「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:1,131円(10pt)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
6歳の幼稚園児が、本格的な事件に挑む!
2003/01/07 15:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:毛少子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
二階堂黎人の「ボクちゃん探偵」シリーズは、ミステリの世界では有名な作品だ。幼稚園児・渋柿信介が難事件を解決する、いわゆる本格ミステリの異色作であり、傑作であるだけではない。その物語が、ハードボイルドの文体で書かれていて、渋柿信介は大人の男の口調で、男の哀愁を語るのである。そのギャップに笑いながらも、大いに感心させられてしまう。
そういう、凝った作品だけに、コミック化は難しいだろうと思われたのだが、自らも推理作家協会の会員であるマンガ家・河内実加は、巧みなテクニックで、このシリーズをコミックにしてみせた。それだけではない。原作の数が足りないこともあって、原作者の了承のもと、オリジナル・ストーリーのエピソードまで描き上げてしまったのだ。
この本には、その両方が収められているが、まったくといっていいほど違和感がない。みごとに、原作を消化している。本には入っていないが、オリジナル・ストーリーの「消えた裁縫道具」は、本格ミステリ作家クラブが選ぶ年刊アンソロジー「本格ミステリ02」(講談社)にも選ばれたほどだ。とても質の高いミステリなのである。
もし、ミステリファンでなくても、信介のかわいらしさと活躍は、充分に楽しめるだろう。原作も読んで欲しいが、このコミックだけでも、独立した作品として、楽しく読むことができる。ミステリであると同時に、コミックである。その難しさをクリアした、傑作である。