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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.5 25件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.12
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/197p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-457201-2

紙の本

世界の果ての庭 ショート・ストーリーズ

著者 西崎 憲 (著)

【日本ファンタジーノベル大賞(第14回)】イギリスの庭園と、江戸の辻斬りと、脱走兵と、若くなる病気にかかった母と、大人の恋と、謎の言葉…。奇想天外で悪辣で美しい物語。幻想...

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世界の果ての庭 ショート・ストーリーズ

税込 1,430 13pt

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商品説明

【日本ファンタジーノベル大賞(第14回)】イギリスの庭園と、江戸の辻斬りと、脱走兵と、若くなる病気にかかった母と、大人の恋と、謎の言葉…。奇想天外で悪辣で美しい物語。幻想怪奇小説の翻訳で知られる著者が創作デビュー。日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

リコとスマイス 7-12
寒い夏 13-14
不思議な詞 15-19

著者紹介

西崎 憲

略歴
〈西崎憲〉1955年青森県生まれ。音楽制作と翻訳に携わる。訳書に「郵便局と蛇」「英国短篇小説の愉しみ」など。

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みんなのレビュー25件

みんなの評価3.5

評価内訳

紙の本

なんで「物語」には「結末」がなくてはならないのだろう?

2004/10/11 22:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 読了してしばらく時間を置いた今では、たぶん、本書は「時間」と「空間」について語った物語なのだろう、と、推測する事も可能なわけだけど、読んだばかりの時は「なんなんだろう、これは」という嬉しさを内包した軽い驚きを覚えたものでした。
 英国式の庭園を偏愛する作家リコの一人語りから開幕した物語は、院生時代、教授と深い関係になって英国に留学したりするリコの回想、パーティでであった近世日本文学研究者のアメリカ人・スマイスとの関係、スマイスの研究対象でもある幕末期の文人、御杖がスマイスの祖父の手紙の中に書いた暗号じみた文章の謎、儀仗の小説「辻斬り」の抜粋か粗筋らしい文章、どうやらリコの祖父でもあるらしい、旧陸軍脱走兵が体験する奇妙な死語の世界の放浪記、リコの回想なのか創作なのか、「何年も前に家を出て、帰還してきた母が若返っていく」という物語、などが断章として配置され、展開していく。ページの最初から読み進めていくと、分岐していく複数の物語を平行して追いかけていく形になる。そして、一旦分岐したそれぞれのエピソードは、必ずしも合流はせず、それぞれに分岐したまま、それぞれそれなりの「結末」を迎える。
 一見無秩序で「ゆるい繋がり」しかもたないように思わるそれぞれのエピソード群も、端正で揺るぎのない文章もあってか共通した印象を受けたわけで、なんでそう思ったのか読後しばらく頭の隅に引っかかっていたわけですが、「時間」と「空間」、というキーワードを思いついた途端、個人的に、なんとなく腑に落ちました。公的でも私的でもない「庭」という「空間」を散策することを好むリコ、おおよそ「無限大」といっていい、人工的な死後の世界をさまよう脱走兵、現代のエピソードとリコの過去の回想、それに近世の文人の事跡や小説が等分に比重を置いて語られる構成、なにより、「どんどん若返っていく母」という、「時間を遡る」設定などを考慮すると、やはり、「時間」や「空間」的な制約を緩め、読者に横断的に視点を与えようとしている著者の意図を感じないわけにはいかないわけで、それはちょうと、庭園を散策する際、時間帯が異なれば、光線の加減が違って、同じ庭でも別の顔を見せるような感じで、そういう意味では、本書自体が、それなりに複雑な隘路を縦横に走らせた「庭園」で「読者」という散策者を待っている、ということもいえるかと。
 その意味では、「日本ファンタジーノベル大賞」投稿時のタイトル、「ショート・ストーリーズ」よりは、「世界の果ての庭」という現在のタイトルのほうが、作品の本質を突いているように思いますです。

酩酊亭亭主

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紙の本

世界の果てにある全ての始まり

2004/06/14 22:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岑城聡美 - この投稿者のレビュー一覧を見る

