業)

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2007/10/23 01:57

投稿元:ブクログ

最後のほう読むの辞めてしまったー
誰かがサボって、それを暗黙の了解とするような事が是のようにいっていたかと思いますが私はちょっと疑問でした。。
でも、吉本さんの本はもっと読みたいと思いました