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黄泉がえり (新潮文庫)
黄泉がえり
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紙の本
狙い過ぎかな
2022/10/15 08:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
身近な人の死と復活 という永遠のテーマにSF風の味付けをした作品である。テーマがテーマだけに泣かせどころ満載 と言うのはよく分かる。狙い所があまりにもあからさまなので、浅田次郎ほどではないが、ややあざとい感じがするところもある。
紙の本
SFファンタジー
2019/03/19 20:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
裏表紙に「感涙必至のリアルホラー」とありますが、本書はホラーではなくSFファンタジー。
地球外生命体に死者の霊魂が共鳴することで起きた「黄泉がえり」現象に伴う悲喜こもごもを描いた小説。誰もが生き返るわけではなく、黄泉がえりには法則があり、その法則の一つが地震エネルギーで、熊本市直下に溜まっていたエネルギーに地球外生命体が反応したものでした。
ところで、本書が発刊されたのは平成14年です。「熊本には地震は来ない」と行政が喧伝して、盛んに企業誘致していた中、平成28年の熊本地震を予言していたかのような設定に驚きました。
電子書籍
この世に未練を残して
2018/05/04 07:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある日突然に帰ってきた死者たちが巻き起こす、悲喜こもごもが味わい深かったです。再開に喜びながらも、戸惑いを隠せない家族の葛藤が伝わってきました。
紙の本
SF風ヒューマンドラマ
2007/02/25 19:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観てから読んだのですが、よく原作を読んで映画を観た方が言う「全く違う」という言葉通り、別の話と捉えた方が良い程に違っていてびっくりしました。
映画では川田平太が主人公ですが、原作はいまいちはっきりせず、敢て言うなら児島雅人?
それだけの違いではありませんが。
映画は“お涙頂戴風”、原作は“SF風”のどちらもヒューマンドラマ。
原作は思いきりSFですね。
興味深い作品でした。
紙の本
喜びであり恐怖であり救い
2003/10/23 05:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:卯女 - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊本市ではある地震の日を境に不思議な現象が起こった。
なんと死者が、帰ってきたのだ。
死んだと思っていた家族が、大切な人が自分のもとに帰ってくる。
大切な相手ならそれだけ喜びも大きいだろうが、それと同時に再び失うかもしれないという恐怖も大きい。
泣かずに読むのが難しい、いい話でした。
紙の本
彼って!?
2003/03/29 23:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ZERO - この投稿者のレビュー一覧を見る
死んだはずの人が黄泉がえる。それが目に入った時、かなり驚き、思わず手にとって買ってしまいました。思ったとおり面白く、先の見えない話のつくりや、話の中に登場する“彼”という存在の謎など、読み手側をどきどきとさせるような表現が数多くあり、読み出すととまりません。あえていうなら、最後の部分に少し納得いかない点がありましたが、その部分もふくめとても良い話なのでおすすめです。最近映画化されましたが、映画を見た人はもちろん、見ていないかたもぜひぜひ読むべきだと思いました。
紙の本
黄泉がえり
2003/01/21 02:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:露地温 - この投稿者のレビュー一覧を見る
梶尾真治の古くからの読者として、梶尾真治はリリカルで叙情的なSF短編の名手であり、その一方で残酷だったりばかげた笑いに満ちた短編も書く器用な作家という印象をもっている。そしてそのどちらの場合もSFらしいセンス・オブ・ワンダーに満ちた世界を繰り広げてくれる作家である。