庭園をこよなく愛する作家リコと、日本文学を研究するアメリカ人スマイスの出会い。冒頭部分を読んだ時には至って普通の小説であるかのように思えた。が、二人の関係を描く傍ら、両者のバックグラウンドに関連する些末な事柄から幾つもの物語が派生し始めると、途端に状況は一変する。並行する物語の切れ端が短い章の形で次から次へと現れ、読む方は目の回るような感覚に襲われるのだ。だが無論、物語の断片は無思慮にまき散らされているわけではない。幾つもの章と章の間に張り巡らされた関係性の糸。それを見いだそうと読み進むうちに、いつしか夢中になっていた。

分割された一つ一つのモチーフもそれぞれに魅力的だ。リコの祖父と思われる脱走兵が繰り広げる、無限の塔(?)の中の探検談は、果てのない広大な、しかし出口もない空間に閉じこめられて生命の危機にさらされるという暗いシチュエーションの中で、時折ちらつく脱出という希望への光が鮮やかなコントラストで描かれる。また、リコの描く「寒い夏」と題される小説。若返ってゆく母、自分を棄てた母への、少女の複雑な思いが浮かび上がり、情景描写も瑞々しい。極めつけはリコがこよなく愛する様々な庭の描写とその美しさだ。

しかしそれ以上に魅力的なのは、やはり各章の関係性の糸を探る謎解きのような作業かもしれない。32章、庭についてのリコの「個人の意識というものを切り取る枠」と言う見解と、43章に現れる御杖の「いれひも」は相似の考えに見えるし、同じく御杖の「影の詞」と44章におけるリコの「光という影と、影という光で造った庭」にもどこか相通じるものを感じる。影と言えば、このモチーフは至る所に現れていて、小説「人斬り」の中では辻斬りに取り憑いたり、脱走兵の物語では人間を食する化け物として描かれたり、と、まさにこの作品中においては変幻自在である。こうした関係性は、探せば枚挙に暇がないだろう。

中でももっとも興味を引かれるのは、「通過者(パッセンジャー)」というキーワードである。18章「庭の意味」においてリコは、庭は公的な場でもなく私的な場でもなく、いわば人を決定不可能な存在にするものであり、そのとき人は通過者となるのだ、と述べる。鑑みるに、この物語の主たる登場人物には、誰にも「通過者」としての役割が与えられているのではないか。塔の階から階を巡って旅する脱走兵しかり、娘の前に突然現れ見る見る若返ってゆく母しかり。実在の人物であるところの御杖もまた、後には流浪の人生を送ったようである。

物語の終盤、スマイスは長年とりくんできた謎を解き明かし、脱走兵は未知の世界へと脱出し、「寒い夏」の娘は憎みまた愛した母を失って、誰もが新たな旅への予感を強くする。
「謎がある限り人は生きていけるだろう」「わたしは老いるだろう(中略)でも、わたしは強い」リコのその台詞が、美しい終章を導き出す。非常に爽やかな読後感を感じながら、本を閉じた。

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紙の本

知ってるんだ、このカバーを描いている上田さん。結構、銀座界隈の画廊さんで作品を見かけるらしい。夫に言わせると、ちょっと骨を思わせる肌合いが独特だって、そういうならこの小説だって

2003/08/31 21:43

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

銀座の画廊街を歩くのが好きだ。私が、ではない。夫が、だ。週末になると、嬉しそうに出かけていく。夜の銀座を徘徊するよりは健康だとは思うけれど、どこかに女でも出来たのでは、と思わないわけでもない。そんな夫が、この本のカバーを見ながら、「僕、この人の画、見たことある、と言い出した。うーむ、さりげなくアリバイを主張するところが怪しい。

で、その装画は上田勇一、銀座の日動画廊に大きな作品が掛かっていたという。鉛筆で描かれたのかと思われるような、硬質で繊細な、レースというよりはどこか骨を思わせる不思議な白の輝きが、気になる、と夫はいう。そうね、でも私はよっぽど話の中身のほうが気にかかる。

「私が小学校6年の時、駆け落ちをした母が、6年ぶりに帰ってきた。若返るという奇妙な病気にかかって」というちょっと不思議なファンタジー。西崎は1955年生れ、音楽製作と翻訳を職業という。この作品は第14回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。原題は『ショート・ストーリーズ』。全55章だけれど、1頁から、長くても10頁くらいの章からなる変わった作りの長編。

