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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2002.11
- 出版社: 角川書店
- サイズ:20cm/289,8p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-04-791429-0
紙の本
オルフェウス・プロセス 指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント
著者 ハーヴェイ・セイフター (著),ピーター・エコノミー (著),鈴木 主税 (訳)
世界で唯一、指揮者のいないオーケストラとして知られるオルフェウス室内管弦楽団。その質の高い演奏の秘訣は独特の意思決定手法にある。世界中の企業が注目する「オルフェウス・プロ...
オルフェウス・プロセス 指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント
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商品説明
世界で唯一、指揮者のいないオーケストラとして知られるオルフェウス室内管弦楽団。その質の高い演奏の秘訣は独特の意思決定手法にある。世界中の企業が注目する「オルフェウス・プロセス」を解き明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ハーヴェイ・セイフター
- 略歴
- 〈セイフター〉元オルフェウス室内管弦楽団エグゼクティヴ・ディレクター。ハーヴェイ・セイフター・アソシエイツ代表。
〈エコノミー〉『リーダー・トゥ・リーダー』誌編集者、ライター。
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紙の本
リーダーがいない、とお悩みのあなたに——。
2003/01/13 23:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aguni - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカ、カーネギーホールの幕が上がる。奥に打楽器の演奏家たちがいる。管楽器のスタッフも揃っている。手前にはバイオリンが見える。そして観客の拍手が終わり、演奏が始まる。しかし驚くべきことに、そこには指揮者の姿が見えない。しかしその演奏は創造的で刺激的。演奏家たちも指揮者の独裁から逃れ、生き生きとした音を奏でている——。
この本は世界で唯一、指揮者の存在しないオーケストラ、オルフェウス室内管弦楽団のチームワークとリーダーシップの秘密に迫った画期的な書籍である。
考えてみると、組織やチームというものは、人が一人ではできないことを実現するために集まったものである。しかしそこできっちりとしたヒエラルキーが生じるとき、人の能力は最小限の形でしか発揮されなくなる。「やらされる仕事」が恒常化してしまうのだ。このとき一人一人の生産性というのは極端に低くなってしまう。また、こういうときに目標を見せて人を奮い立たせることのできる強烈なリーダーが求められることも多い。しかし、それは唯一の正解ではない。リーダーシップの実現は、絶対的なリーダーの存在なしでも可能である。
そのお話のような答えを現実のものにし、目の当たりにしてくれるのがこの本でオルフェウス・プロセスと呼ばれる方法である。この本に書かれているオルフェウスの8つの原則は以下の通りである。
1.その仕事をしている人に権限をもたせる
2.自己責任を負わせる
3.役割を明確にする
4.リーダーシップを固定させない
5.平等なチームワークを育てる
6.話の聞き方を学び、話し方を学ぶ
7.コンセンサスを形成する
8.職務へのひたむきな献身
口で言うのは簡単で、しかもそれぞれの項目にはいくつもの落とし穴がある。それが書かれているのがこの本の親切で実用的なところだ。オルフェウス・プロセスを実践している企業としてこの本に出てくるのは、リッツ・カールトン、インテル、J・P・モルガン、モルガン・スタンレー。いずれも現場スタッフがサービスや製品を最高の水準にしている企業群である。
さて、あなたの会社の仕事は創造的で、楽しく行われているだろうか? できていなければこの本と、オルフェウス室内管弦楽団の音楽がオススメだ。あなたの組織が生き生きとした音を奏でるために——。
紙の本
一般的組織とはギャップがあるが、多くの教訓も
2003/06/03 03:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Awesome - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、帯についているドラッカーの言葉の引用が難である。
本文を読むとわかるが、ドラッカーの指摘する「オーケストラ」とは、まったく異なる世界が展開されているのだ。なぜ、出版者がこの部分を抜き出したのか理解に苦しむ。
さて、本書は革新的な組織形態のモデルケースとして「指揮者のいないオーケストラ」を取り上げたものであるが、一般的な企業には参考になる部分とギャップがありすぎる部分があるように思う。
・ギャップがありすぎる部分。
組織の全員が卓越したスペシャリストである。この事を前提として全てが成り立っている。
一般的な企業・組織では、かなり難しいプロセスだと思われる。
特殊な環境であると遠ざけないように、類似するプロセスを辿る企業の事例を数多く紹介しているが、
「類似する一面もある」というのが現実だろう。
・参考になる部分
とはいえ、この事例から得られる教訓は重要だ。
従業員に主体性(オーナーシップ)を持たせる事でモチベーションを維持し、迅速で柔軟な対応を促す事は、これまでも多くの成功企業で語られている事だ。
トップを置かない。もしくは輪番制にするというように形に表すことで、このエンパワーメントの姿勢を強烈に浸透させる事ができるのであろう。
読み進めながら、自らの所属する組織の問題点を一つ一つ再認識させられた本だ。
しかし、このオルフェウス室内管弦楽団は、どこで見ても、「指揮者のいないオーケストラ」と語られている。現代音楽にも果敢に取り組む一方で、この「指揮者がいない」というアピールも一つのマーケティングなのだと勘繰りつつ、感心する次第である。
紙の本
買ってもよい
2003/02/20 00:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:評判の本の評判 - この投稿者のレビュー一覧を見る
◆経営コンサルタントらが,指揮者の居ないオーケストラにおけるリーダーシップのありかたを,企業経営に応用する方法を紹介した本。
◆中小企業の経営者,総務人事の責任者にお勧め。
◆指揮者が居ないということは,言い換えれば,メンバーの誰でもが,状況に応じて適切なリーダーシップを発揮し得るということである。このような集団は,企業にとっても最高の人材である。
◆従業員が高度な「知識労働者」になればなるほど,従来のアメとムチ的な人の動かし方は非能率的かつ従業員の能力の発揮を阻害するものになる。これを解決する一つの考え方が,本書に言うマルチ・リーダーシップ・マネジメントであろう。
◆メルマガ「評判の本の評判」はこちらです。
紙の本
当然である
2003/02/24 10:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みゆの父 - この投稿者のレビュー一覧を見る
固定されたリーダーのいないオーケストラの話を通じて、全員が意思決定に参加する組織のあり方のメリットを説く本。たしかに、誰かに命令されるよりは、自分の意見を述べる場があったほうがやりやすいだろう。たしかに、意思決定に参加することはメンバーのモチベーションを高めることに役立つことが多いだろう。でも、それは当然のことであって、わざわざオーケストラの話にひっかけて説くほどのものか?
それから、こういう本を読むと「そーだ、そーだ、意思決定への参加が大切なんだ」になるかもしれないけど、「オーケストラは特別な技能を持った、しかもほとんど同じ質のメンバーからなる、特殊な組織だ」ってことを忘れちゃいけない。性格の違う組織に応用できるかっていうと、ちょいとなあ。
ついでに、意思決定に参加する権利は責任を伴う。この本を読んでもっとも印象深かったのは、このオーケストラのメンバーに課せられた責任の重さと、それを果たそうとする努力のすごさ。世の中、そんなに甘くないのだ。