話はタイトルの『黄泉がえり』通り、黄泉から死人が帰ってくる現象が、熊本地方で起こり、それによって巻き起こる出来事とその行方を描いた話だ。死者の甦りということで、ホラーという括られ方もしているようだが、純然たるSFである。前作の『OKAGE』も、不可解な子供の大量失踪が立て続けに起こり、「お陰参り」に例えて「OKAGE現象」呼ぶという話のためか、やはりホラーとかホラーファンタジーと呼ばれていた。別にジャンルを何にしたからといって面白いことには変わりはないのだが、少しばかりホラーめいた題材だとなんでもホラーと呼んでしまうホラーブームは気に入らない。そんな流行廃り、ジャンルの括りに関係なく面白い小説なのだから。
梶尾真治の二つの資質、叙情的な部分とブラックユーモアの要素とでは、前作の『OKAGE』が後者の要素が強くエンターテイメントに徹していたのと対照的に、『黄泉がえり』は前者の叙情的な要素が強い。死者が甦り、自分たちの元に返ってきたときに人々はどういう対応をするのだろうか。もちろんゾンビのような姿で甦れば別だが、生前の元気な姿で戻ってきたら。そんなバカなことはないと否定するかもしれないし、驚くだけかもしれない、パニックになるのか、あるいはすんなりと受け入れられるのかもしれない。この物語で死者がどう受け入れられていくかは読んでのお楽しみにしておくが、それが「あるいはそういうものかもしれない」と思わせるように描かれる。
甦った人たちとそれを迎える人たちの間に巻き起こる事件は、ユーモラスであり滑稽でちょっぴり悲しい。そしてそれは本人達には天地のひっくり返るような出来事であるが、ごく日常のちょっとした出来事のようにあくまで淡々と描かれている。悲しい出来事もその悲しさを大げさに盛り上げようとはしない。あくまで叙情的に静かにユーモアを交えながら悲しさを描く。だからこそ感動があり、そして人が人を想うということはどういうことなのか考えさせてくれる。
紙の本
家族の誰もが読んだあと、よかったねといえる本なんてざらにあるもんじゃあない。その奇跡の一冊
2002/12/30 16:43
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
500頁弱の本なので新幹線で読むには最適だと思ったのだが、ちょうど半分くらいのところで泣き始めて、後半は涙が止まらなくなってしまった。読み終わって30分、引きも切らずこみあげてくるものがある。こんな内容の本だなんて分っていたら、人前では読まなかったのに。嬉しくて娘や友人に本を廻したら、皆、内容の暖かさに感激していた。もし映画を見る予定があるなら、絶対に原作を先に読んで欲しい一冊。
もし、あなたの最も大切な人が、亡くなった時のままの年齢で健康になって生き返ってくれたら、どれほど嬉しいことだろう。この設定自体は目新しいものではない。登場人物たちも等身大の人たちばかり。お調子もので、書店のレジ係りの相楽玲子に熱をあげる中岡秀哉。歌手マーチンを好きな警備員の三宅義信。熊本の冠婚葬祭の用品を扱う企業の課長で、中岡の上司 児島雅人、高校時代に声をかけてくれたギタリストを忘れられない斎紀遥子、記者の川田平太、彼らの家族、熊本の市長。彼らが、遭遇する不思議にどう向かうかが、本当に自然に描かれている。
夥しい登場人物はみな極めつけの善人。普通であれば、それだけで違和感を抱かせてしまう。気負いが全面に出て、説教臭くなり現実から遊離し、嘘だと思わせてしまう。それがこの本にはまったくない。政治や社会を大上段に批判する、といった構えたところもない。文章は癖のない、内容とバランスが取れているもの。これだけ上手く纏まっているのに、新聞の連載小説というのだから驚きだ。
梶尾は『地球はプレイン・ヨーグルト』、『おもいでエマノン』そしてある意味で今回の本の影とも言うべき『Okage』と読んできたが、「化けた」としか言いようがない。電車の中でこれほど泣いた本は、北村薫『スキップ』以来。そういえば、あの本も異常な状況下に置かれた少女の決心が、爽やかだった。よく、娘に「悲しくもないのに泣いては駄目、嬉しければ笑い、悔しければ地団駄をふみなさい」と言うのだが、間違いだった。美しい心に出会っても、涙はこぼれる。天からの贈り物とでもいいたい、ロマンという言葉がピッタリの一冊。つまらないキャストで映画化されて、この本の評価が下がらないことを心から祈ります。