語り手である私は、31歳のとき作家になった。小学校6年のとき、母親が夫と子供を捨てて北海道に駆け落ちをした。父は、妻の居所がわかっているのに、何故か動こうとしなかった。その母は、私が高校二年の時、奇病に罹って戻ってきた。彼女の病気は、どんどん若返っていくというものだった。医者に見せても、若くなっていく以外は何の異常も無い母親。

その私は、パーティでスマイスという白人から声をかけられる。彼は、アメリカ人で、日本近世文学の研究者で、江戸時代の漢学者で哲学者の皆川淇園、国語学の研究者の富士谷成章、日本的精神と言霊や神道に関する富士谷御杖親子に興味を抱いている。現在は日本の大学で比較文学を教えていて、彼の大叔父は、渋谷緑童という明治の作家の知り合いで、緑童が大叔父に送った手紙の謎に挑んでいるという。

話は緑童の小説『人斬り』や、江戸時代の小普請組。私とスマイスとの関係の発展や、自分と以前から付き合いのある先生とのセックス、終戦の時ビルマの収容所から脱走した祖父と、英国旅行で出会った庭園、母の若くなる原因不明の病い、男が紛れ込んだ不思議な重層都市の光景など、小説のボリュームに比して、扱う世界は複雑多岐にわたる。

それにしても、不思議な構成だ。短い章は1頁で、終ってしまう。それが次の章に、単純に結びつくことはない。視点だけでなく、時間も、設定も様々に変化する。決して、一度組み上がった小説をバラバラに分解して、コラージュしたような、わざとらしさを感じさせることはない。

暖かみのある、緩やかな文体。日が差すような明るさ、仄かな性の匂い。オリジナルのタイトル『ショート・ストーリーズ』がカバーに書いてあることから、勝手にファンタジー短編集だと思っていた。最初の数編を読んだ時も、各話とも話が少しも完結せず、それでいて共通の人物が見えてこないこともあって、首を傾げた。それが、何編か読んでいるうちに、それが原題にとらわれた私の勘違いだったことに気付く。

「若返っていく母」という設定に、思わずダン・シモンズ『ハイペリオン』を思い出す。向こうは、言葉の限りを尽くし、濃密で時と空間を越えた世界を作り上げた傑作。こちらは短い章の、何も書かれていないところから、朧気な世界が浮かびあがるおはなし。しかし、世界の大きさに遜色はない。手放しで傑作とはいいたくない。大体、タイトルがぴんとこない。確かに庭は出てくるけれど、それはこの小説の中心に位置しない。この作品、もう暫くこのまま保留にしておいて、いつか再読して評価してみたい気がする。

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紙の本

いまだ見たことのない物語(=世界の果ての庭)を求める私たち読者は、確かに「家」から「外」へと向かうパッセンジャー(通過者)。日本ファンタジーノベル大賞。

2003/08/16 15:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 作者の西崎氏が編訳された『ヴァージニア・ウルフ短篇集』は、ウルフの詩的な表現の才能を再認識させられる美しい1冊で、ミルチャ・エリアーデの小説と同様「幻想」や「幻視」についていろいろ考えさせられた。「『意識の流れ』はしばしば『幻想』と見分けがつかなくなることもある」と、西崎氏はある短篇の解説に書き添えている。
 幻想と幻視は異なる。目の前の幻を確認するのが「幻視」であるが、「幻想」は見るものでなく頭のなかの働きだ。回想や連想、想像といった人間の思念の働き、つまり客観的な分析や論理の構築とは異なる「意識の流れ」は、常に「あることないこと」という幻想味を帯びている。
 さらに、ウルフの文学的評価の解説を行う上で「審美主義者」と分類されることに西崎氏は疑問を呈す。それへの解答が、小説『世界の果ての庭』なのではないかと私は思っている(だから、今しばらく作品に直接関係のないことを書く。本の内容紹介はご本人がきっちりされていることだし)。
——けれども、審美主義者であるにしてはあまりに構築性に欠けてはいないだろうか。審美主義者の持つ完全さ(死?)への憧憬の匂いが欠けてはいないだろうか。あまりに断片的ではなかろうか。(ちくま文庫『ヴァージニア・ウルフ短篇集』解説219Pより)
 いや、美というものは端正で様式的なものばかりではなく、乱雑さや混乱、崩壊のなかにも宿るだろう。たとえば庭の落柿を片付けて掃除するより、放擲しておいて烏や虫がたかるままにしておいた方が美しいのだという感性もある。それを捉えて描こうとしたウルフこそが真の審美主義者なのだと言うことも可能だ。

