このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ただの「萌え」ブームとは違って
2003/02/06 19:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:毛少子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「妹萌え」というブームがあるそうだ。自分にとって都合のいい妹が慕ってくれる、男本位の夢想、妄想が、今、一つのジャンルになっているらしい。
この本も、妹との微妙な感情を描いているということでは、そのジャンルにはいるのかもしれない。だが、そこには、自分勝手な夢だけではない、一歩踏み込んだものが描かれている。冴えない主人公が、突然現われた妹に、つい女を感じてしまい、ぎくしゃくする様子や、妹の無邪気さに悩むところは、男の煩悩をリアルに描き出している。そして妹のほうも、男から見て都合のいい存在ではなく、生きた、自立した女として、生身の体と心とが感じられる。
だからそこには、衝突や、ぎくしゃくした関係が当然のように生まれる。そして、それだけに、これから先、この二人がどうなるのか、目が離せなくなってしまう。
人と人とは、互いに、相手の都合に合わせて生きているわけではない。それがリアルに描かれているのが、この本を、ただの「萌え」ブームに乗った作品からは、一段高いところに押し上げている理由だ。
リアルで微妙な感情を捉えた作品として、ぜひお勧めしたい。