 ウルフよりは「構築性」に意識的ではあるけれども、きれいさっぱり掃除して片付けるように計算ずくの構成を完遂させていないのが、この小説の妙味であり洒脱だと思えた。そこにあった落柿の痕跡をわずかに留め置いたように…。
 リコという30代後半の熟れた日本人女性作家と、近世日本の国学や歌学を専門とするアメリカ人研究者の出会いに始まり、計55章もの散文的な短いストーリーで全体が成り立っている。
 リコとスマイスは徐々に親しくなっていく。ふたりの共通の興味として、スマイスの縁者が残した文言の謎が横たわっている。ふたりの進展を中心に、いくつかの物語が並列進行していく。別の男性と出奔して戻ってきたものの年が若くなっていく病気にかかってしまった母。ビルマに出兵し、捕らわれた収容所から脱走して不思議な空間に辿りついた祖父。江戸時代、本所深川に出没した辻斬り。
 そのような物語をくるんでいくかのように「庭」を中心として空間について考察する章があったり、隠喩や暗喩、詞の構成などといった言葉について言及された章がある。さらに「影」という概念に絡めとられていくものが複数出てくる。

 リコがもっと屈折した女性で危なく妖しげ、でも切ない感じをたたえているとどうだったろうと思わなくもないが、わずか5行の終章。リコの思念で終わるそこは狂気をはらんでいてはいけない。何を美と感じた上で幻想を抱くのか、クールに著者の疑問を代弁できる女性でなければいけなかったのだと納得した。
 再び作り出される庭があるなら、また通り過ぎてみたい気がする。

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紙の本

玄人好み?分からん。

2007/01/06 15:11

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

分からん。何故これがファンタジーノベル大賞を受賞したのか。4つぐらいの話が平行して細切れに進行していく。それぞれの話が何なのか、よく分からない。それぞれの話の関連性が分からない。それぞれの話はSFなのか、ファンタジーなのか、分からない。それぞれの話は各々独立して、中長編のSFとなりそうだが。こういうのが玄人好みの小説というものなのだろうか。分からん。

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紙の本

ミニチュア・ガーデン

2003/01/28 17:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:砂版魚 - この投稿者のレビュー一覧を見る

確かにアッと言わされます。
リコとスマイスの物語から始まり、リコの留学と研究主題であるイングリッシュガーデンの話とスマイスの先祖の話から始まる皆川成慶とその一族の話が分岐する。同時に若くなる病を得た母の話、辻斬りの話が平行して語られる。それぞれは決して均等に語られるわけでなく、また連続して語られることもない。一度分岐した物語は、関係があるような関係がないような宙吊りにされたような不思議な関係におかれ、しかして決して交わることもない。そこには宇宙的秩序を思わせるイングリッシュガーデンのような、まさしく世界の果ての庭が…。
むべなるかな悪辣さ。

それでも、私の読後の印象は幾何学庭園でした…。

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紙の本

このビミョーさはクセになる。

2004/11/04 17:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和泉智 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み終えて、困った。
これまで数々の「ビミョー」な作品を世に送り出してきた日本ファンタジー大賞の大賞受賞作である。覚悟して読み始めたのだが、文章の巧みさと、同時進行する複数の物語のそれぞれの面白さに惹かれて一気に読み通し、そしてエンディングにいたって、困惑した。
なんなのだ、これは。
未完のようでもあり、完結のようでもあり。
謎が解かれたようでもあり、さらに大きな謎が投げ出されただけのようでもあり。
続きを待てばいいのか、このまま記憶の奥底にしまいこんでしまっていいのか、バカヤローとちゃぶ台をひっくり返すべきなのか、悩む。
やはり日本ファンタジー大賞だった。じつに、「ビミョー」な作品だ。

それでも不思議と、読後感は悪くない。
これはこれでいいか、という気にもなる。作者の技巧がたいしたものであるのは確かだし、その技巧にまんまと嵌められたという感もなきにしもあらず、だが、今度ばかりは騙されてやるのも悪くはない、という気分にさせてくれる。少なくとも、時間を無駄にしたという気はしなかった。

評価が低いのは、小説は感動がなければ価値はない、という私のポリシーからは外れる作品であるからだ。無論、それはそれで計算の上ではあるのだが。

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紙の本

理解し難い一冊。だけど…

2007/03/13 01:12

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書についての私の最初の感想が、ちょっと不安でもあったので他の書評を拝読させていただいた。やはり、皆、私と同様に「なんだ、これは?」という感想を抱いている。そして、それが本書の狙いなのではないかと思う。完結する物語はいくらでも存在するが、こうして未完のように完結し、完結しているようで、新たな謎を投げかけている本はあまり見ないように思う。正直、こういう本を手にしたのは、初めてのことなので多少困惑した。
 まず、本書はいくつかのストーリーが同時に進行し、展開される。個人的に気になっていたのは、脱走兵の話だ。結果的には脱走しなかった戦友たちが帰国出来、脱走に成功した兵士は帰国出来なかった。では、彼はどこに居るのだろうか?彼は脱走後、巨大な駅?のような場所に着くが、そこがなんとも謎だらけの場所だ。いくら読み進めても、その実体は結局つかめない。そもそも、断続的でにやってくる列車はどこからやってきて、どこに向かうのか?トンネル内の恐怖、追ってくる影の恐怖…。まるで捕らわれの身である。どこにも逃げられない、逃げる気すらくじかれる、妙な場所である。このストーリーの終わりも、なんだか新たな謎である。
 次に印象的だったのは、若くなる病気にかかった母親の話である。病院の精密検査の結果は何ともないけれど、どんどん若くなっていく母。娘は最初はつっけんどんに接するが、いつしか深刻に心配し始める。母親が、自分を生んだ年齢に達し、だけど退行は止まらない。人間の成長を、巻き戻したようなストーリーである。
 読了後、思ったことは本書を理解することは、とても難しいということだ。専門知識が豊富な人には、嬉しい一冊かもしれないけれど、一般的なレベルの知識しか持ち合わせていない私には、読んでいく過程でストーリーを個々として楽しむことしかできない。決してつまらない本ではないが、思わず気持ちが馳せるような本でもない。理解し難い一冊だけど、新鮮でもある。

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編集者コメント

2002/12/20 10:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:新潮社編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 荒俣宏・井上ひさし・鈴木光司・小谷真理・椎名誠氏といういずれも名だたる読み巧者が、「これは要注意」「だまされるものか」と警戒しながら読み進めていくうちに、いつしか「やられた!」「素晴らしい悪辣さ!」「ハメラレタ!」と感嘆の声をあげてしまったという異色作です。完成度と品格の高さも折り紙つき。「インテリ殺し」の作品だという意見もありました。
 物語は、リコという30代半ばの女性作家とスマイスというアメリカ人との出会いから始まります。ところが次の頁をめくると江戸時代の辻斬りの話になり、また次をめくると太平洋戦争に従軍して捕虜になった男が登場する、という不思議な構造になっていて、読者は迷宮に入ったような気分になるかもしれません。けれども、次第にその迷宮の心地よさに酔いしれることでしょう。この作品は、色とりどりの万華鏡、美しいイングリッシュ・ガーデンなのです。「庭」は、人が移動することによって表情が変わります。この作品も、読者の目線の位置によっていろいろな表情を見せてくれることでしょう。
 なお、著者の西崎憲氏は高校卒業後、独学で英語を学び、怪奇幻想小説や英国の短編の翻訳などに携わってきました。満を持しての創作デビューです。

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2013/03/30 16:57

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2013/01/16 18:59

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2006/11/22 10:20

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2009/11/20 23:54

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2017/10/19 00:38

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2008/07/06 00:30

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